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2025/11/18

Instagramリールの再生回数を伸ばす!バズる動画の作り方

Instagramリールの再生回数を伸ばす!バズる動画の作り方

「渾身のリール動画を投稿したのに、再生数が2桁で止まってしまった…」
「フォロワーは少しずつ増えてきたけれど、リールだけがなぜか伸びない」
「あの人のリールは、どうしてあんなに『バズる』んだろう?」

Instagram運用において、今やリール(Reels)は、新規フォロワー獲得のための最も強力な機能です。しかし、多くのクリエイターや企業担当者が、このリール動画の「再生回数の伸ばし方」で深く悩んでいます。私自身、Webマーケティングの現場で数々のアカウント運用に携わってきましたが、キャリアの初期には、時間と労力をかけて編集した動画が、驚くほど誰にも見てもらえないという苦い経験を何度も繰り返しました。

なぜ、伸びるリールと伸びないリールが存在するのか。その差は、決して「センス」や「運」だけではありません。そこには、Instagramのアルゴリズムに好かれ、視聴者の指を止めさせるための明確な「技術」と「戦略」が存在します。ここでは、私が現場で培ってきた知見と、数々の失敗から学んだ具体的なテクニックを交えながら、あなたのリール動画を「その他大勢」から「バズる一本」へと変貌させるための秘訣を、余すところなく徹底的に解説していきます。

1. トレンドの音源やエフェクトを見つける方法

Instagramリールにおいて、「音源(BGM)」は動画の「顔」とも言えるほど重要な要素です。
なぜなら、Instagramのアルゴリズムが「今、流行っている音源を使っている動画」を、ユーザーの「リールタブ」や「発見タブ」に優先的に表示させる傾向が非常に強いからです。

流行の音源を使うメリットは2つあります。

  1. アルゴリズムからの優遇:
    Instagramが「この音源を流行らせたい」と考えているタイミングで使うと、単純に露出(インプレッション)が増えやすくなります。
  2. 視聴者の視聴ハードルが下がる:
    ユーザーが聞き慣れた音源は、無意識下での抵抗感が少なく、動画を見始めてもらいやすくなります。

では、その「トレンド音源」は、どうやって見つければよいのでしょうか。闇雲に探すのは非効率です。私が実践している具体的なリサーチ方法を紹介します。

  • リールタブを「能動的」にリサーチする
    最も基本ですが、最も重要です。リールタブ(アプリ下部の中央ボタン)を開き、単純に楽しむのではなく「分析するため」に視聴します。

    • 左下の「↗︎(上向き矢印)」マークを探す:
      音源名の横に、この「トレンドマーク」が付いているものは、今まさにInstagramが推奨している「旬」の音源です。見つけたら即座に「音源を保存」しましょう。
    • 音源ページで使用本数を確認する:
      音源名をタップして「音源ページ」に飛びます。そこで、その音源が使われているリール動画の本数を確認します。目安として、数千〜数万本程度で、かつ急上昇しているものが狙い目です。100万本を超えていると、すでに流行のピークを過ぎており、埋もれやすくなります。
  • 競合・人気アカウントを分析する
    自分がベンチマークしている人気アカウントや、同ジャンルの競合アカウントが「直近1〜2週間で」使っている音源を徹底的にチェックします。特に、そのアカウントで再生数が跳ねている動画(バズっている動画)があれば、その音源は「当たり」である可能性が高いです。
  • TikTokなど他のプラットフォームから逆輸入する
    これは少し上級者向けですが、Instagramで流行る音源の多くは、TikTokで先に流行しています。TikTokのトレンドをチェックし、それがInstagramに輸入される「直前」に先回りして使うことで、トレンドの第一波に乗れる可能性があります。

エフェクト(動画の視覚効果)についても同様です。
リール作成画面の「エフェクト」→「トレンド」から探すか、他人のリールで面白いエフェクトを見つけたら、音源名のすぐ上にあるエフェクト名をタップして保存しましょう。

