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2026/10/25

AI分析ツールを再販するときの価格の決め方。卸価格から考える粗利と提案の型

AI分析ツールを再販するときの価格の決め方。卸価格から考える粗利と提案の型

この記事でわかること
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卸価格から粗利を出す計算の順番
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単体販売と運用支援込みの価格の分け方
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値引きや無料期間で価格を崩さない対応

AI分析ツールの再販価格の決め方に迷い、見積もりを出せないまま商談を先送りにしていないでしょうか。卸価格に少し上乗せしただけの金額では、報告や相談にかかる時間が利益を食いつぶしてしまいます。結論から言えば、卸価格・支援の手間・顧客の払える額の3つを順に重ねると無理のない価格が決まります。さらに単体販売と運用支援込みの2つの価格を用意すると、提案の幅が広がります。

この記事では、仕組みの理解から値引きへの対応、価格表と提案書の作り方までを実務の順に整理しました。読み終えるころには、自社の再販価格を1枚の価格表にまとめるところまで判断できるようになります。

1. 卸と再販の仕組み

AI分析ツールの再販は、開発元が卸価格で提供し販売会社が自社の価格で売る仕組みです。販売会社は顧客との契約・請求・サポートを受け持ち、開発元はツールの開発と保守を受け持ちます。再販価格と卸価格の差額が、販売会社の粗利になります。再販価格を決める権限が販売会社にあるため、同じツールでも売り方で利益が変わります。

取引の流れは3段階で整理できます。まず開発元と販売会社が卸の契約を結び、卸価格と役割分担を決めます。次に販売会社が自社の価格で顧客と契約し、毎月の利用料を請求します。最後に販売会社が開発元へ卸価格を支払い、残った差額が月ごとに積み上がります。

現場でよく見られるのは、卸価格だけを見て再販価格を決め、自社の役割を数えていない例です。顧客からの質問や報告の準備は、すべて販売会社の時間になります。まずは自社が受け持つ作業を書き出し、どこまでが再販価格に含まれるかを決めてから金額を考えましょう。

開発元の役割:ツールの開発・保守と仕様変更への対応を受け持ちます。
販売会社の役割:顧客との契約・請求・問い合わせの窓口を受け持ちます。
粗利:再販価格から卸価格を引いた差額が毎月残ります。

OEMで自社の商材として売る

再販の形の1つに、ロゴやツール名を自社のものに差し替えるOEMがあります。顧客が見る画面や報告書が自社ブランドになるため、開発元の名前を出さずに提案できます。株式会社TROBZのOEMでは、トロパスをパートナーのブランドで提供し、販売価格はパートナーが決める仕組みです。開発と保守は開発元が担い、AIの仕様変更への対応も含まれます。自社の商材として再販価格を決められる点が、紹介料型の取引との大きな違いです。

紹介料型では価格も契約も開発元が持つため、販売会社の取り分は一度きりになりがちです。再販なら顧客との契約が自社に残り、毎月の売上として積み上がります。

毎月の差額が積み上がる構造

再販の粗利は、契約が続く限り毎月発生します。単発の制作費と違い、顧客の数が増えるほど月の粗利も増える形です。1社あたりの差額が同じなら、5社で5倍・30社で30倍の粗利が毎月決まって入る計算になります。この積み上がりは解約が少ないほど大きくなるため、再販価格は続けやすさも含めて決めます。契約数ごとの月の粗利を表にしておくと、採用や設備の判断に使えます。

差額が小さすぎると、契約が増えても忙しさだけが増えます。再販価格を決める前に、1社あたりに残したい金額を先に決めておきましょう。

関連記事:OEMとホワイトラベルの決定的な違い。AI対策を自社商品にする前の基礎知識

2. 再販価格を決める3つの視点

再販価格を3段で積み上げた階層の図です。土台に卸価格、その上に毎月の作業時間に時間単価を掛けた支援の対価を重ねて最低ラインとし、最上段で顧客の払える額と見比べて価格を置きます。

