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2025/4/15
企業向けホームページ制作で押さえるべきポイントとは?
目次
成果につながる企業サイト構築のために今押さえるべきこと
企業にとってホームページは、単なる情報発信ツールではなく、ブランド価値を伝え、信頼を獲得し、最終的には問い合わせや売上といった成果につなげる重要な営業資産です。とくにBtoB業界では、商談前にホームページを確認する担当者も多く、企業の第一印象=ホームページという時代が到来しています。
実際に、Googleの調査によると、BtoBバイヤーの57%が意思決定の過程で企業ホームページを最も重視する情報源として挙げています。また、HubSpotのデータでは、ホームページのUI・UXの品質が信頼感に直結し、コンバージョン率に大きく影響することが明らかになっています。
こうした状況において重要なのは、ただ“きれいな”デザインを追求することではなく、企業として伝えるべき情報を正確に構成し、ターゲットの心理に響くサイトを設計することです。企業ホームページには、会社の強み・沿革・実績といった定番情報に加えて、時代に即したアクセシビリティ、セキュリティ、更新性、そしてSEO対策などの多角的な要素が求められます。
また、近年のトレンドとして「モバイルファースト」「CV重視」「CMS連携」「動画・インフォグラフィック活用」なども注目されています。単なるデジタル名刺のような存在から脱却し、営業、広報、採用、そしてマーケティングのすべてに活かせる“活きた”ホームページを構築することが求められているのです。
本記事では、企業向けホームページ制作において押さえるべき5つのポイントを、具体例や構成例、最新の統計データを交えて詳しく解説していきます。これから新たにサイト制作を検討している方や、既存サイトを見直したいと考えているご担当者の方は、ぜひ参考にしてください。
1. コーポレートサイトの役割と必要な要素
企業のホームページ、いわゆるコーポレートサイトは、単に情報を載せる場ではなく、企業の信頼性を担保し、ブランド価値を高め、最終的には問い合わせや採用、パートナー獲得といった成果に繋げるための重要なマーケティング資産です。とくにBtoB業界においては、営業活動に入る前にまずサイトをチェックされることが多く、「ホームページ=企業の第一印象」として認識されています。
日本の経済産業省が発表した調査によると、約87%の法人担当者が「企業のホームページを確認した上で商談を決定する」と回答しており、もはやホームページがない、または情報が不十分である企業はビジネスチャンスを失っていると言っても過言ではありません。
そのような重要性を持つコーポレートサイトに求められる主な役割は以下の通りです。
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企業の信頼性や安心感の提供
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事業内容やサービスの説明
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採用情報の発信
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問い合わせ・資料請求の窓口
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ブランディングの支援
そして、それらの役割を果たすために必要なコンテンツ要素は多岐にわたります。まず、「トップページ」は企業の顔として、全体のナビゲーションを担います。ここでは、視覚的なインパクトとともに、企業の強みや事業の概要をわかりやすく伝えることが重要です。
次に、「事業紹介ページ」では、具体的な製品・サービスの内容を掘り下げて解説する必要があります。業種によっては図やチャート、導入実績などを併用することで、視覚的理解が高まり、顧客への訴求力が強化されます。
