KNOWLEDGE HUB
ナレッジハブ
2026/10/20
制作会社のストック収益をどう作る?月額課金で積み上がるAI対策という選択肢

単発の売上が続く理由と月額商材の3つの条件
AI対策が継続契約に向く理由と月額の組み立て方
価格と粗利の決め方と既存顧客への案内の順番
Web制作会社のストック収益をどう作るかは、受注が途切れるたびに頭をよぎる課題ではないでしょうか。サイトを納品すると売上は一度で終わり、翌月はまた新しい案件を探すことになります。結論から言えば、月額課金で積み上がる商材を1つ持つことが売上の波を小さくする近道です。中でもAI対策は計測と改善を毎月続ける性質があるため継続契約に向いています。
この記事では、月額商材に求められる条件から価格の決め方、既存顧客への案内の順番までを10の観点で整理しました。読み終えるころには、自社が最初に用意する月額メニューまで判断できるようになります。
1. 制作会社の売上が単発になりやすい理由
制作会社の売上が単発になりやすいのは、納品した時点で取引が完結する商売の形だからです。サイト制作の対価は制作費として一度に受け取り、翌月に同じ顧客から入る売上はありません。そのため毎月の売上は新規の受注数で決まります。受注が多い月と少ない月の差が、そのまま資金繰りの波になります。
制作費の規模が大きいほど、この波は大きくなります。たとえば月に3件の受注が2件に減るだけで、売上は3分の1落ちる計算です。営業に使える時間は制作が忙しい月ほど減ります。その結果、忙しい月の次に暇な月が来るという周期が生まれます。
現場でよく見られるのは、納品後の顧客と連絡が途切れてしまう例です。せっかく信頼を得た顧客なのに、ストック収益につながる接点がありません。まずは過去1年の売上を月ごとに並べ、受注の波がどれだけあるかを確かめてみましょう。
納品で終わる取引の形
サイト制作は、要件の整理から公開までを1つの案件として請け負います。公開した時点で契約の目的は達成され、請求も1回で終わります。顧客にとっても公開がゴールになりやすく、その後の相談は減っていきます。制作会社の側も次の案件の制作に追われ、公開後の顧客を見に行けません。取引が1回で終わる形を変えるには、公開後に続く役割を契約の中に用意する必要があります。
公開後の役割としてまず思い付くのは保守です。ただし保守だけでは、顧客が価値を感じる場面が少ないという別の問題があります。
売上の波が経営に与える影響
売上の波は、採用と設備の判断を難しくします。忙しい月に合わせて人を増やすと、暇な月の人件費が重くなります。反対に暇な月に合わせると、忙しい月に外注費がかさんで利益が残りません。波があるままでは、1年先の計画を数字で立てられないのです。月ごとの売上を並べて、最も低い月の数字を基準に固定費を見直してみましょう。
ストック収益は、この最も低い月の底上げとして働きます。毎月決まって入る売上が固定費に近づくほど、受注の波に左右されにくくなります。
関連記事:愛知県のWeb制作会社がAI対策の代理店になるには。始め方と収益の仕組み
2. 保守・運用だけでは伸びにくい背景

保守・運用の月額だけでストック収益を伸ばすのが難しいのは、顧客が価値を感じにくい内容だからです。サーバーの管理や更新作業は、問題が起きなければ目に見えません。そのため金額は低く抑えられがちで、値上げの交渉もしにくくなります。契約は続いても、1社あたりの月額は小さいままです。
保守の月額だけで固定費をまかなうには、契約の数を大きく増やすしかありません。ところが更新の依頼は件数に比例して手間が増えるため、人手が追いつかなくなります。1社あたりの月額が低いまま件数だけ増える形では、利益が伸びません。契約が増えるほど忙しくなるのに、手元に残る金額は変わらないという状態です。
よくある失敗は、保守料を安くして契約数だけを追う例です。安い保守は解約の判断も軽くなり、サイトの作り直しのたびに他社へ移ります。まずは今の保守契約の月額と作業時間を一覧にし、時間あたりの利益を確かめてみましょう。
| 月額の商材 | 顧客が感じる価値 | 手間の増え方 |
|---|---|---|
| 保守・更新 | 問題が無いと見えにくい | 依頼の件数に比例する |