トレンド音源のリサーチ方法を、効率の観点から表にまとめます。

リサーチ方法 メリット デメリット・注意点 おすすめ度
リールタブの「↗︎」マーク 最も手軽で確実。Instagram公式のお墨付き。 流行の「ピーク」で掴むことが多く、ライバルも多い。 ★★★★★(必須)
競合・人気アカウント分析 自分のジャンルに合った音源が見つかりやすい。 そのアカウントの力で伸びただけで、音源自体はトレンドではない可能性も。 ★★★★☆
TikTokからの逆輸入 トレンドの「初期」を掴める可能性があり、先行者利益を得やすい。 リサーチ工数がかかる。Instagramでは流行らない場合もある。 ★★★☆☆(中級者向け)

トレンド音源は「鮮度」が命です。良い音源を見つけたら、温存せず、すぐに企画を立てて動画を作成・投稿するスピード感が求められます。

関連記事:Facebookアカウント乗っ取り対策!セキュリティ設定完全ガイド

2. 最初の3秒で視聴者の心を掴む構成術

Instagramリールにおいて、再生数を伸ばすための最重要指標は何か?
それは「視聴維持率(しちょういじりつ)」、特に「フル視聴率(最後まで見られた割合)」です。

ユーザーは、親指一本で高速スワイプしながら動画を「選別」しています。あなたの動画がタイムラインに表示された瞬間、ユーザーは「1秒、あるいはそれ以下」の速さで、それを見続けるか、スワイプして飛ばすかを判断しています。
この「最初の関門」を突破できなければ、どれだけ後半に素晴らしい内容を用意していても、存在しないのと同じです。

私がクライアントの動画をコンサルティングする際、再生数が伸びないリールの9割は、この「冒頭3秒」に致命的な問題を抱えています。
では、どうすれば視聴者の心を掴み、指を止めさせることができるのか。具体的な構成術を紹介します。

  1. 「結論ファースト」を徹底する
    動画で最も伝えたいこと、視聴者が最も得られるメリット(ベネフィット)を、冒頭の0秒〜2秒で提示します。
    (例:料理動画)
    × 悪い例: 「こんにちは!今日は〇〇を作ります。まず材料は…」(→誰も挨拶は求めていない)
    ○ 良い例: 「(完成した料理のドアップ映像)たった5分で、お店の味。
  2. 「テキスト」でメリットを明示する(VSEO)
    映像のインパクトと同時に、画面上に「テキスト(テロップ)」を大きく表示し、視聴メリットを言語化します。これはVSEO(Video Search Engine Optimization = 動画検索エンジン最適化)の観点からも有効です。

    • 9割が知らない、iPhone裏技」
    • 保存必須!渋谷カフェ7選」
    • もう悩まない。ネクタイの簡単な結び方」
  3. 「問いかけ」でターゲットを絞り込む
    視聴者に「あ、これ私のことだ」と自分事に捉えさせるテクニックです。
    (例:ファッション動画)
    × 悪い例: 「今日のコーデ紹介」(→日記)
    ○ 良い例:低身長さん集まれ!夏の着痩せコーデ」
    (例:ビジネス系動画)
    × 悪い例: 「マーケティングの基礎」(→教科書)
    ○ 良い例:部下への指示、『いい感じに』で済ませてない?」
  4. 「違和感」や「インパクト」のある映像から入る
    美しい風景、驚きの表情、激しい動き、美味しそうなシズル感(湯気、肉汁など)… 理屈抜きで「え、何これ?」と思わせる映像は、それだけで強力な「引き」になります。

冒頭3秒の「引き」のパターンを、目的別に比較してみましょう。

引きのタイプ 目的 具体的な冒頭テキスト・映像例
結論ファースト型 有益な情報があることを即座に伝える 結論、〇〇が最強。」「これマジで買ってよかった。
メリット明示型 視聴メリット(得)を提示し、保存を促す 保存必須!」「知らないと損する〇〇」
問いかけ型 視聴者を「自分事」にさせ、共感を呼ぶ 〇〇で悩んでない?」「〇〇な人、今すぐ見て!
インパクト型 視覚的な驚きで、理屈抜きに指を止めさせる (絶景、シズル感、驚きのビフォーアフター)