再販価格は、原価・手間・顧客の払える額の3つの視点を順に重ねて決めます。原価は卸価格、手間は報告や相談にかかる時間、顧客の払える額は業種や規模で変わる上限です。1つだけで決めると、利益が残らないか売れないかのどちらかに偏ります。3つの視点を同じ紙に並べると、価格の幅が自然に見えてきます。

決める順番は、下から積み上げる形が分かりやすくなります。1段目に卸価格を置き、2段目に1社あたりの毎月の作業時間×自社の時間単価を足します。こうして出た合計が、赤字にならない最低ラインです。3段目で顧客の払える額と見比べ、最低ラインとの間に再販価格を置きます。

よくある失敗は、顧客の払える額から逆算して作業時間を数えないまま価格を決める例です。その結果、報告の準備が無償の作業になり、契約が増えるほど苦しくなります。まずは1社分の作業を月の時間で書き出し、最低ラインを出すところから始めましょう。

再販価格を決める3つの視点

原価:卸価格を価格の土台として置きます。
手間:毎月の作業時間に自社の時間単価を掛けます。
払える額:業種と規模で変わる上限と見比べます。

原価と手間から最低ラインを出す

最低ラインは、卸価格と支援の対価の合計です。支援の対価は、1社あたりの毎月の作業時間に自社の時間単価を掛けて出します。作業時間には報告書の準備・報告の打ち合わせ・メールや電話での質問への対応まで含めます。見落としやすいのは、契約の手続きや請求の作業にかかる時間です。1か月分の作業を15分単位で書き出すと、思ったより多い時間が見えてきます。

最低ラインを下回る価格は、契約が増えるほど赤字が広がります。値引きの交渉に入る前に、下回ってはいけない金額として社内で共有しておきましょう。

顧客の払える額から上限を見る

上限は、顧客がその金額を毎月払い続けられるかで考えます。導入の判断は一度でも、支払いは毎月続くためです。顧客が今使っている広告費や保守料と比べて違和感のない金額かどうかが目安になります。比べる材料として、顧客が月々払っているWeb関連の費用を商談の前に聞いておくと判断しやすくなります。上限と最低ラインの間が狭いときは、支援の内容を減らした価格も用意します。

上限を超える価格は、契約が取れても更新の時期に見直されやすくなります。続けてもらえる金額を優先しましょう。

3. 単体販売と運用支援込みの違い

単体販売と運用支援込みの違いは、ツールの利用だけを売るか読み解きと提案まで売るかにあります。単体販売は顧客が自分で画面を見て判断し、支援込みは販売会社が数字の意味を説明して次の施策を示します。2つの再販価格の差は、この説明と提案にかかる時間の分です。2つを分けると、顧客の体制に合わせて選んでもらえます。

支援込みの中身は、月1回の報告・報告書の作成・質問への回答の3つが基本です。報告を30分、報告書の準備を1時間ほどと見積もると、1社あたり月2時間前後が目安になります。単体販売では、操作方法の案内と問い合わせの窓口だけを受け持ちます。どちらの場合も、含まれる作業と含まれない作業を契約の前に書面で示します。

現場でよく見られるのは、単体販売のつもりで契約したのに毎月の報告を求められて断れなくなる例です。境界があいまいなままでは、単体の価格で支援込みの作業をすることになります。まずは2つの価格それぞれに作業の一覧を付け、顧客と同じ紙を見ながら選んでもらいましょう。

項目 単体販売 運用支援込み
顧客がすること 画面を見て自分で判断する 報告を受けて施策を選ぶ
販売会社の作業 操作の案内と問い合わせの窓口 報告書の作成と月1回の報告
向いている顧客 社内にWeb担当者がいる 担当者が兼任で時間が少ない

単体販売が向く顧客

単体販売は、社内にWebの担当者がいる会社に向いています。担当者が自分で画面を見て、AIの答えの変化を追えるからです。こうした顧客には、操作方法を最初に丁寧に伝えることが価格以上に効きます。導入の時期に30分ほどの操作説明を1回入れると、その後の問い合わせが減ります。単体の価格は、卸価格に窓口の手間を少し乗せた水準に置きます。

