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2025/11/22
ディスプレイ広告(GDN/YDA)の効果的な使い方|認知拡大から刈り取りまで
「ディスプレイ広告(バナー広告)を出してみたけれど、クリックもされないし、コンバージョン(CV)にも全く繋がらない…」
「リスティング広告はCPA(顧客獲得単価)が合ってきたが、次の打ち手としてディスプレイ広告を検討している。でも、リスティング広告と何が違うのか、どう使えば効果が出るのかサッパリ分からない」
Web広告の運用現場で、こうした声を聞かない日はありません。私自身、Webライターとしてキャリアをスタートし、広告運用に携わるようになった初期段階、このディスプレイ広告の効果の出にくさに何度も頭を抱えました。リスティング広告と同じ感覚で出稿し、クリック率(CTR)の低さとCPAの高騰に愕然とし、「これは予算の無駄遣いではないか?」と本気で悩んだ経験があります。
しかし、それはディスプレイ広告の「役割」と「正しい使い方」を根本的に理解していなかったからです。
ディスプレイ広告(GDNやYDA)は、リスティング広告とは全く異なる目的を持つ、強力な武器です。その特性を理解し、適切なターゲティングとクリエイティブ(バナー)、そして戦略的な運用を組み合わせることで、認知拡大という「種まき」から、コンバージョン獲得という「刈り取り」まで、マーケティングファネルのあらゆる層にアプローチが可能になります。ここでは、私が多くの失敗から学んだ実践的なノウハウに基づき、ディスプレイ広告の効果を最大化するための具体的な使い方を徹底的に解説していきます。
目次
1. ディスプレイ広告の役割とリスティング広告との違い
ディスプレイ広告で失敗する最大の理由は、リスティング広告との「役割の違い」を混同している点にあります。
まず、リスティング広告(検索連動型広告)について考えてみましょう。
これは、ユーザーがGoogleやYahoo!で「(地域名) 注文住宅」「(商品名) 購入」といった具体的なキーワードで検索した時に、その検索結果画面に表示されるテキスト広告です。最大の特徴は、ユーザーが「今、それが欲しい」「今、その情報を探している」という、ニーズが明確な「顕在層(けんざいそう)」に直接アプローチできる点にあります。いわば、店先で「〇〇ください」と言っているお客様に対応する「待ちの広告(プル型)」です。
一方、ディスプレイ広告は、Webサイトやアプリの「広告枠」に表示される画像(バナー)や動画広告です。
ユーザーは、ニュース記事を読んだり、ブログを閲覧したりしている最中に、この広告に「受動的」に接触します。彼らは何かを検索しているわけではなく、あなたの商材を今すぐ欲しいと思っているわけでもありません。つまり、ディスプレイ広告がアプローチするのは、主に「まだ自社のことを知らない潜在層」や「ニーズが明確になっていない準潜在層」です。いわば、街中でビラを配ったり、看板を見せたりする「攻めの広告(プッシュ型)」です。
この「アプローチする層の違い」こそが、両者の決定的な違いです。
| 比較項目 | ディスプレイ広告 (GDN/YDA) | リスティング広告 (検索広告) |
|---|---|---|
| 広告タイプ | プッシュ型(攻めの広告) | プル型(待ちの広告) |
| 主な役割 | 認知拡大、ブランディング、潜在層へのリーチ、リターゲティング | コンバージョン獲得、顕在層への直接アプローチ |
| アプローチ対象 | 潜在層・準潜在層(まだニーズが明確でない) | 顕在層(今すぐ欲しい・探している) |
| ターゲティング基盤 | 「人」や「配信面」(属性、興味関心、サイトの文脈) | 「キーワード」(ユーザーの検索意図) |
| クリエイティブ | 画像(バナー)、動画 | テキスト |
| クリック率(CTR) | 低い(一般的に0.x%台) | 高い(数%〜十数%) |
| クリック単価(CPC) | 比較的安い | 比較的高い(特にビッグワード) |
ディスプレイ広告に対して、リスティング広告と同じ感覚で「クリック率が低い」「CVしない」と評価するのは、魚屋で「なぜ野菜を売っていないんだ」と怒るようなものです。
ディスプレイ広告の第一の役割は、あくまでも「認知拡大(知ってもらうこと)」と「興味喚起(覚えてもらうこと)」にあります。(※ただし、後述するリターゲティングという手法を使えば、最強の「刈り取り」ツールにもなります)。
この役割を理解し、「誰に」「どのWebサイトで」広告を見せるかを精密に設計する「ターゲティング」こそが、ディスプレイ広告の成功の鍵を握っているのです。
関連記事:【完全保存版】広告の審査落ちもう怖くない!原因分析から再審査請求までプロが徹底解説
2. ターゲティング手法の種類と選び方