| 成果を報告する運用 | 毎月の数字で分かる | 報告の型を作れば一定 |
見えにくい価値は値上げしにくい
保守の価値は、障害が起きなかった時間にあります。ところが顧客は障害の無い状態を当たり前と受け取るため、その価値を意識しません。見えない価値に高い月額は払いにくいのが実情です。結果として保守料は、制作費に比べてかなり低い水準に落ち着きます。月額を上げたいなら、顧客が毎月目にする成果物を契約に含める必要があります。
成果物の例は、数字の入った報告書です。先月より何がどう変わったかが分かれば、月額の意味を顧客が自分で説明できるようになります。
作業の手間が契約数に比例する
更新作業の月額は、依頼が来るたびに手が動く形です。契約が10社から30社に増えれば、作業時間もおおむね3倍になります。人を増やさずに続けると、返事が遅れて信頼を落とすことになりかねません。保守だけでストック収益を伸ばそうとすると、人件費の増え方と月額の伸びが釣り合いません。手間が契約数に比例しにくい商材を、保守の隣に置くことが現実的な解決策です。
手間が比例しにくい商材の代表が、ツールと報告の型で提供する運用支援です。次の章で、月額商材に求められる条件として整理します。
3. 月額課金の商材に求められる条件
月額課金の商材に求められる条件は、毎月の価値が顧客に見える・手間が増えにくい・制作の延長で提案できるの3つです。この3つがそろうと、契約が続きやすく利益も残ります。1つでも欠けると、保守と同じ低い月額か手間の増加に戻ってしまいます。ストック収益の商材を選ぶときは、この3つを順に確かめます。
確かめ方は単純です。1つ目は、顧客が毎月受け取るものを1枚の紙に書けるかどうかです。2つ目は、契約が2倍になったときに作業時間が2倍になるかどうかです。3つ目は、サイトを納品した顧客にそのまま案内できる内容かどうかです。
現場でよく見られるのは、流行の商材を仕入れたものの制作の顧客と接点が無い例です。顧客が求めていない商材は、営業の手間だけが増えます。まずは今の顧客が公開後に困っていることを3つ書き出し、3つの条件に当てはまる商材を探してみましょう。
毎月の価値を数字で示せるか
月額の商材は、毎月の報告で価値を示せるものを選びます。報告に数字が入っていれば、顧客は月額の意味を社内で説明できます。数字が無い報告は、読まれないまま解約の理由になりがちです。報告に載せる数字は、顧客の売上に近いものほど説得力があります。候補の商材ごとに、毎月どんな数字を報告できるかを書き出してみましょう。
数字は、前月との比べ方まで決めておきます。増えた・減っただけでなく、理由を一言添えられる形が理想です。
制作の延長で提案できるか
制作会社の強みは、顧客のサイトを一番よく知っていることです。公開直後のサイトには、情報の整え方や見せ方の課題が残っています。その課題に制作の知識で応えられる商材なら、営業の説明も短くて済みます。反対に制作と関係の薄い商材は、別の会社に頼む理由を顧客に与えます。納品の打ち合わせの中で自然に話せる商材かどうかを基準にしましょう。
公開後の相談で多いのは、サイトが見つけてもらえないという悩みです。2026年現在、その悩みには検索だけでなくAIの答えに出るかどうかも含まれています。
4. AI対策が継続契約に向く理由
AI対策が継続契約に向くのは、AIの答えが変わり続けるため計測と改善を止められないからです。ChatGPTやGeminiなどのAIは、同じ質問にも聞くたびに違う答えを返します。一度の施策で終わるものではなく、毎月の計測で変化を追う必要があります。この性質が、ストック収益の商材として月額課金と相性のよい理由です。
継続の目安も見えています。構造化データのような技術的な改善は比較的早く反映されます。一方で、AIに安定して紹介される状態には数か月単位の継続が目安です。効果を確かめる期間そのものが、契約の継続期間になります。
よくある失敗は、AI対策を1回の設定作業として売ってしまう例です。設定だけでは変化を追えず、顧客は成果を確かめられないまま終わります。最初から月額の計測と報告を組み込んだ形で、提案の型を作りましょう。
AI対策が月額に向く3つの性質
答えが変わるから計測が続く