動画制作時は、「これは日記になっていないか?」「ユーザーが3秒以内に得られる情報は何か?」を常に自問自答することが、成功への第一歩です。

関連記事はこちら:モデルリリース(肖像権使用許諾書)の重要性と取得方法|知らないでは済されないプロの常識

3. 動画のテンポを良くするカット編集の基本

冒頭3秒の関門を突破しても、視聴者は非常に「飽きっぽい」存在です。
動画の途中で「間(ま)」が空いたり、同じようなシーンが続いたりすると、彼らは容赦無くスワイプして次の動画へ移ってしまいます。これを防ぎ、フル視聴(完全視聴)してもらうために不可欠なのが、テンポの良い「カット編集」です。

私がリール編集で特に意識している「テンポアップ」の基本テクニックは以下の通りです。

  • ジャンプカット(会話の「間」をすべて詰める)
    これが最も重要です。人が話している動画(ノウハウ系、Vlog系)の場合、

    • 「えー」「あのー」といった不要なフィラー(つなぎ言葉)
    • 言葉と言葉の間の、わずかな「息継ぎ」や「

    これらを1ミリ秒も残さない覚悟で、徹底的にカットして繋ぎ合わせます。結果として、映像がカクカクとジャンプするように見えますが(=ジャンプカット)、リールのようなショート動画では、これが「テンポの良さ」としてポジティブに受け取られます。

  • 1シーンを2秒以上見せない
    風景動画や料理動画など、モノを映す場合、同じアングル(画角)の映像を3秒以上続けると、視聴者は退屈し始めます。例えば料理動画なら、「野菜を切るシーン」を「真上から(1秒)→斜め前から(1秒)→手元のアップ(1秒)」というように、短いカットを細かく繋いでいくことで、情報量は同じでも、視聴者を飽きさせない「動きのある動画」になります。
  • BGMの「ビート」にカットを合わせる
    これは動画のクオリティを格段に上げるプロのテクニックです。使用するBGMには、必ず「タン、タン、タン」というリズム(ビート)があります。動画のカットが切り替わるタイミングを、このBGMのビート(特に音が強くなる瞬間)に正確に合わせるのです。
    これをやるだけで、動画全体に心地よいリズム感が生まれ、視聴者は無意識のうちに引き込まれていきます。多くの動画編集アプリ(特にCapCut)には、音源のビートを自動検出する機能も搭載されています。
  • 「引き」と「寄り」を意識的に使い分ける
    ずっと同じ距離感で撮影された映像は単調です。全体の状況を見せる「引き(Wide)」の映像と、ディテール(詳細)を見せる「寄り(Up)」の映像を、意図的に交互に入れることで、動画に抑揚が生まれます。

これらのカット編集テクニックは、視聴維持率に直結します。

編集テクニック 目的(効果) 特に有効な動画ジャンル
ジャンプカット 会話の「間」をなくし、体感速度を上げる ノウハウ解説系、Vlog(しゃべり系)
短いカットの連続 (1-2秒) 視覚的な飽きを防ぎ、情報量を多く見せる 料理、旅行、ファッション、Vlog(風景系)
BGMとの同期(ビート合わせ) 心地よいリズム感を生み出し、没入感を高める 全てのジャンルで必須(特にダンス、Vlog)
「引き」と「寄り」の使い分け 動画に抑揚をつけ、状況とディテールを伝える 料理、ガジェット紹介、ファッション

編集作業は地道ですが、この「数フレーム(0.数秒)を削る」という執念が、再生数の差に繋がります。

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4. 見ていて飽きないトランジション(場面転換)テクニック

トランジションとは、カットとカットを繋ぐ「場面転換」の特殊効果のことです。
単調なカット編集(A→Bにただ切り替わる)だけでは、視聴者が途中で飽きてしまうことがあります。そこで、効果的なトランジションを間に挟むことで、動画に「フック(引っ掛かり)」を作り、視聴者を次のシーンへとスムーズに誘導することができます。