ディスプレイ広告が「攻めの広告」である以上、「誰に」アプローチするかというターゲティング設定が、成果の9割を決定すると言っても過言ではありません。
やみくもに配信すれば、興味のない人にビラを配り続けることになり、予算が瞬く間に溶けていきます。GDN(Googleディスプレイネットワーク)やYDA(Yahoo!ディスプレイ広告)には、この「誰に」を精密に指定するための、非常に多くのターゲティング手法が用意されています。
これらの手法は、大きく「人(オーディエンス)」でターゲティングする方法と、「配信面(コンテンツ)」でターゲティングする方法の2種類に大別されます。
1. 「人(オーディエンス)」に基づくターゲティング
これは、「どんな人か」を指定して、その人が閲覧しているWebサイトやアプリを追いかけて広告を表示する手法です。
- デモグラフィック ターゲティング:
ユーザーの属性(年齢、性別、地域、子供の有無、世帯年収など)を指定します。最も基本的なターゲティングです。(例:「東京都内在住の30代女性」) - 興味関心(アフィニティ)ターゲティング:
ユーザーが長期的に興味を持っているカテゴリを指定します。(例:「旅行好き」「料理好き」「スポーツファン」) - 購買意向(インマーケット)ターゲティング:
これが非常に強力です。ユーザーが「今まさに」購入を検討している(=検索や閲覧行動が活発になっている)カテゴリを指定します。(例:「住宅の購入を検討中」「自動車(中古車)を探している」) - リターゲティング(リマーケティング):
「一度自社サイトを訪問したことがある人」だけを追いかけて広告を配信します。ディスプレイ広告における最強の「刈り取り」手法です。(詳細はH2-4で解説) - カスタムオーディエンス:
自社の顧客リスト(メールアドレスなど)や、特定のキーワードを検索した人、特定のアプリを使った人など、独自の条件でオーディエンスを作成します。(詳細はH2-6で解説)
2. 「配信面(コンテンツ)」に基づくターゲティング
これは、「どんな内容のWebサイトか」を指定して、そのサイトやページに広告を表示する手法です。そのページを見ている人は、そのトピックに興味があるだろう、という推測に基づきます。
- プレースメント ターゲティング:
「このWebサイト(URL)」や「このYouTubeチャンネル」にだけ広告を出したい、と具体的に指定します。競合の読者層にアプローチしたい場合などに有効です。 - トピック ターゲティング:
Webサイトの「カテゴリ(主題)」を指定します。(例:「美容・フィットネス」カテゴリのサイト全般、「金融」カテゴリのサイト全般) - コンテキスト ターゲティング(キーワード):
これが強力です。Webサイトのカテゴリ(トピック)よりもさらに細かく、「このキーワード(例:『NISA 始め方』)」が含まれるWebページに広告を配信します。(詳細はH2-5で解説)
これらのターゲティング手法を、目的(認知拡大 or 刈り取り)に応じて使い分けることが重要です。
| ターゲティング手法 | 分類 | 主な目的(ファネル) | 具体例 |
|---|---|---|---|
| デモグラフィック | 人(オーディエンス) | 認知拡大 | 30代男性、東京都在住 |
| 興味関心(アフィニティ) | 人(オーディエンス) | 認知拡大 | 「旅行好き」な人 |
| 購買意向(インマーケット) | 人(オーディエンス) | 比較検討(刈り取り) | 「住宅の購入を検討中」の人 |
| トピック | 配信面(コンテンツ) | 認知拡大・興味喚起 | 「自動車」関連のWebサイト |
| コンテキスト(キーワード) | 配信面(コンテンツ) | 興味喚起・比較検討 | 「SUV 比較」という単語が含まれるページ |
| リターゲティング | 人(オーディエンス) | 刈り取り(最強) | 「過去30日以内にサイト訪問」した人 |
私の経験上、CPA(獲得単価)を最優先で考えるならば、まずは「リターゲティング」から開始し、配信量を増やしたければ「購買意向」「コンテキスト」「カスタムオーディエンス(類似)」へと広げていくのが、失敗の少ない鉄則です。最初から「興味関心」のような広すぎるターゲティングを行うと、予算だけが消費され、成果が出ずに撤退することになりがちです。
関連記事はこちら:リッチメディア広告とは?ユーザーの心を掴む次世代のインタラクティブ広告を徹底解説
3. 効果の出るバナー広告のデザインの法則
ディスプレイ広告は、クリエイティブ(バナー画像)が命です。
どれだけターゲティングが完璧でも、ユーザーが閲覧しているWebサイトの片隅に表示されるバナーが魅力的でなければ、彼らの視界にすら入らず、クリックもされません。
私自身、デザイナーと何度も議論し、膨大なA/Bテストを繰り返してきた中で、効果の出るバナーデザインにはいくつかの「共通法則」があることに気づきました。これはセンスの問題ではなく、情報設計の技術です。