AIの答えは、同じ質問でも日によって違います。先月は紹介された会社が今月は出ないということも起こります。そのため1回の確認で終わらせず、同じ質問を毎月くり返して割合で見る必要があります。この計測は顧客が自分で続けにくい作業であり、代わりに続ける価値が生まれます。毎月の計測を契約に含めれば、報告のたびに顧客との接点ができます。
計測する質問は、顧客の業種・地域・強みに合わせて作ります。質問の設計そのものも、制作会社が顧客を知っているからこそできる作業です。
成果を数字で報告できる
AI対策の報告には、AIに名前が出た割合という分かりやすい数字があります。6つのAIごとに、何回聞いて何回紹介されたかを並べられます。数字の隣にAIが実際に書いた紹介文を添えると、顧客は変化を文章でも確かめられます。GA4やSearch Consoleの流入と並べれば、検索との違いも説明できます。報告の型を1枚に決めておくと、顧客が増えても作業は増えにくくなります。
ただし数値は、AIの回答や連携データにもとづくため多少の変動があります。報告では変動がある前提を先に伝え、割合の推移で読む形にしておきます。
あわせて読みたい:SEO会社が既存顧客にAIO対策を提案する手順!反応が変わる伝え方の型
5. ツールの提供と運用支援の組み合わせ

ストック収益として形にするには、計測ツールの提供と毎月の運用支援を1つの月額にまとめる形が向いています。ツールだけでは顧客が使いこなせず、支援だけでは手間が契約数に比例します。2つを組み合わせると計測はツールが自動で行い、人は報告と改善の相談に集中できます。手間を増やさずに価値を示せる形です。
役割の分け方は明快です。ツールが担うのは、AIへの質問・答えの保存・数字の集計・報告書の出力です。人が担うのは、質問の設計・報告の読み解き・次の施策の提案です。月1回の報告の場を30分ほど設ければ、1社あたりの手間は一定に保てます。
現場でよく見られるのは、ツールの画面を顧客に渡しただけで使われなくなる例です。顧客は画面を見る時間がなく、数字の意味を教えてくれる人を求めています。ツールと支援を分けずに、1つのメニューとして案内しましょう。
ツールが担う計測と集計
計測を人の手で続けるのは現実的ではありません。質問が20個・AIが6つ・回数が5回なら、1か月で600回の答えを集める計算です。トロパスでは、質問を6つのAIに投げて答えの文章をそのまま保存し、名前が出た割合を集計します。GA4とSearch Consoleの数字も同じ画面に並び、A4のレポートをボタンひとつで出せます。計測の作業をツールに任せると、人は報告の中身を考える時間を確保できます。
ツールの計測は毎朝自動で更新されます。報告の直前に慌てて数字を集める必要がなく、月の途中でも変化を確かめられます。
人が担う報告と改善の相談
人の役割は、数字の意味を顧客の言葉に直すことです。AIに名前が出た割合が上がった理由や、競合だけが挙がる質問の意味を説明します。次に何を直すかを、顧客のサイトを知る制作会社の目線で提案します。提案の多くは、会社概要やよくある質問の書き足しといった制作の延長の作業です。報告のたびに小さな制作の案件が生まれる形は、ストック収益と単発の売上の両方につながります。
報告の場は、同じ型をくり返すことで手間を抑えます。数字の推移・AIの紹介文・次の施策の3点に絞れば、30分で終えられます。
6. 自社ブランドで提供する方法
自社ブランドで提供する方法として、開発元から卸を受けて自社の名前で再販するOEMという選択肢があります。ゼロからツールを開発すると、開発費と保守の人員が継続して必要です。OEMなら開発と保守は開発元が担い、制作会社は提案と運用支援に集中できます。ストック収益を立ち上げるまでの期間も短く済みます。
仕組みは卸と再販です。開発元が卸価格で提供し、制作会社が自社ブランドの価格で顧客に販売します。ロゴとツール名を差し替え、管理画面や報告書のPDFまで自社ブランドで見せられます。複数の顧客を1つの管理画面でまとめて見られる形なら、担当者の手間も増えにくくなります。
よくある失敗は、自社開発にこだわって商材の提供が遅れる例です。その間に顧客は別の会社の月額メニューを契約してしまいます。まずはOEMで提案を始め、顧客の反応を見てから内製化を検討する順番が現実的です。