私がリール制作で多用する、シンプルかつ効果的なトランジションを紹介します。これらは高価な機材がなくても、スマホ一つで(あるいは編集アプリで)実現可能です。

  1. カメラを「隠す」トランジション
    最も簡単で、最も使いやすいテクニックです。

    • 手で隠す: 1カット目の最後にカメラのレンズを「手」で覆って画面を真っ暗にし、2カット目の頭で「手」をレンズから離す。
    • 壁や床に近づける: 1カット目の最後にカメラを壁や床にグッと近づけて画面を真っ暗にし、2カット目の頭で壁や床から離れていく。

    これだけで、場所や時間が大きく飛んでも、自然にシーンを繋ぐことができます。

  2. 被写体で「隠す」トランジション
    1カット目の最後に、人物や物がカメラの前を「横切る」瞬間にカットを切り替え、2カット目の頭に繋ぎます。視聴者の視線が横切る物に一瞬奪われるため、カットが切り替わったことに気づきにくく、非常に滑らかな場面転換が可能です。
  3. 「動作」で繋ぐトランジション
    ファッション系の「早替え」リールなどで最もよく使われる手法です。

    • ジャンプ: Aの服で「ジャンプ」した瞬間でカットを切り替え、Bの服で「着地」するシーンに繋ぐ。
    • 手を叩く・指パッチン: 手を叩いた(鳴らした)瞬間に、服やメイク、背景が変わる。
    • カメラを投げる(フリ): カメラを空中に軽く投げる(フリをする)カットと、それを受け取る(フリをする)カットを繋ぐ。
  4. 「回転(スピン)」トランジション
    1カット目の最後にカメラ(スマホ)を意図的に素早く回転させ、映像をブラします。そして、2カット目の頭も回転させた状態からスタートし、元の水平に戻します。これにより、ダイナミックでスピード感のある場面転換が可能です。旅行系Vlogなどで多用されます。

これらのトランジションは、「視聴者を飽きさせないためのスパイス」です。多用しすぎるとくどくなりますが、動画の冒頭や、シーンが大きく変わる節目に効果的に使うことで、視聴維持率の向上に大きく貢献します。

併せて読みたい記事:SEOとWebマーケティングの関係を徹底解説!成果を上げるための本質とは?

5. リール動画に適した撮影機材とアプリ

「バズるリール動画を撮るには、高価な一眼レフカメラやPCが必要ですか?」
これは非常によくある質問ですが、私の答えは「いいえ、必須ではありません」です。現在、ほとんどのバズっているリールは、スマートフォンで撮影・編集されています。

ただし、スマホ一台だけでも、「プラスアルファ」の機材が「ある」か「ない」かで、動画のクオリティ、特に「見やすさ」に雲泥の差が生まれます。もし本気で再生数を伸ばしたいなら、最低限、以下の機材への投資を強く推奨します。

  • 必須級:スマートフォン
    (当然ですが)iPhoneでもAndroidでも構いません。近年のモデルであれば、画質は十分すぎるほど綺麗です。4k(高画質)で撮影しておくと、編集で一部を拡大(ズーム)しても画質が荒れにくいというメリットがあります。
  • 推奨①:スタビライザー(ジンバル)
    手持ち撮影で最も嫌われるのが「手ブレ」です。見ている側が「酔う」動画は、即スワイプされます。スタビライザー(ジンバル)は、歩きながらの撮影や、商品を滑らかに「舐める」ような撮影(ブツ撮り)において、手ブレを劇的に軽減し、プロのような滑らかな映像を実現します。数千円〜1万円台のもので十分です。
  • 推奨②:照明(リングライト・LEDライト)
    映像は、光が命」です。特に室内での撮影(料理、美容、ノウハウ解説など)において、部屋の照明だけでは顔や商品に影ができ、暗く、汚い印象を与えてしまいます。安価なリングライトや小型のLEDライトを一つ用意し、被写体を「明るく照らす」だけで、動画の印象は劇的に「清潔」で「プロっぽく」なります。
  • 推奨③:外部マイク(ワイヤレスピンマイク)
    ノウハウ解説やVlogなど、「音声(しゃべり)」がメインの動画の場合、スマホの内蔵マイクでは「サー」という環境音(ノイズ)が入ったり、声が反響したりしがちです。視聴者は「聞き取りにくい音」を極端に嫌います。ワイヤレスのピンマイク(胸元につけるマイク)を使うことで、クリアで聞き取りやすい音声が録れ、視聴維持率の向上に直結します。