単体の顧客でも、使ううちに読み解きの相談が増えて支援込みへ移ることがあります。移りやすいように、2つの価格の差を説明できるようにしておきましょう。

運用支援込みが向く顧客

運用支援込みは、Webの担当者が他の仕事と兼任している会社に向いています。画面を見る時間がとれず、数字の意味を教えてくれる相手を求めているからです。こうした顧客は、報告の場があること自体に価値を感じます。報告ではAIの答えの変化と次の月に直す箇所を1つか2つに絞って伝えます。顧客の手を止めない形で成果を見せられると、継続の判断が早くなります。

支援込みの価格は、単体の価格に月の作業時間の分を足して決めます。差額の根拠を作業の一覧で示せると、価格の説明が短くなります。

4. 顧客の業種と規模で変わる価格

顧客の業種と規模で価格を変えるときは、計測する店舗やサイトの数と質問の作り込みの量を基準にします。店舗が多い会社ほど計測の対象が増え、報告に載せる数字も増えます。業種によっては、地域や強みごとに質問を細かく分ける必要があります。作業量の差を再販価格に映すと、顧客ごとの手間と粗利の釣り合いが取れます。

区分の目安は3段階で十分です。1店舗・1サイトの小規模、数店舗の中規模、多店舗や複数ブランドの大規模に分けます。区分ごとに作業時間を見積もり、最低ラインを出し直します。店舗やサイトを1つずつ追加できるツールなら、店舗の数で積み上げる価格の組み方とも相性がよい形です。

よくある失敗は、大きな会社だからという理由だけで高い価格を出す例です。根拠のない差は、顧客の担当者が社内で説明できないため決裁で止まります。まずは区分ごとに店舗数と質問の数を並べ、作業量の差として価格の差を示しましょう。

小規模:1店舗・1サイトで質問の数を絞って始めます。
中規模:数店舗を同じ画面で比べ、店舗ごとの差を報告します。
大規模:多店舗や複数ブランドを、区分ごとに分けて計測します。

業種で変わる質問の作り込み

業種によって、AIに投げる質問の作り方が変わります。宿泊や飲食のように地域で探される業種は、地名と目的を組み合わせた質問が中心です。士業や製造業のように専門性で選ばれる業種は、相談内容ごとの質問を細かく用意します。質問の数が増えるほど報告で読み解く答えも増えるため、作業時間に差が出ます。業種ごとに質問の数の目安を決めておくと、見積もりが速くなります。

質問の設計は、顧客の業種を知る販売会社だからこそできる作業です。設計の手間を価格の根拠として説明に入れましょう。

規模で変わる計測と報告の量

規模が大きい会社では、店舗ごと・ブランドごとの比較が求められます。本部は全体の傾向を、各店舗は自店の数字を知りたいためです。報告書を本部向けと店舗向けに分ける場合は、その作業時間を価格に入れます。一方で同じ型の報告書を店舗の数だけ出せるなら、店舗が増えても手間はゆるやかにしか増えません。大規模の再販価格は、店舗あたりの単価を下げつつ合計で粗利を確保する考え方が向いています。

店舗あたりの単価を下げるときも、最低ラインを下回らないかを区分ごとに確かめます。

あわせて読みたい:制作会社のストック収益をどう作る?月額課金で積み上がるAI対策という選択肢

5. 粗利の考え方

単体販売と運用支援込みを左右に並べて比べています。単体は社内にWeb担当者がいる顧客が画面を見て自分で判断し、支援込みは兼任の顧客に報告書の作成と月1回の報告で次の施策を示します。

粗利は、1社あたりの差額と契約が続く月数を掛けた合計で考えます。毎月の差額が小さくても、長く続けば合計は大きくなります。反対に差額が大きくても、数か月で解約されるなら合計は伸びません。月の粗利だけでなく、1社から得られる合計で判断することが再販価格の安定につながります。

計算の手順は3つです。1つ目に、再販価格から卸価格を引いて月の差額を出します。2つ目に、差額から支援にかかる時間の原価を引き、手元に残る金額を出します。3つ目に、その金額に想定する契約月数を掛けて1社あたりの合計の粗利を出します。