「企業情報ページ(会社概要・沿革)」では、設立年、資本金、所在地、役員情報などの基本的な企業データを明示し、対外的な信用を確立します。また、CSR(企業の社会的責任)活動やISO取得情報などがあれば、それも併記することで信頼性を高めることができます。
最近では、「採用情報ページ」も重要性を増しています。就活生や転職希望者が最初に見るページとして、企業理念や職場の雰囲気、社員インタビューなどを掲載し、採用ブランディングを意識した設計が求められています。
加えて、スマートフォン対応(レスポンシブデザイン)、セキュリティ対策(SSL化)、アクセシビリティ(音声読み上げや色覚対応)など、ユーザビリティにも配慮したサイト設計が不可欠です。2023年にはGoogleが「Core Web Vitals」をランキング要素に加えたことで、ページ速度やモバイル表示の最適化も、SEO上の重要ポイントとなりました。
このように、企業の信頼と成果に直結するコーポレートサイトは、単なるパンフレットのデジタル化ではなく、情報設計・技術対応・マーケティングを融合させた戦略的な設計が求められています。
2. ブランドイメージを強化するデザインの考え方
企業ホームページにおいて、デザインは単なる「見た目の美しさ」を超え、ブランドの世界観や企業価値を視覚的に伝えるための重要な要素です。ユーザーはホームページに訪れて3秒以内に「この企業は信頼できるかどうか」を判断すると言われており、その瞬間に与える印象の大半を決めるのがデザインです。
米国スタンフォード大学の調査によると、Webサイトの信頼性の約75%が「見た目のデザイン」によって左右されているという結果が出ています。これは企業サイトにおいても例外ではなく、デザインの質が信頼やブランド力に直結するという強力なエビデンスです。
まず、ブランドイメージに合った「配色設計」が重要です。たとえば、信頼感を重視する金融業界では青系が多く、自然や健康を意識する業種では緑系が好まれる傾向があります。コーポレートカラーがある場合は、その色をキーカラーに設定し、サイト全体に統一感を持たせることでブランド認知が高まります。
次に、タイポグラフィ(フォント設計)も重要です。読みやすさを重視しつつも、業界やブランドに合ったフォントを使うことで印象が大きく変わります。たとえば、堅実な印象を与えるには明朝体、モダンでスタイリッシュな印象を与えるにはゴシック体が適しています。
また、写真やビジュアル素材のクオリティもブランド訴求に直結します。フリー素材ではなく、プロによる撮影や独自のイラストを活用することで、「この会社は細部までこだわっている」とユーザーに感じさせることができます。特にBtoBでは、工場、製品、社員の様子などのリアルな写真が、信頼感と安心感を生み出すため効果的です。
レイアウトに関しては、「ホワイトスペース(余白)」の使い方も洗練された印象を左右します。情報が詰まりすぎたデザインは読みづらく、ユーザーの離脱を招きます。適切な余白を設けることで、各要素が引き立ち、視線誘導もスムーズになります。
さらに、ユーザーの行動を促すためのUI/UXデザインも不可欠です。CTA(Call to Action)ボタンの位置やカラー、マウスホバー時の反応など、細かい設計がユーザー体験を左右し、最終的なコンバージョンにもつながります。
企業ホームページはその企業の価値観や方向性を反映する“顔”であり、デザインはその印象を決定づける強力な武器です。表面的な「かっこよさ」ではなく、企業のビジョンや価値を視覚的に表現し、ユーザーに的確に届けるという視点でデザインを捉えることが、今後の企業サイト制作において求められています。

3. 会社情報・実績ページの作り方と魅せ方
企業ホームページにおける「会社情報」と「実績紹介」は、訪問者に信頼を与え、商談や採用へとつなげるためのキーページです。とくに新規顧客や取引先となる法人担当者は、最初にこのページを確認し、その企業の規模や信頼性、業界でのポジションを判断します。
まず、会社情報ページには「会社概要」「沿革」「経営理念」「代表挨拶」など、基本的な企業情報を過不足なく掲載する必要があります。ここで重要なのは、単にデータを羅列するのではなく、「信頼を可視化する」設計にすることです。たとえば、創業年や資本金だけでなく、「どのような課題を解決してきたか」「どの市場で評価されているか」といった視点を盛り込むことで、読み手の印象は大きく変わります。