法則1:ターゲットとベネフィットを明確にする
最もやってはいけないのが、「すべての人」に向けた「あれもこれも訴求する」バナーです。情報過多で、結局何も伝わりません。
「誰に」(ターゲット)、「何を(行動した結果、得られる未来)」(ベネフィット)を伝えるのか。この2点を明確に絞り込む必要があります。
- × 悪い例: 「高性能!多機能!〇〇(商品名)新発売!今すぐチェック!」(→自分に関係ない)
- ○ 良い例: 「渋谷のWeb担当者様へ」「そのLP、まだ手動で修正してる?」(→ドキッとして自分事になる)
法則2:視線誘導の「Zの法則」(または「Fの法則」)に従う
ユーザーの視線は、無意識に「左上→右上→左下→右下」(Zの法則)または「左上→左下→(右は流し読み)」(Fの法則)で動きます。この動線上に、伝えたい情報を順番に配置することが鉄則です。
- 左上(最も重要): ターゲットの心を掴むキャッチコピー。(例:「まだ間に合う!」)
- 中央: 魅力的な商品写真やベネフィットを示すイメージ。
- 右下(終着点): 行動を促すCTA(コール・トゥ・アクション)ボタン。(例:「今すぐ無料トライアル」「詳細はこちら」)
この流れが逆だと、ユーザーはCTAボタンにたどり着く前に「よく分からない」と視線を外してしまいます。
法則3:CTAボタンは「押せる」と分かるデザインにする
驚くほど多くのバナーが、CTAボタンのデザインで失敗しています。背景に溶け込むようなフラットなデザインや、単なるテキストリンクでは、それが「クリックできるボタンである」と認識されません。
「色を変える」(周囲の色と反対色にする)、「立体感(影)をつける」、「枠で囲む」など、それが「ボタン」であることを直感的に伝えるデザインが不可欠です。
法則4:テキストは「読ませる」な、「見せる」
バナーは「熟読」されるものではなく、「0.5秒で認識」されるものです。細かい説明文を詰め込むのは最悪の選択です。テキスト要素(文字)は、画像全体の面積の20%以下に抑えるのが黄金律です。
伝えたいことは、キーワード(例:「50%OFF」「本日限定」)だけを大きく、読みやすいフォントで配置します。
私が運用したあるBtoBサービスのA/Bテストでは、以下の2パターンで効果が明確に分かれました。
| テスト項目 | バナーA(CTR: 0.1%) | バナーB(CTR: 0.5%) | 分析(なぜBが勝ったか) |
|---|---|---|---|
| キャッチコピー | 「業界No.1の〇〇システム」 | 「『請求書処理』に、まだ消耗してる?」 | 「No.1」という企業目線より、「請求書処理」というターゲットの悩み(自分事)に直接刺さった。 |
| ビジュアル | システムの管理画面のスクリーンショット | うんざりした表情で頭を抱える担当者の写真 | システムの機能よりも、「悩み(Before)」への共感がフックになった。 |
| CTAボタン | 「資料請求はこちら」(青いテキストリンク) | 「3分で分かる資料をDL」(オレンジ色の立体ボタン) | 具体的なメリット(3分で分かる)と、押せると分かるデザインがクリックを促した。 |
バナー制作は、単なるデザイン作業ではありません。「誰の、どんな悩みを、どう解決するか」を0.5秒で伝える、高度なコミュニケーション設計なのです。
4. リターゲティングで一度訪れたユーザーを追跡
もし、あなたがディスプレイ広告を「刈り取り(コンバージョン獲得)」目的で使いたいのであれば、まず最初に取り組むべき手法は、間違いなく「リターゲティング(またはリマーケティング)」です。
リターゲティングとは、一度あなたのWebサイトを訪れたことがあるユーザーをリスト化し、彼らが別のWebサイトやアプリを閲覧している際に、あなたの広告を「追いかけて」表示するターゲティング手法です。
なぜ、リターゲティングはディスプレイ広告の中で最もCPA(顧客獲得単価)が合いやすい「最強の刈り取り手法」なのでしょうか。
- すでに「認知」されている:
全くの無関心な潜在層とは異なり、彼らは少なくとも一度は自社に興味を持って訪問してくれた「見込み客」です。CV(コンバージョン)までのハードルが圧倒的に低いのです。 - ザイオンス効果(単純接触効果):
人は、接触回数が多いものに好意を抱きやすくなります。サイトを離脱した直後に、別のサイトで自社のバナーに再接触することで、「さっき見たあの商品だ」と思い出してもらい、親近感を醸成できます。 - 強力な「最後の一押し」になる:
特に「カートに商品を入れたが、購入せずに離脱した(=カート落ち)」ユーザーや、「料金ページまで見たが、フォーム入力しなかった」ユーザーは、CVまであと一歩の優良顧客です。彼らに「お忘れ物はありませんか?」「今なら10%OFF」といった最後の一押しをすることで、CVRを劇的に改善できます。