現場でよく見られるのは、差額をそのまま利益と考えて支援の時間を差し引いていない例です。報告に時間をかけるほど、手元に残る金額は減っていきます。まずは今の顧客1社を例にして、3つの手順で手元に残る金額を計算してみましょう。

月の差額:再販価格から卸価格を引いた毎月の取り分です。
手元の利益:差額から支援の時間の原価を引いた金額です。
合計の粗利:手元の利益に契約が続く月数を掛けて出します。

支援の時間を原価として数える

支援の時間は、目に見えにくい原価です。報告の打ち合わせだけでなく、準備や移動・質問への返信にも時間がかかります。これらを月の合計時間として記録すると、1社あたりの本当の原価が分かります。記録は最初の3か月だけでも十分で、その平均を見積もりの基準にします。基準ができれば、次の顧客の価格を出す時間も短くなります。

時間がかかりすぎている顧客は、報告の型を見直す合図です。報告書の型を共通にするだけで、準備の時間は減らせます。

契約が続く月数で合計を見る

粗利の合計は、契約が続く月数で大きく変わります。AIの答えは聞くたびに変わるため計測と報告を続ける意味があり、継続を前提に価格を組めます。AIに安定して紹介される状態には数か月単位の継続が目安で、TROBZの実績では2〜6か月で変化が現れています。ただしこれは目安であり、効果を約束する数字ではありません。最初の数か月は成果が見えにくい前提で、続けやすい再販価格にしておくことが合計の粗利を守ります。

契約月数を長く見積もりすぎると、価格を安くしすぎる原因になります。控えめな月数で計算しておきましょう。

6. 無料期間やデモの使い方

無料期間やデモは、価格を下げずに導入の不安を減らすために使います。顧客が迷う理由の多くは、金額よりも自社の場合に何が分かるかが見えないことです。実際の画面や自社の結果を見せれば、価格の説明を短くできます。値引きの代わりに体験を差し出す考え方です。

使い分けの目安は2つです。初回の商談では、架空のデータが入ったデモ環境で画面の見方を伝えます。関心を持った顧客には、自社のサイトをつないだ無料期間で自社がAIにどう紹介されているかを見てもらいます。期間の終わりに結果を一緒に読む場を設け、そこで継続の価格を案内します。

よくある失敗は、無料期間を渡したまま連絡をせず期間が自然に終わってしまう例です。顧客は結果を見ないまま、判断の材料がない状態で終わります。まずは無料期間の最終日の前に30分の振り返りを予定に入れてから、お試しを案内しましょう。

デモ環境:架空のデータで画面の見方を伝えます。
無料期間:自社のサイトをつなぎ、AIでの紹介のされ方を見てもらいます。
振り返り:期間の終わりに結果を一緒に読み、継続の価格を案内します。

デモで画面の見方を伝える

デモは、顧客のデータを使わずにツールの価値を見せる方法です。商談の場ですぐに画面を開けるため、初回の打ち合わせでも使えます。トロパスには架空の宿泊施設のデータが入ったデモ環境があり、AIの答えの保存や競合との比べ方を実際の画面で示せます。デモでは機能を全部見せず、顧客の悩みに近い画面を2つか3つに絞ります。見せる画面を決めておくと、商談の時間を価格の話に回せます。

デモの最後に、自社の場合はどうなるかを見たいかどうかを聞きます。そこで無料期間の案内につなげます。

無料期間の結果を一緒に読む

無料期間は、顧客自身の結果を見せられる点が強みです。1週間ほどの期間でも、AIが自社をどう説明し誰と並べて紹介したかを文章で確かめられます。ただし連携の直後は反映まで数日かかる場合があるため、開始日は余裕を持って決めます。結果を読む場では良かった点と気になる点を1つずつ示し、次に直す箇所を伝えます。顧客が自社の課題を自分の言葉で話し始めたら、継続の価格を案内する合図です。