| 項目 | 自社開発 | OEMでの提供 |
|---|---|---|
| 開発・保守 | 自社で人員を確保する | 開発元が担当する |
| 立ち上げまで | 開発期間の分だけ遅れる | 最短1週間で提案を始められる |
| 顧客に見える名前 | 自社ブランド | 自社ブランド(ロゴ・ツール名を差し替え) |
OEMで名前と画面を自社のものにする
OEMでは、ロゴとツール名を差し替えて自社の商材として提供します。顧客が見る管理画面もレポートのPDFも自社ブランドになるため、開発元の名前を顧客が意識する場面はありません。株式会社TROBZのOEMでは、トロパスの全機能をパートナーのブランドで開放し、AIの仕様変更への対応も含めて開発と保守をTROBZが担います。アップデートでパートナーに追加の負担はかかりません。自社ブランドの月額メニューを、開発を待たずに用意できる形です。
パートナー用の画面では、担当する複数の顧客を1つの管理画面でまとめて管理できます。顧客が増えても、画面を行き来する手間は増えません。
参画の流れと受けられる支援
参画の流れは、個別面談・条件の確認・契約と提供開始の3段階で考えると整理しやすくなります。面談で制度と商材の説明と実機のデモを受け、次に収益条件と役割分担を確認し、契約後に提供を始めます。開始後は商談資料やトークスクリプトの提供を受けられる制度なら、提案の型を一から作る必要はありません。商談用のデモ環境があれば、顧客の前で実際の画面を見せながら話せます。面談の前に、最初に案内したい顧客を3社ほど決めておくと話が具体的になります。
支援の形は制度によって異なりますが、操作方法と提案の進め方のレクチャーや月1回の勉強会を設けている例があります。導入後に担当者が1人で抱え込まない体制かどうかを、面談で確かめておきましょう。
7. 価格設定と粗利の考え方
再販の価格は、卸価格に運用支援の手間を上乗せし、顧客が毎月払い続けられる水準で決めます。粗利は再販価格と卸価格の差額です。販売価格は制作会社が自分で決められるため、支援の厚さに応じて複数の価格を用意できます。安くしすぎると支援の時間が確保できず、高くしすぎると継続が止まります。
価格を決める順番は3つです。まず卸価格と、1社あたりに毎月かける時間を書き出します。次に、その時間に自社の時間単価を掛けて支援の対価を出します。最後に、顧客の規模ごとに払いやすい水準と見比べて調整します。
現場でよく見られるのは、ツールの月額だけを再販して支援の対価を入れ忘れる例です。それでは報告の時間が持ち出しになり、続けるほど苦しくなります。ツール代と支援代を分けて積算し、1つの月額として案内しましょう。
卸価格と再販価格の差が粗利になる
OEMの粗利は、再販価格から卸価格を引いた差額です。差額の中に、報告や相談にかける時間の対価が含まれます。たとえば月1回30分の報告と月1回の施策提案なら、その時間の分を支援の対価として差額に含めます。差額が小さいと、顧客が増えるほど忙しくなるのに利益が残りません。契約の前に、1社あたりの粗利が自社の時間単価に見合うかを計算しておきましょう。
粗利は、顧客の数が増えるほど積み上がります。10社・20社と増えたときの月の粗利を試算すると、採用や設備の判断に使える数字になります。
単体販売と支援込みで価格を分ける
価格は、ツールの単体販売と運用支援込みの2段階に分けると提案しやすくなります。自分で画面を見られる顧客には単体の価格を、報告と相談まで求める顧客には支援込みの価格を案内します。顧客が自分に合う方を選べる形にすると、価格の説明がしやすくなります。最初は支援込みを基本にし、単体は例外として扱う方が手間の見積もりが安定します。2つの価格の差額が、支援の価値として顧客に伝わります。
価格表はA4一枚にまとめ、商談で見せられる形にします。何が含まれて何が含まれないかを、表の中で明確にしておきます。
こちらも読まれています:OEMとホワイトラベルの決定的な違い。AI対策を自社商品にする前の基礎知識
8. 既存顧客への案内の順番