私が支援したあるアパレルECサイトでは、サイト全体のCPAが10,000円を超えて赤字でした。しかし、リターゲティング配信(特に「カート落ちユーザー」セグメント)に限定すると、CPAは2,500円まで下がり、明確に黒字化しました。これは、リターゲティングが「購入意欲が最高潮のユーザー」だけに絞ってアプローチできるからです。
リターゲティングを成功させる鍵は、「リスト戦略(セグメンテーション)」です。
サイト訪問者全員に同じ広告を出し続けるのは非効率です。ユーザーの「サイト内での行動」や「訪問からの日数」に応じて、リストを細かく分け、それぞれに最適化されたメッセージを出す必要があります。
| リターゲティング リスト(例) | リストの定義 | クリエイティブ(バナー)の例 | 目的(戦略) |
|---|---|---|---|
| サイト訪問者(直近7日間) | 全ページ対象。訪問から7日以内の人。 | 「もう一度、見てみませんか?」(ブランドイメージ訴求) | ブランドの再想起、記憶の定着 |
| 商品A 閲覧者(直近14日間) | 商品ページAを見たが、購入していない人。 | 「あなたがチェックした商品A」(商品Aの写真を大きく) | 具体的な商品の再検討を促す |
| カート落ちユーザー(直近3日間) | カートに商品を入れたが、決済完了していない人。 | 「お忘れ物はありませんか?」「今だけ送料無料」 | 最強の刈り取り(最後の一押し) |
| 購入完了者(直近30日間) | すでに商品Aを購入した人。 | 「商品Aと相性抜群!商品Bはいかが?」 | アップセル・クロスセル(LTV向上) |
| 購入完了者(直近31〜90日) | 商品Aを購入して30日以上経過した人。 | (消耗品の場合)「そろそろ無くなりませんか?」(リピート促進) | リピート購入の喚起 |
このようにリストを細分化し、「なぜ、この人はCVしなかったのか?」「今、どんなメッセージをかければ心が動くか?」を徹底的に考えることが、リターゲティング運用の肝となります。
参考ページ:広告APIで運用はここまで変わる|自動化と高度分析で成果を最大化する10の戦略
5. コンテキストターゲティングで関連性の高いサイトに広告を配信
リターゲティングは強力ですが、「サイト訪問者」という母数(リスト)がなければ配信できません。では、リターゲティング以外の方法で、CPAを抑えつつ「新規顧客」にアプローチするにはどうすればよいでしょうか。
その最適解の一つが、「コンテキストターゲティング」です。
これは、H2-2で触れた「配信面」ターゲティングの一種で、従来の「トピック(サイトのカテゴリ)」指定よりも、さらに精度高く配信面を絞り込む手法です。
コンテキストターゲティングでは、「キーワード」や「トピック」を指定します。すると、GDNやYDAのAI(クローラー)が、そのキーワードやトピックと「文脈(コンテキスト)が一致する」と判断したWebページに、あなたの広告を配信します。
(例:あなたが「高級オーガニックドッグフード」を売りたい場合)
・トピック指定: 「ペット」カテゴリのサイト(やや広すぎる)
・コンテキスト指定: 「ドッグフード 無添加 おすすめ」「犬 健康 食事」「トイプードル 餌」といったキーワードを指定。
→ 結果、個人のペットブログの「我が家の愛犬に無添加フードを試した結果」という記事ページや、ニュースサイトの「獣医が教える、犬の健康寿命を延ばす食事法」という記事ページに、あなたの広告が表示されます。
この手法の強みは、以下の点にあります。
- 精度の高い「興味関心」:
「今、まさに」その記事を読んでいるユーザーは、そのトピックに対して非常に高い問題意識や興味関心を持っている「準顕在層」である可能性が極めて高いです。 - Cookie規制の影響を受けにくい:
リターゲティングや興味関心ターゲティングは、ユーザーの過去の行動履歴(Cookie)に依存します。しかし、近年のプライバシー保護強化(Cookie規制)により、その精度は低下傾向にあります。一方、コンテキストターゲティングは「人」ではなく「今見ているページの内容(文脈)」に依存するため、Cookie規制の影響を受けません。 - ブランドセーフティの担保:
自社の商材と関連性の高い「文脈」に広告が表示されるため、無関係なサイトやネガティブな内容のサイトに表示されるリスクを低減できます。
私がBtoBのSaaS(ソフトウェア)の広告を運用した際、「購買意向」ターゲティングではCPAが高騰してしまいました。そこで、コンテキストターゲティングに切り替え、「(競合サービス名) 比較」「(業界の課題) 解決策」といったキーワードを指定しました。