無料期間を延ばしてほしいと言われたら、延長より振り返りの場を先に設けます。

7. 値引きを求められたときの対応

値引きを求められたときは、価格を下げる代わりに支援の範囲を変えることで応じます。金額だけを下げると、同じ作業を少ない対価で続けることになります。範囲を変えれば、最低ラインを守ったまま顧客の予算に合わせられます。値引きの交渉は、価格表の作り方で多くが防げます。

応じ方の順番は3つです。まず、顧客が気にしているのが月額なのか初期の負担なのかを確かめます。次に、報告の回数を減らすか単体販売に切り替えるなど範囲を変えた価格を示します。それでも合わないときは、契約期間の長さと引き換えに条件を調整します。

よくある失敗は、最初の契約で大きく値引きし、更新のときに元の価格へ戻せなくなる例です。一度下げた価格は、その顧客の基準として残ります。まずは値引きの上限と範囲を変えた代わりの案を事前に決めて、商談に持っていきましょう。

値引きの前に確かめる3つのこと

気にしている点:月額か初期の負担かを先に聞きます。
代わりの案:報告の回数や支援の範囲を変えた価格を示します。
下限:最低ラインを下回る金額は提示しません。

金額ではなく範囲で調整する

範囲で調整するとは、作業を減らして価格を下げることです。たとえば毎月の報告を隔月にすれば、支援の時間はおよそ半分になります。報告書だけを送り、打ち合わせを省く形も選択肢です。こうすれば1時間あたりの対価は保ったまま顧客の負担を下げられます。範囲を変えた再販価格は、価格表の中段としてあらかじめ用意しておくと交渉がすぐ終わります。

範囲を減らすときは、顧客が失うものを正直に伝えます。報告の間隔が空く分、変化への対応が遅れることも説明しておきましょう。

一度下げた価格は戻しにくい

値引きした価格は、更新のたびに基準として扱われます。顧客の社内でも、その金額で予算が組まれているためです。初回だけの値引きを行うなら、期間と理由を書面に残すことが欠かせません。「最初の3か月だけ」のように終わりの時期をはっきり決め、元の価格を同じ書面に書いておきます。終わりが決まっていれば、更新のときに価格を戻しても顧客は驚きません。

値引きを何度も求められる顧客は、単体販売の方が合っている場合もあります。範囲の見直しを提案しましょう。

こちらも読まれています:愛知県のWeb制作会社がAI対策の代理店になるには。始め方と収益の仕組み

8. 契約期間と解約条件の決め方

デモから契約までの手順を横に並べています。架空のデータのデモ環境で画面の見方を伝え、無料期間で自社の結果を見てもらい、振り返りで継続の価格を案内し、値引きは範囲で調整して契約条件を決めます。

契約期間と解約条件は、顧客が始めやすく販売会社の手間が回収できる形で決めます。期間を長く縛るほど売上は安定しますが、導入の判断は重くなります。反対に期間を設けないと始めやすい一方で、初期の設定の手間が回収できないまま解約されることがあります。両方の釣り合いを、自社の作業量から考えます。

考える手順は3つです。1つ目に、導入の時期にかかる作業を時間で数えます。2つ目に、その時間を何か月の差額で回収できるかを計算します。3つ目に、回収にかかる月数を最低利用期間か初期費用のどちらで受け取るかを決めます。

現場でよく見られるのは、開発元の契約条件をそのまま写し、自社の手間を反映していない例です。開発元と販売会社では、受け持つ作業が違います。まずは自社の導入作業の時間を数え、回収に必要な月数から条件を決めましょう。

決め方 顧客から見た印象 販売会社の受け取り方
最低利用期間を設ける 月額は抑えめに見える 期間中の差額で回収する
初期費用を設ける 始めるときの負担が出る 導入の時期に一度で回収する
どちらも設けない 最も始めやすい 月額に回収分を含める

導入の手間を何で回収するか

導入の時期には、質問の設計や連携の手伝いなど毎月とは別の作業が発生します。この作業を回収する方法は、初期費用・最低利用期間・月額への上乗せの3つです。始めやすさを優先するなら、月額に少しずつ含める方法が顧客に受け入れられやすくなります。その場合は解約が早いと回収できないため、数か月の利用期間を設けて釣り合いをとります。どの方法にするかを決めたら、価格表の注記に書いておきます。