次に、編集アプリです。Instagramアプリ内でも編集は可能ですが、テンポの良いカット編集やテロップ入れには限界があります。以下のアプリが現在の主流です。

編集アプリ 特徴 メリット デメリット
CapCut (キャップカット) 現在のデファクトスタンダード。TikTok運営会社が提供。 無料でほぼ全ての機能が使える
自動キャプション(文字起こし)機能が最強
・トレンド音源、エフェクトが豊富
・操作が直感的
特に無し。まずはこれ一択。
VLLO (ブロ) 初心者〜中級者に人気。 ・操作画面が非常にシンプルで分かりやすい
・買い切りプランがある(サブスク嫌いな人向け)
CapCutに比べると、トレンド機能やAI機能はやや弱い。
Instagramアプリ内編集 Instagramが提供する標準機能。 ・アプリを移動せずシームレスに編集・投稿できる
・トレンド音源やエフェクトは探しやすい
・細かいカット編集がしにくい
・テロップの自由度が低い(機能が貧弱)

私の経験上、「CapCut」の自動キャプション機能(AIによる文字起こし)は、編集時間を1/3以下にしてくれる革命的な機能です。まずはCapCutをダウンロードし、H2-3で解説した「ジャンプカット」と「BGM同期」をマスターすることから始めるのが最短ルートです。

次に読む:コンテンツマーケティングの進め方|見込み客を集め、育てるための実践ガイド

6. 再生数が伸びやすいハッシュタグの選定方法

ハッシュタグ(#)は、リールの再生数を伸ばす上で、いまだに重要な役割を持っています。
その役割は、大きく分けて以下の2つです。

  1. ユーザーの「検索」流入窓口
    ユーザーが「#渋谷カフェ」「#時短レシピ」と検索した際に、あなたのリールを見つけてもらうための「キーワード」となります。
  2. アルゴリズムへの「ジャンル」伝達
    これが非常に重要です。適切なハッシュタグを付けることで、InstagramのAIに「このリール動画は、こういうジャンル(例:料理、旅行)の動画ですよ」と正しく伝えることができます。AIは、そのジャンルに興味があるユーザー(例:普段から料理動画をよく見ている人)の「発見タブ」に、あなたの動画を優先的にレコメンド(おすすめ)してくれるようになります。

しかし、ハッシュタグの付け方を間違えている人が非常に多いです。
よくある失敗例:
「#リール」「#おすすめ」「#Instagram」「#バズれ」… こうした投稿件数が数百万〜数千万件ある「ビッグワード」ばかりを付けてしまうケースです。これでは、投稿した瞬間に他の無数の動画に埋もれてしまい、誰の目にも留まりません。

再生数を伸ばすための正しいハッシュタグ戦略は、「規模のバランス」です。
私はクライアントに「大・中・小のピラミッド」を意識するように指導しています。

  • ビッグワード(投稿件数 50万件〜):1〜2個
    (例: #動画編集, #カフェ巡り, #ファッション)
    ジャンルの「大カテゴリ」を示します。
  • ミドルワード(投稿件数 1万〜50万件):3〜5個
    (例: #動画編集アプリ, #渋谷カフェ, #低身長コーデ)
    最も重要な層。「検索」と「レコメンド」の両方を狙う、メインのキーワードです。
  • スモールワード(投稿件数 〜1万件):2〜3個
    (例: #CapCut編集, #渋谷カフェ巡り, #低身長女子コーデ)
    ニッチなキーワードですが、ライバルが少ないため、このタグで検索した熱量の高いユーザーに確実に見つけてもらえます。ここでまず「人気投稿」欄の上位を狙うことが、その後の拡散の足がかりになります。