すると、競合サービスとの比較記事や、業界の課題を解説する専門メディアの記事に広告が配信されるようになり、ターゲットの解像度が上がった結果、CPAを許容範囲内に抑えつつ、質の高い新規リード(見込み客)を獲得することに成功しました。
コンテキストターゲティングは、「この記事を読んでいる人は、きっとウチの商品にも興味があるはずだ」という、マーケターの仮説を具現化する、非常に論理的で強力なターゲティング手法です。
6. カスタムオーディエンスの活用
ディスプレイ広告のターゲティングは、プラットフォーム(GoogleやYahoo!)が用意した「興味関心」や「購買意向」のカテゴリから選ぶだけではありません。
広告主が独自に定義した「特別なユーザーリスト」に対して配信する、より高度な手法が存在します。それが「カスタムオーディエンス」の活用です。
カスタムオーディエンスには、主に以下の2つの強力な戦略があります。
1. 顧客リスト(カスタマーマッチ)
これは、自社が保有する「既存顧客」や「休眠顧客」の顧客データ(主にメールアドレスや電話番号)を広告プラットフォームにアップロードし、そのデータとプラットフォーム上のユーザーアカウントが一致した場合に、そのユーザーに広告を配信する手法です。
(活用例)
・アップセル/クロスセル: 商品Aを購入済みの顧客リストに、「商品A専用のオプションB」の広告を配信する。
・休眠顧客の掘り起こし: 過去1年間購入がない顧客リストに、「お久しぶりです!今なら復帰クーポン進呈中」といった特別なオファーを配信する。
この手法の強みは、自社がすでに関係性を持つ「最も価値の高い資産」に対して、ピンポイントで広告を出せる点にあります。新規顧客獲得(CPA)よりも、既存顧客のLTV(顧客生涯価値)向上を目的とする場合に極めて有効です。
2. 類似オーディエンス(Lookalike Audience)
これが、新規顧客開拓における「切り札」の一つです。
類似オーディエンスとは、まず元となる「シードリスト(種となるリスト)」を作成します。このシードリストには、「過去に購入した優良顧客リスト」(上記のカスタマーマッチ)や、「サイトでCV(コンバージョン)した人」(リターゲティングリスト)など、自社にとって最も価値の高いユーザー群を設定します。
次に、プラットフォーム(GoogleやYahoo!)のAIに対し、「このシードリストの人たちと、Web上の行動パターンや興味関心が『似ている』ユーザーを、自動で探してきてください」と指示します。
AIは、数百万、数千万という膨大なユーザーデータの中から、あなたの優良顧客と「似た」行動特性を持つ(=CVする可能性が高い)新規の潜在顧客をリストアップし、その人たちに広告を配信してくれます。
この手法は、担当者が手動で「興味関心」を設定するよりも、AIがデータに基づいて「買ってくれそうな人」を直接見つけ出すため、非常に高い精度での新規顧客開拓が期待できます。
私が支援したあるニッチなBtoC商材では、手動のターゲティングでは全くCPAが合いませんでした。そこで、「過去の購入者」リストをシードにした「類似オーディエンス(1%)」を作成・配信したところ、AIが我々の想像もしていなかったような層(しかし、確かにCVする層)を発見。CPAを1/3に抑えることに成功しました。
ターゲティングの進化形を整理してみましょう。
| オーディエンス手法 | 対象ユーザー | 主な目的 | AIの役割 |
|---|---|---|---|
| リターゲティング | 自社サイト訪問者(見込み客) | 刈り取り(最後の一押し) | リスト(行動)の自動作成 |
| 顧客リスト(カスタマーマッチ) | 自社保有の顧客(既存・休眠客) | LTV向上(アップセル・リピート) | データのマッチング |
| 類似オーディエンス | 優良顧客と「似ている」新規ユーザー | 高精度な新規顧客開拓 | AIが「見込み客」を自動で発見・拡張 |
まずはリターゲティングで「刈り取り」の基盤を固め、そこで得られた「CV済みユーザー」のデータを元に「類似オーディエンス」を作成し、新規顧客開拓へと広げていく。これがディスプレイ広告でCPAを維持しながら規模を拡大していく王道の戦略です。
7. 動画(インストリーム)広告の基本
ディスプレイ広告は、静止画のバナーだけではありません。GDN(Googleディスプレイネットワーク)には世界最大の動画プラットフォームであるYouTubeが含まれており、動画広告の配信も可能です。
特に代表的なのが、YouTube動画の再生前や再生中に流れる「インストリーム広告」です。
静止画バナーと比較した際の、動画広告の最大の強みは、その「圧倒的な情報量」と「五感への訴求力」にあります。
- 情報量の差:
バナーでは伝えきれない商品の「使い方(How to)」や、サービスの「世界観(ブランディング)」、顧客の「喜びの声(インタビュー)」などを、ストーリーを持って伝えることができます。 - 五感への訴求:
視覚(映像)だけでなく、聴覚(音楽、ナレーション、効果音)にも訴えかけるため、ユーザーの記憶に残りやすい(=認知効果が高い)のが特徴です。
インストリーム広告で最も重要なのが、「最初の5秒」です。
多くのインストリーム広告は、再生開始から5秒が経過すると、ユーザーは「スキップ」ボタンを押すことができます。広告運用者にとって、この「5秒」は非常にシビアな戦いです。
■ スキップ可能なインストリーム広告(TrueView)
・課金形態: ユーザーが動画を30秒間視聴(30秒未満の場合は最後まで視聴)したか、動画に対してクリックなどの操作を行った場合にのみ、課金(CPV = Cost Per View)されます。5秒でスキップされた場合は、課金されません。
・攻略法:
この「スキップされたら無料」という仕組みは、広告主にとって非常に有利です。
1. 最初の5秒間: ブランドロゴ、商品名、最も伝えたいキャッチコピーなど、絶対に記憶させたい情報を全て詰め込みます。ここで「何の広告か」を瞬時に理解させます。
2. 6秒目以降: 5秒で離脱しなかった「本当に興味を持ってくれたユーザー」に対して、商品の詳細な説明や、Webサイトへの誘導(CTA)を行います。
つまり、「興味のない人」には無料で認知だけさせ(5秒スキップ)、「興味のある人」にだけ広告費を払って詳細を伝える(30秒視聴)という、極めて効率的な運用が可能なのです。
私が支援したある食品メーカーでは、静止画バナーでは全く反応がありませんでした。そこで、シズル感(調理音や湯気)にこだわった15秒のインストリーム広告を制作し、「最初の5秒」で完成した料理の最も美味しそうなカットを見せる構成に変更しました。
結果、CPV(視聴単価)を低く抑えながら、ターゲット層への認知を一気に広げることに成功。その後の指名検索(商品名での検索)数が急増するという、明確な成果に繋がりました。
動画広告は制作コストがかかる、と敬遠されがちです。しかし、スマートフォンで撮影した簡易な動画でも、構成(特に最初の5秒)さえ間違えなければ、高価なバナー広告よりも遥かに高い費用対効果を生み出すポテンシャルを秘めています。
8. 広告のフリークエンシー設定と最適化
ディスプレイ広告(特にリターゲティング)を運用していると、必ず直面する問題があります。
それは「フリークエンシー」、すなわち「同一ユーザーに、広告が何回表示されたか」という問題です。
「この広告、さっきから何度も出てきてしつこいな…」
ユーザーにこう思われた瞬間、広告は「最後の一押し」どころか、「ブランド毀損」の原因になってしまいます。これが「バナー疲れ」と呼ばれる現象です。
フリークエンシーは、多すぎても少なすぎてもいけません。
- 多すぎる場合:
ユーザーに「しつこい(不快感)」と思われ、ブランドイメージが悪化します。また、どうせクリックしないユーザーに無駄な広告費を使い続けることになり、CTR(クリック率)が低下し、CPA(獲得単価)が高騰していきます。 - 少なすぎる場合:
ユーザーの記憶に残らず、認知が定着しません。ザイオンス効果(単純接触効果)が働く前に、忘れ去られてしまいます。
では、「最適なフリークエンシー回数」は存在するのでしょうか。
残念ながら、「全業種共通で、週に5回が正解」といった銀の弾丸はありません。商材の検討期間(高額な住宅か、安価な日用品か)や、広告の目的(認知か、刈り取りか)によって、最適解は全く異なるからです。
そこで重要になるのが、「フリークエンシー キャップ」(上限設定)機能の活用と、その「PDCAサイクル」を回すことです。
■ フリークエンシー キャップの設定
GDNやYDAでは、「1人のユーザーに対し、1日(または1週間、1ヶ月)に、何回まで広告を表示するか」という上限(キャップ)を設定できます。
■ 最適回数の見つけ方(私のPDCA例)
私が新しい商材の運用を始める際は、まず「仮説」を立ててキャップを設定し、その結果を分析して最適解を探っていきます。
| PDCAサイクル | アクション | 分析・考察 |
|---|---|---|
| Plan(計画・仮説) | まずは上限を設けず(あるいは緩く設定し)、どれくらいのフリークエンシーでCTRやCVRが変化するかデータを取る。 | (仮説)最初は反応が良くても、一定回数(例:10回)を超えると急激に反応が悪化するはずだ。 |
| Do(実行) | 1週間配信し、「フリークエンシーレポート」を確認する。 | (データ)フリークエンシーが「1〜3回」のユーザーのCVRは2.0%だが、「10回以上」のユーザーのCVRは0.1%に激減していた。 |
| Check(評価) | CVRが急落する「しきい値」が「10回」であったと特定。この商材の「賞味期限」は10回までと判断。 | 11回目以降の配信は、ほぼ無駄なコスト(ブランド毀損コスト)であったと結論づける。 |