また、最近のトレンドとして、代表者の挨拶文には動画を導入する企業も増えています。これは、文章だけでは伝えきれない“人柄”や“熱意”を直接伝えられる方法として効果的であり、とくにスタートアップ企業においては差別化要素となります。
実績ページについては、可能な限り具体的かつ視覚的に構成することがポイントです。単に「◯◯業界への納品実績多数」と書くのではなく、「年間300件以上の製品導入」「全国47都道府県に展開中」といった具体的な数値を記載することで、説得力が格段に上がります。
事例紹介のフォーマットとしては、「課題→提案内容→成果」というストーリー形式が効果的です。これは、読者が自社の課題と重ね合わせやすく、導入後の成果イメージが湧きやすくなるため、コンバージョン率の向上にもつながります。
さらに、実績ページに「カテゴリ別フィルター機能」を持たせることで、業種やサービス別に絞り込みができ、閲覧者が自分に関連する情報にスムーズにたどり着けるようになります。これもまた、ユーザー体験を高める重要な工夫の一つです。
検索エンジンに対しても、会社情報や実績ページは強力な評価要素になります。とくに、会社名や代表者名での指名検索が発生する際、これらのページが上位表示されやすくなり、ブランド検索の強化につながります。
企業の信頼性と実力を証明するこの2つのページは、単なる“紹介ページ”ではなく、“営業のツール”であり、“採用の窓口”でもあります。情報設計・デザイン・データ活用の三位一体で、読み手を引き込む構成を目指すことが、成果につながる企業ホームページ制作の要といえるでしょう。
4. 問い合わせフォームを最適化する方法
企業ホームページの目的は情報提供だけではなく、最終的には訪問者に「行動してもらう」ことにあります。その中でも最も重要なアクションが「問い合わせ」です。にもかかわらず、多くの企業サイトでは問い合わせフォームが疎かにされており、離脱ポイントになっているケースが少なくありません。問い合わせフォームの最適化は、コンバージョン率を左右する極めて重要な施策であり、ビジネス成果に直結する要素です。
まず注目すべきは、入力項目の数です。調査会社Formstackのレポートによれば、入力項目が4つ以下のフォームは、10項目以上のフォームに比べて送信完了率が最大160%高いというデータがあります。つまり、必要最低限の項目だけに絞ることで、ユーザーの負担を減らし、コンバージョンを高めることができるのです。
また、入力項目の順番も重要です。「お名前」「メールアドレス」「お問い合わせ内容」といった自然な流れで構成することで、ユーザーの心理的なストレスを軽減します。逆に「電話番号」や「住所」など、入力に躊躇するような情報は、必要性を明示するか、任意項目として扱うことが望ましいです。
ユーザーの安心感を高めるためには、フォーム送信前後の文言にも注意が必要です。たとえば、「入力内容は暗号化されて送信されます」「通常1営業日以内にご返信いたします」といった説明を添えることで、セキュリティ面や対応スピードに対する不安を払拭できます。
デザイン面では、フォーム全体のレイアウトや文字サイズ、余白の使い方にも配慮しましょう。スマートフォンからの利用が主流になっている現在、モバイルファーストの設計が必須です。2023年のGoogleデータによれば、日本におけるWebアクセスの約76%がスマートフォン経由であり、フォームの使いやすさがモバイル環境での成否を左右します。
また、エラー表示や未入力項目への誘導も丁寧に設計する必要があります。「ここは必須項目です」と赤字で表示するだけでなく、「全角で入力してください」「メールアドレスの形式が正しくありません」といった具体的な説明があると、フォーム離脱を防ぐ効果があります。
さらに、サンクスページ(送信完了ページ)の設計も見落としてはなりません。ただ「送信が完了しました」と表示するのではなく、「よくある質問へのリンク」や「採用情報ページの案内」など、次のアクションを提示することで、ユーザーとの接点を継続させることができます。
問い合わせフォームは「成果を生む入り口」です。使いやすさ、分かりやすさ、信頼性をすべて兼ね備えた設計を行うことで、企業サイト全体のパフォーマンスが向上し、問い合わせ率や商談化率を大きく伸ばすことができます。