ハッシュタグの最適な数については諸説ありますが、やみくもに30個付けるのは逆効果(AIがジャンルを絞り込めず混乱する)という見方が強まっています。
私の経験上、合計で5個〜10個程度、上記の「大・中・小のバランス」を意識して選定するのが、最もアルゴリズムに評価されやすいと感じています。

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7. 発見タブに載るためのアルゴリズム解説

リール動画が「バズる」とは、具体的にどういう状態か?
それは、自分のフォロワー以外の人に爆発的に拡散されること、すなわち「発見タブ(虫眼鏡マーク)」や「リールタブ」に、あなたの動画がレコメンド(おすすめ)として大量に表示される状態を指します。

InstagramのAI(アルゴリズム)は、どの動画を発見タブに載せるかを、複雑なシグナル(指標)に基づいて決定しています。
その中でも、Instagramの責任者が公式に「重要だ」と公言しており、私の運用経験からも裏付けが取れている、最も重要なシグナルを紹介します。

1. 視聴維持率(フル視聴・ループ再生)
これが最重要です。H2-2(冒頭3秒)やH2-3(テンポ)で解説した通り、AIは「最後まで見られたか」「何度も繰り返しループ再生されたか」を厳しくチェックしています。すぐに離脱される動画は「つまらない動画」と判断され、即座に拡散がストップします。

2. エンゲージメント(いいね・コメント・保存・シェア)
ユーザーが動画に対して起こした「行動」です。単なる「いいね」よりも、より熱量の高いアクションが重視されます。

  • 保存(セーブ):
    後で見返したい」という、非常に強いポジティブな反応です。AIは「これは有益な情報だ」と判断します。ノウハウ系、まとめ系(〇〇7選)、レシピ動画などは「保存」されやすく、発見タブに載りやすい典型です。
  • シェア(紙飛行機マーク):
    他人に教えたい」という、最も強力な拡散行動です。「共感できる」「面白い」動画がシェアされやすい傾向にあります。
  • コメント:
    視聴者とのコミュニケーションが発生している証拠です。「あなたはどっち?」と問いかけるなど、コメントを誘発する仕掛けが有効です。

3. プロフィールクリック
リール動画を見たユーザーが、「この人、誰だろう? 他の投稿も見たい」と思い、あなたのアカウントのプロフィールページを訪問したかどうかも、強いシグナルになります。

4. 投稿直後の反応(初速)
投稿してから1〜2時間以内の反応(特に既存フォロワーからのエンゲージメント)が良い動画は、AIが「これは人気が出そうだ」と判断し、フォロワー外(発見タブ)への拡散をブーストさせる傾向があります。

これらのシグナルをどのように評価しているか、重要度と共に表にまとめます。

重要シグナル AIの判断(推測) 対策(例) 重要度
視聴維持率(フル視聴) 「面白い」「飽きさせない」動画 冒頭3秒の強化、テンポの良いカット編集 ★★★★★
保存数 有益」「後で見返したい」動画 ノウハウ系・まとめ系にする。「保存してね」と促す。 ★★★★★
シェア数 共感」「他人に勧めたい」動画 あるあるネタ、面白いネタ、感動系。 ★★★★☆
コメント数 「議論」「交流」が生まれている動画 「どう思う?」と問いかける。クイズを出す。 ★★★☆☆
初速(投稿直後の反応) 「人気が出そう」な動画 フォロワーがアクティブな時間帯に投稿する。 ★★★☆☆

バズるリールとは、「視聴維持率が高く、かつ保存(またはシェア)されやすい動画」であると定義できます。動画を作る際は、常に「これは保存される内容か?」と自問自答する癖をつけましょう。

8. 他のSNSと連携してInstagramリールを拡散させる方法

Instagramは、仕様上「拡散力(シェアによる爆発力)」が他のSNS(特にXやTikTok)に比べて弱いという側面があります。リールが発見タブに載れば爆発しますが、そこに至るまでの「初速」や「外部からの流入」をどう作るかが課題です。</p