案内の順番は、公開から日が浅く・AIで調べられやすい業種で・担当者との関係が続いている顧客から始めるのが基本です。新規の顧客に売り込むより、信頼のある既存顧客の方が話を聞いてもらえます。最初の数社で提案の型と報告の型を固めてから、残りの顧客へ広げます。順番を決めることで、営業の手間を分散できます。
進め方の目安は3か月です。1か月目に顧客の一覧を作り、優先度の高い3〜5社に案内します。2か月目に契約した顧客の初回の報告を行い、提案の説明で詰まった点を直します。3か月目から、残りの顧客に順に案内していきます。
よくある失敗は、全顧客に一斉にメールを送って返事が来ない例です。一斉の案内は自分ごとに感じにくく、読まれないまま終わります。まずは顧客ごとにAIで調べた結果を添えて、1社ずつ声をかけましょう。
案内の順番を決める3つの軸
納品直後の顧客から声をかける
納品直後の顧客は、サイトへの関心が最も高い時期にいます。公開したばかりで、見つけてもらえるかどうかを気にしています。この時期に公開後にAIでどう紹介されるかを確かめる提案をすると、自然に話が進みます。納品の打ち合わせの最後に、AIでの見え方を確かめる短いお試し期間を案内する形が組み込みやすい方法です。お試しの結果を見てから月額の継続を判断してもらえば、無理な売り込みになりません。
過去に納品した顧客にも、サイトの定期点検の名目で連絡する機会を作れます。点検の報告にAIでの見え方を1枚添えると、関心を持つ顧客が見分けられます。
AIで調べられやすい業種を優先する
AIで依頼先を調べられやすい業種は、比較して選ぶ商材やサービスを扱う会社です。宿泊・医療・士業・住宅・制作のような、地域と条件で候補を探す業種が当てはまります。こうした業種の顧客は、AIに名前が出ない状態の損失を具体的に想像できます。反対に紹介や指名だけで仕事が決まる業種は、優先度を下げてかまいません。顧客の一覧に業種の列を足し、AIで調べられやすい順に並べ替えてみましょう。
案内の前に、その顧客の業種で実際にAIに質問してみます。競合だけが挙がる結果が出れば、その画面が何よりの提案資料になります。
9. 解約を防ぐ報告と改善提案
解約を防ぐ要点は、毎月の報告で変化と次の一手をセットで示すことです。数字が上がった月も下がった月も、理由と次の施策があれば顧客は続ける意味を見失いません。報告が数字の羅列だけになると、月額の価値が見えなくなり解約につながります。報告はストック収益を守る作業と位置づけます。
報告の型は3点です。1つ目は、AIに名前が出た割合の推移です。2つ目は、AIが書いた紹介文の変化です。3つ目は、次の月に行う施策とその理由です。この3点をA4一枚にまとめ、月1回30分で説明します。
現場でよく見られるのは、数字が下がった月に報告を遅らせてしまう例です。遅れた報告は不信感の原因になり、解約の判断を早めます。下がった月こそ理由と次の施策を先に書いて、予定どおりに報告しましょう。
数字と紹介文を並べて報告する
報告では、割合の推移とAIの紹介文を同じ紙に載せます。割合だけでは変化の理由が分からず、紹介文だけでは変化の大きさが伝わりません。2つを並べると、書き足した情報が紹介文に表れたかを顧客自身が確かめられます。数字に多少の変動がある点は、最初の報告で先に伝えておきます。変動の説明を毎月くり返さずに済むよう、報告書の決まった位置に注記を置いておきましょう。
紹介文は、顧客の名前が出た回の文章をそのまま抜き出します。顧客は自社がどう説明されているかを読むことで、施策の意味を実感します。
改善提案を制作の案件につなげる
改善提案は、顧客のサイトに対する具体的な作業として出します。会社概要の書き足し・よくある質問の追加・事例ページの作成などは、制作会社が得意とする作業です。提案の中から顧客が選んだ作業は、月額とは別の制作の売上になります。月額で接点を保ちながら、小さな制作の案件が毎月生まれる形です。提案は毎月1つか2つに絞り、顧客が判断しやすい量に抑えましょう。
提案には、根拠になった数字と手間の目安を添えます。根拠があれば、顧客は社内で予算を通しやすくなります。
10. 制作の次の柱を育てるために