導入の作業は、顧客の規模で量が変わります。区分ごとに回収の方法を変えてもかまいません。

解約の条件を先に決めておく

解約の条件は、契約の前に書面で示すことで後の行き違いを防げます。何日前までに申し出れば、いつの月で終わるのかを明記します。開発元への支払いの締め日と自社の解約の締め日をそろえると、差額の計算がずれません。解約の理由を聞く場を設けておくと、次の価格や支援の見直しに使えます。解約の手続きを分かりやすくしておくことは、かえって導入の判断を軽くします。

支払いの方法も、契約の前に決めます。請求書払いか口座振替かで、毎月の作業量が変わります。

9. 価格表と提案書の作り方

価格表と提案書は、顧客の担当者が社内でそのまま説明に使える形で作ります。商談で決まらない理由の多くは、担当者が上司に説明する材料を持っていないことです。価格表には金額と含まれる作業を、提案書にはなぜ毎月続ける必要があるかを書きます。2つをそろえると、決裁までの時間が短くなります。

価格表はA4一枚にまとめます。上から単体販売・範囲を絞った支援・運用支援込みの3段を並べ、段ごとに含まれる作業を書きます。提案書は5ページ前後を目安に、現状・課題・施策・価格・始めてからの流れの順で組みます。顧客の実際のAIの答えを1ページ入れると、説明の説得力が増します。

よくある失敗は、機能の一覧を並べただけの提案書を出す例です。機能の多さは、顧客が得るものを直接は伝えません。まずは顧客の業種でAIに質問した結果を1枚用意し、そこから提案書の1ページ目を書き始めましょう。

価格表:3段の価格と含まれる作業をA4一枚に並べます。
提案書:現状・課題・施策・価格・始めてからの流れの順で組みます。
添える資料:顧客の業種でAIに質問した結果を1ページ入れます。

価格表を3段でつくる

価格表を3段にするのは、顧客が比べながら選べるようにするためです。上と下だけでは安い方か高い方かの二択になり、判断が止まりがちです。真ん中に範囲を絞った支援の価格を置くと、顧客は自社に合う段を見比べられます。各段には報告の回数・報告書の有無・質問への対応を同じ並びで書きます。並びがそろっていれば、段ごとの差が一目で伝わります。

価格表の下には、契約期間・解約の条件・支払い方法を注記としてまとめておきます。

提案書で続ける理由を示す

提案書の中心は、毎月続ける理由です。AIの答えは聞くたびに変わるため、1回の確認では今の位置が分かりません。同じ質問を毎月くり返し、名前が出た割合の推移で見る必要があることを1ページで説明します。そのうえで最初の3か月で何をするかを月ごとに書くと、顧客は始めてからの姿を思い描けます。続ける理由が伝われば、価格の説明は短くて済みます。

数値はAIの回答や連携データにもとづくため、多少の変動があります。この前提も提案書に書いておきましょう。

10. 適正な価格で長く選ばれる商材にするために

長く選ばれる商材にするには、再販価格と支援の中身を年に1回見直す仕組みを持つことが欠かせません。顧客の数が増えると作業の型が固まり、1社あたりの時間は変わっていきます。その変化を価格に映さないと、割高に見えるか利益が足りなくなるかのどちらかに傾きます。見直しの時期を決めておくことが、適正な価格を保つ方法です。

見直しで確かめる数字は3つです。1社あたりの月の作業時間、手元に残る金額、契約が続いた月数です。この3つを区分ごとに並べ、最低ラインと上限の間に価格が収まっているかを確かめます。2026年現在、AIの答えを取り巻く仕組みは動き続けており、支援の中身も変わっていく前提で考えます。

よくある失敗は、価格を決めたまま何年もそのままにして作業の中身だけが増えていく例です。気づいたときには、値上げの説明が難しい状態になっています。まずは今年の見直しの月を決め、3つの数字を記録する表を今日から用意しましょう。