5. ブログ・ニュース機能の活用でSEO強化
企業ホームページにおいて、ブログやニュース機能は単なる「お知らせ」ではなく、SEO対策の重要な柱として機能します。検索エンジンは更新頻度が高く、有益なコンテンツを持つサイトを高く評価する傾向があるため、定期的な情報発信はサイト全体の評価を底上げする強力な手段となります。
まず、SEO効果を得るためには、「検索されやすいキーワードを含んだ記事」を継続的に投稿することが基本です。たとえば、業界の最新トレンド、社内の専門知識を活かした解説記事、成功事例の紹介など、ターゲットユーザーの検索意図に合致する内容を意識して制作します。Googleはコンテンツの「専門性」「信頼性」「権威性(E-E-A-T)」を評価軸としており、企業としての専門知識を記事に反映させることは非常に効果的です。
次に、ブログ投稿における構造の最適化も欠かせません。H2・H3などの見出しタグを適切に使い、文章をセクション分けすることで、検索エンジンにもユーザーにも読みやすい構成となります。また、内部リンクを活用し、自社サービスや過去記事への誘導を行うことで、回遊性を高め、直帰率の改善にもつながります。
具体的な運用例としては、週1回のペースで500〜1,000文字程度の記事を投稿することが目安です。実際に、週1回以上の更新を行っている企業サイトは、月1回以下の更新頻度のサイトに比べて検索流入が約3倍になるというデータもあります。更新頻度と継続性が、検索エンジンからの信頼構築に直結します。
さらに、ニュース機能では、プレスリリースやイベント開催情報など、公式性の高い情報を発信することで、企業の信頼性を強化できます。こうした記事はメディアにも引用されやすく、外部リンク獲得のチャンスにもなります。特にBtoB領域では「事例紹介記事」や「導入インタビュー」などが、信頼醸成において高い効果を発揮します。
ブログやニュースは、SEO対策だけでなく、「企業の透明性」「開かれた姿勢」「積極的な情報発信」の象徴にもなります。とくに採用活動やパートナー企業との関係構築において、こうした継続的な発信が「選ばれる理由」のひとつになるのです。
検索エンジンとの関係性を強化し、ユーザーとの接点を継続的に作り出す。それがブログ・ニュース機能の最大の価値です。コンテンツ制作は短期的な成果を求める施策ではなく、中長期で積み上げる資産として位置付け、企業全体で取り組むべき戦略のひとつです。
成果を生む企業ホームページ制作の本質とは
企業向けホームページ制作は、単なるデザインの良し悪しではなく、「誰に、何を、どのように伝えるか」を明確に設計し、ユーザーと信頼関係を築くための仕組みづくりです。今回ご紹介した5つのポイントは、その本質に迫るための核となる考え方です。
コーポレートサイトの役割を正しく理解し、必要な情報を適切に整理することで、企業の信頼性は飛躍的に向上します。また、ブランドを的確に表現するデザインや、実績・会社情報の見せ方は、ビジネスの実力をわかりやすく伝える力を持ちます。さらに、問い合わせフォームやブログ機能といった、ユーザーの行動を促す仕掛けが整っていれば、ホームページは単なる広告ではなく、営業ツールとして機能する価値ある資産となります。
技術の進化とともに、Webサイトに求められる要素は日々変化していますが、「ユーザーの視点に立つ」という原則は普遍です。企業の魅力を正しく伝え、信頼され、行動につなげる。そんなホームページ制作こそが、これからのビジネスにおいて最も必要とされる戦略です。
この機会に、自社のホームページを戦略的に見直し、成果を生む「本物の企業サイト」へと育てていきましょう。
執筆者
畔栁 洋志
株式会社TROBZ 代表取締役
愛知県岡崎市出身。大学卒業後、タイ・バンコクに渡り日本人学校で3年間従事。帰国後はデジタルマーケティングのベンチャー企業に参画し、新規部署の立ち上げや事業開発に携わる。2024年に株式会社TROBZを創業しLocina MEOやフォーカスSEOをリリース。SEO検定1級保有
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