制作の次の柱を育てるには、月額商材を1つに絞って最初の10社まで積み上げることに集中します。複数の商材を同時に始めると、提案の型も報告の型も固まりません。1つの商材で10社の契約ができれば、毎月の売上の底がはっきり上がります。そこから先は、同じ型をくり返すだけでストック収益が積み上がります。
期間の目安は半年です。最初の3か月で提案の型を固め、既存顧客の中から数社と契約します。次の3か月で報告の型を固め、解約が出ない運用を確かめます。半年の時点で粗利の合計を見て、人を増やすかどうかを判断します。
よくある失敗は、最初の1社が決まらないうちに商材を変えてしまう例です。商材を変えるたびに、学び直しの時間が生まれます。まずは最初の1社の契約と初回の報告までを、今月の予定に書き込みましょう。
最初の10社までを設計する
10社という目安は、提案と報告の型が固まる数として考えます。1社ごとに違う対応をしていては、手間が契約数に比例してしまいます。10社を同じ型で回せていれば、20社・30社に増えても手間はゆるやかにしか増えません。10社分の粗利の合計は、制作の受注が少ない月の底支えとして働きます。既存顧客の一覧から、最初の10社の候補に印を付けてみましょう。
10社に届くまでは、新規の営業より既存顧客への案内を優先します。信頼のある相手の方が、提案の型を磨くための率直な反応をもらえます。
制作と月額を行き来する関係をつくる
ストック収益の本当の価値は、顧客との接点が毎月続くことにあります。月額の報告のたびに、サイトの改善や新しいページの相談が生まれます。制作で得た顧客を月額につなぎ、月額の報告から次の制作が生まれるという流れです。単発の売上と積み上がる売上が、互いを支える形になります。制作会社の次の柱は、この行き来を止めないことで育っていきます。
2026年現在、サイトの公開後に顧客が気にすることはAIでの見え方まで広がっています。制作の知識を持つ会社だからこそ、その悩みに公開後も寄り添う月額メニューを用意できます。
月額で積み上げる売上を制作の隣に置く
Web制作会社のストック収益は、毎月の価値が見える・手間が増えにくい・制作の延長で提案できる商材で作ります。AI対策は答えが変わり続けるため計測と報告が続き、ツールと運用支援を1つの月額にまとめれば手間を抑えて価値を示せます。OEMなら開発を待たずに自社ブランドで始められ、価格は卸価格に支援の対価を上乗せして決めます。
Web制作会社のストック収益に関するよくある質問
保守契約があればストック収益と言えますか
A. 言えますが、月額が低く手間が契約数に比例しやすい形です。
顧客が毎月価値を感じる成果物を加えると、月額を上げやすくなります。数字の入った報告が代表的な成果物です。
AI対策の月額はどのくらいの期間続きますか
A. 数か月単位の継続が目安です。
AIに安定して紹介される状態になるまで時間がかかるためです。効果を確かめる期間がそのまま契約の継続期間になります。
OEMと自社開発はどちらが向いていますか
A. 早く始めたいならOEMで提案を始める方が現実的です。
開発と保守を開発元が担うため、制作会社は提案と運用支援に集中できます。顧客の反応を見てから内製化を検討できます。
最初に何社から始めればよいですか
A. 既存顧客の中から3〜5社に絞って案内します。
納品から日が浅く関係が続いている顧客を優先します。最初の数社で提案と報告の型を固めてから広げます。
ABOUT THE AUTHORこの記事の執筆者
畔栁 洋志KUROYANAGI YOJI
株式会社TROBZ 代表取締役
保有資格SEO検定1級(全日本SEO協会)
2024年に株式会社TROBZを創業。AI検索・SEO・MEOの対策サービスと、AI分析ツール「トロパス」を自社で開発・提供している。Mission:AI時代の見つかる仕組みを設計する
- 2024年TROBZを創業
- 6種類トロパス計測AI数
- 12件導入事例を掲載
- 95%以上サービス継続率
COMPANY運営会社
- 会社名
- 株式会社TROBZ(トロブズ)
- 設立
- 2024年11月12日
- 所在地
- 愛知県名古屋市中村区名駅3-4-10 アルティメイト名駅1st 2階
- 事業内容
- 生成AI検索最適化・SEO対策・MEO対策・Webサイト制作 ほか
- 法人番号
- 3180001164195