| Action(改善) | フリークエンシー キャップを「1ユーザーあたり、1週間(または1ヶ月)に10回まで」と設定する。 | 無駄な配信が抑制され、全体のCPAが改善。浮いた予算を、まだ接触していない新規ユーザー(類似オーディエンスなど)の開拓に回す。 |
また、フリークエンシー対策としてもう一つ重要なのが、「クリエイティブ(バナー)のローテーション」です。
同じユーザーに同じバナーを見せ続けるから「飽きられる」のです。最低でも3〜5パターンの異なる訴求軸のバナー(例:「価格訴求」「機能訴求」「お客様の声訴求」)を用意し、それらをローテーションさせることで、フリークエンシーが高まっても「バナー疲れ」を軽減することができます。
関連記事はこちら:MEOの成功事例から学ぶ!業種別・効果的な打ち手とは
9. ビューアブルインプレッションとブランドリフト効果
ディスプレイ広告の運用担当者を悩ませる、もう一つの大きな問題。それは「効果測定の難しさ」です。
リスティング広告は、成果が「クリック」と「CV」で明確に測れます。しかし、ディスプレイ広告(特に認知目的)は、クリックされなくても(=CTRが低くても)、その「役割」を果たしている可能性があります。
例えば、あるユーザーが「バナー広告A」を何度も目にした(クリックはしなかった)結果、その商品名を覚え、数日後に「(商品名) 口コミ」と指名検索してCVした場合。このCVは、GA4上では「オーガニック(自然検索)」経由として計測され、バナー広告Aの「成果」としてはカウントされません。
この「クリックされないが、認知に貢献している」効果を、どう測ればよいのでしょうか。そのための重要な指標が2つあります。
1. ビューアブルインプレッション(視認可能なインプレッション)
従来の「インプレッション(表示回数)」は、たとえユーザーがスクロールせずに到達しないようなページ最下部に広告が表示されても、1回とカウントされていました。これでは、実際には「誰にも見られていない」可能性があります。
「ビューアブルインプレッション(vimp)」は、IAB(国際広告業界団体)の定義に基づき、「広告面積の50%以上が、画面に1秒以上表示された」場合にのみ1回とカウントする、より厳格な指標です。
広告の課金形態を、従来のCPM(表示回数)からvCPM(ビューアブルインプレッション単価)に設定することで、「見られていない広告」への無駄なコスト発生を防ぎ、広告が「本当にユーザーの視界に入ったか」を基準に評価できるようになります。
2. ブランドリフト効果の測定
ディスプレイ広告が、最終的なCV(刈り取り)だけでなく、その手前の「認知度」や「購入意向」をどれだけ引き上げたか(=ブランドリフト)を測定する手法です。
これは、広告プラットフォームが提供するアンケート機能(例:YouTubeのブランドリフト調査)を使って行います。
- ユーザーを、「広告に接触したグループ」と「接触していないグループ(コントロール群)」にランダムに分けます。
- 両方のグループに対し、「〇〇(商品カテゴリ)と聞いて、思い浮かべるブランドは?」といったアンケートを実施します。
- 広告接触グループの「認知度」や「購入意向」が、非接触グループに比べてどれだけ有意に上昇したかを統計的に測定します。
私が支援したある消費財メーカーでは、ディスプレイ広告のCPA(直接CV)だけを見ると、目標を大幅に超えて「失敗」に見えました。しかし、このブランドリフト調査を実施したところ、「広告接触者のブランド認知度が、非接触者に比べて30%高かった」という明確な結果が出ました。
これは、広告が「刈り取り」には直接繋がらなくとも、「認知拡大(第一の役割)」としては大成功していたことを証明しています。この結果がなければ、私たちは「この広告は失敗だ」と判断し、認知の種まきを止めてしまっていたでしょう。
ディスプレイ広告を評価する際は、CPA(刈り取り)という「点」の指標だけでなく、vimp(見られたか)やブランドリフト(認知が上がったか)という「線」や「面」の指標で、その本質的な価値を判断する必要があります。
10. ディスプレイ広告と他の広告の連携戦略
ここまで、ディスプレイ広告の様々な手法を解説してきましたが、最も重要なのは、ディスプレイ広告を「単体」で完結させないことです。
ディスプレイ広告は、リスティング広告やSNS広告といった他の手法と「連携」させることで、その効果を最大化できます。マーケティングのフルファネル(認知〜興味関心〜比較検討〜購入)において、各広告が「リレーのバトン」を渡していくイメージです。
私が最も成果が出やすいと考える、王道の連携戦略(ファネル設計)を紹介します。
■ STEP 1:認知(種まき)
・手法: ディスプレイ広告(GDN/YDA)の「トピック指定」「コンテキスト指定」またはSNS広告(Meta広告)の「興味関心」