作業時間:1社あたりの月の時間を区分ごとに記録します。
手元の利益:差額から時間の原価を引いた金額を確かめます。
契約月数:続いた月数から合計の粗利を見直します。

価格を見直すときの伝え方

価格を変えるときは、変える理由と時期を早めに伝えます。支援の範囲が広がった・報告の内容が増えたなど、顧客が受け取るものの変化と一緒に示します。2か月以上前に書面で知らせると、顧客は社内の予算を組み直せます。値上げだけでなく、型が固まって作業が減った分を値下げや支援の追加で返す選択肢もあります。見直しの理由を作業の記録で示せば、顧客との信頼は崩れません。

見直しの案内は、報告の場で口頭でも伝えます。書面だけでは読まれないこともあるためです。

価格の根拠を説明できる状態を保つ

長く選ばれる販売会社は、再販価格の根拠をいつでも説明できます。卸価格・作業時間・顧客の区分という3つの材料がそろっていれば、どの顧客に聞かれても同じ説明ができます。説明がそろうと、担当者が替わっても価格がぶれない状態になります。社内の誰が見積もっても同じ金額になるよう、計算の表を共有しておきます。根拠のある価格は、値引きの交渉にも落ち着いて応じられる土台になります。

根拠をそろえる作業は、新しい担当者の教育にも使えます。計算の表と価格表を一緒に保管しておきましょう。

卸価格から積み上げて続く価格をつくる

AI分析ツールの再販価格は、卸価格・支援の手間・顧客の払える額の3つを下から重ねて決めます。単体販売と運用支援込み、その間の範囲を絞った支援を用意すると、顧客は自社に合う段を選べます。粗利は1社あたりの差額と続く月数で考え、値引きには金額でなく範囲の調整で応じます。無料期間やデモで体験を差し出し、価格表と提案書で続ける理由を示すことが長く選ばれる商材への近道です。

決め方:最低ラインと上限の間に価格を置きます。
分け方:作業の一覧を付けた3段の価格を用意します。
守り方:値引きは範囲の調整で応じ、年1回見直します。

再販価格の決め方に関するよくある質問

Q
再販価格は卸価格の何倍にすればよいですか

A. 倍率ではなく、卸価格に支援の対価を足して決めます。

1社あたりの月の作業時間に自社の時間単価を掛けた金額が支援の対価です。その合計を顧客の払える額と見比べて調整します。

Q
単体販売と運用支援込みは両方用意すべきですか

A. 2つとも用意する方が提案しやすくなります。

社内に担当者がいる顧客は単体を、兼任で時間が少ない顧客は支援込みを選べます。含まれる作業の一覧を付けて示します。

Q
無料期間を設けると売上が減りませんか

A. 値引きの代わりに使えば、価格を崩さずに導入を後押しできます。

自社の結果を見た顧客は、継続の判断がしやすくなります。期間の終わりに振り返りの場を設けることが条件です。

Q
値引きを求められたらどうすればよいですか

A. 支援の範囲を変えた価格を示して応じます。

報告の回数を減らすなど作業を減らした分だけ価格を下げます。最低ラインを下回る金額は提示しません。

ABOUT THE AUTHORこの記事の執筆者

畔栁 洋志KUROYANAGI YOJI

株式会社TROBZ 代表取締役

保有資格SEO検定1級(全日本SEO協会)

2024年に株式会社TROBZを創業。AI検索・SEO・MEOの対策サービスと、AI分析ツール「トロパス」を自社で開発・提供している。Mission:AI時代の見つかる仕組みを設計する

  • 2024年TROBZを創業
  • 6種類トロパス計測AI数
  • 12件導入事例を掲載
  • 95%以上サービス継続率

COMPANY運営会社

会社名
株式会社TROBZ(トロブズ)
設立
2024年11月12日
所在地
愛知県名古屋市中村区名駅3-4-10 アルティメイト名駅1st 2階
事業内容
生成AI検索最適化・SEO対策・MEO対策・Webサイト制作 ほか
法人番号
3180001164195

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