・目的: まだ自社を知らない潜在層に、広く浅く「こんな商品(サービス)があるよ」と知ってもらう。
・KPI: クリックやCVではなく、vimp(ビューアブルインプレッション)数やリーチ数、ブランドリフトを重視する。
■ STEP 2:興味関心(水やり)
・手法: ディスプレイ広告(リターゲティング)の「サイト訪問者」リスト、またはSNS広告のリターゲティング。
・目的: STEP 1の広告で一度サイトを訪れた「見込み客」に対し、広告を追いかけて接触回数を増やし、「思い出してもらう(覚えてもらう)」。
・KPI: フリークエンシー、CTR(クリック率)の上昇。
■ STEP 3:比較検討(検索行動の誘発)
・手法: リスティング広告(指名検索・一般キーワード)
・目的: STEP 1, 2で認知・記憶された結果、ユーザーが「(商品名) 口コミ」「(カテゴリ名) 比較」と検索行動を起こす。その検索結果の最上部をリスティング広告で確実に押さえ、競合サイトではなく自社サイトに誘導する。
・KPI: リスティング広告における指名検索数の増加、CVR(コンバージョン率)。
■ STEP 4:刈り取り(最後の一押し)
・手法: ディスプレイ広告(リターゲティング)の「カート落ち」「フォーム到達」リスト。
・目的: STEP 3でサイトに来訪し、CVまであと一歩だったユーザーに対し、「お忘れ物はありませんか?」と最強の最後の一押しを行う。
・KPI: CPA(顧客獲得単価)、CVR。
この連携戦略を、ファネルごとに整理します。
| ファネル段階 | 目的 | 最適な広告手法(例) | 主なKPI |
|---|---|---|---|
| 認知拡大 | 広く浅く知ってもらう(種まき) | ディスプレイ(コンテキスト)、SNS広告(興味関心)、動画広告 | vimp、リーチ数、ブランドリフト |
| 興味関心 | 思い出してもらう(水やり) | ディスプレイ(リターゲティング:サイト訪問者) | フリークエンシー、CTR |
| 比較検討 | 検索の「受け皿」となる | リスティング広告(指名・一般) | 指名検索数、CVR |
| コンバージョン | 最後の一押し(刈り取り) | ディスプレイ(リターゲティング:カート落ち) | CPA、CVR |
このように、ディスプレイ広告は「認知」という入り口と、「刈り取り」という出口の両方で、極めて重要な役割を果たします。リスティング広告が「点」でCVを獲る広告なら、ディスプレイ広告はファネル全体を「面」で支え、CVに至る「流れ」を作り出す広告なのです。
ディスプレイ広告の本質を理解し、戦略の幅を広げる
ディスプレイ広告は、リスティング広告と同じモノサシで測ると、その真価を見誤る、非常に奥が深い広告手法です。
その本質は、検索キーワードという「顕在化したニーズ」を刈り取るのではなく、ターゲティングという「狙いを定める技術」を駆使して、Webの広大な海にいる「潜在的なニーズ」を掘り起こし、育て、そして刈り取ること(あるいは、刈り取るための「アシスト」をすること)にあります。
クリックされないから、CPAが合わないからと諦めるのは簡単です。しかし、その広告が「見られた」ことによって、ユーザーの心に「ブランド名の種」が蒔かれ、それが数日後の「指名検索」に繋がっているかもしれない。その「見えない貢献」を想像し、戦略に組み込むことが、ディスプレイ広告の運用者には求められます。
読者の皆様が「今日から」実践できる、具体的なアクションを2つ提案します。
- まずは、リターゲティング配信(サイト訪問者リスト)だけでも設定してみてください。その際、フリークエンシー キャップを「1ユーザー/週5回まで」など、必ず設定することが重要です。
- 次に、効果の出ているリスティング広告の「最強キーワード」を5つ選び、それをコンテキストターゲティングのキーワードとして設定し、配信してみてください。検索行動と近い文脈で、新規ユーザーにアプローチできるはずです。
ディスプレイ広告は、決して「リスティング広告のオマケ」ではありません。認知(種まき)から刈り取り(最後の一押し)まで、そしてLTV向上(既存顧客育成)まで、あらゆる戦略を実現できる、マーケターにとっての強力な武器です。その「正しい使い方」をマスターし、広告戦略全体の成果を最大化させてください。

執筆者
畔栁 洋志
株式会社TROBZ 代表取締役
愛知県岡崎市出身。大学卒業後、タイ・バンコクに渡り日本人学校で3年間従事。帰国後はデジタルマーケティングのベンチャー企業に参画し、新規部署の立ち上げや事業開発に携わる。2024年に株式会社TROBZを創業しLocina MEOやフォーカスSEOをリリース。SEO検定1級保有
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