そこで有効になるのが、他のSNSプラットフォームと連携し、Instagramリールへと誘導する戦略です。

  • X(旧Twitter)との連携
    Xの強みは「リアルタイム性」と「リンクの貼りやすさ」です。
    リールを投稿した「直後」に、そのリール動画のURLをXでポストします。「インスタに、〇〇の裏技(動画)をアップしました! 続きはリールで」といった形で、XのフォロワーをInstagramに誘導します。これにより、H2-7で解説した「初速」をブーストさせる効果が期待できます。
  • TikTokとの連携(転用)
    TikTokとInstagramリールは、ユーザー層やフォーマットが非常に近いため、コンテンツの相互転用(使い回し)が極めて有効です。
    TikTokでバズった動画の「ロゴ(ウォーターマーク)を消して」(専用ツールがあります)、リールに投稿する。あるいはその逆も然りです。ただし、音源は各プラットフォームのトレンドに合わせて付け替えることが重要です。同じ動画でも、音源が違うだけで反応が全く変わることは珍しくありません。
  • Pinterest(ピンタレスト)との連携
    特に「ノウハウ系(レシピ、美容、収納術)」「ファッション系」「インテリア系」のジャンルは、Pinterestと非常に相性が良いです。Pinterestは「検索エンジン」としての側面が強く、リール動画(あるいはその切り抜き画像)を「ピン」として投稿し、そこからInstagramのアカウント自体にリンクで誘導します。息の長い流入経路を確保できます。
  • ブログ(Webサイト)への埋め込み
    自社でオウンドメディア(ブログ)を運営している場合、関連する記事内にリール動画を「埋め込む」ことは、SEO(検索エンジン最適化)対策の観点からも有効です。記事を読みに来た検索ユーザーにリールを見てもらうことで、新たな接点を作ることができます。

Instagramは「閉じたSNS」と言われますが、入り口は多いほど有利です。使えるチャネルは全て使い、リールへの導線を張り巡らせましょう。

関連記事はこちら:Webマーケティングの費用対効果(ROI)|測定方法と改善のポイント

9. 投稿後のインサイト分析と改善点の見つけ方

リール運用で最もやってはいけないことは、「投稿して、祈って、放置する」ことです。
再生数が伸びても、伸びなくても、必ず「なぜ、その結果になったのか?」をインサイト(分析データ)を見て振り返り、次の動画に活かす「PDCAサイクル」を回さなければ、永遠に再生数は安定しません。

リール投稿後、最低でも24〜48時間経ったら、そのリールの「インサイト」を開き、以下の数値を必ずチェックしてください。

  • リーチしたアカウント数:
    その動画が何人に届いたか。ここで重要なのは「フォロワー / フォロワー外の割合」です。フォロワー外の割合が90%以上など、圧倒的に多ければ、それは「発見タブに載った(バズった)」ことを意味します。
  • 平均再生時間:
    動画の長さに対して、平均で何秒見られたか。これが「視聴維持率」の実数値です。動画が30秒なのに平均再生時間が5秒なら、それは「冒頭3秒以降(H2-2)」に致命的な欠陥があることを示しています。
  • 「保存」数:
    H2-7で解説した通り、AIが「有益なコンテンツ」と判断する最重要シグナルの一つです。再生数に対して保存率が高い(例:再生数10,000回で保存100件=1%)動画は、次のバズ候補となります。
  • プロフィールのアクティビティ(フォロー数):
    そのリール動画が「何人の新しいフォロワーを獲得したか」を示す数値です。

このインサイトデータから、次のような「改善点(仮説)」を導き出します。

インサイトの状況(課題) 考えられる原因 次に行うべき改善アクション(仮説)
平均再生時間が極端に短い(例: 5秒以下) 冒頭3秒の「引き」が弱く、即離脱されている。 H2-2の「結論ファースト」「問いかけ型」などを徹底し、冒頭テキストをより刺激的に変更する。
リーチがフォロワーばかり(フォロワー外に伸びない) 視聴維持率やエンゲージメント(特に保存)が低く、AIに評価されていない。 H2-7の対策。「保存してね」と動画内で促す。H2-6のハッシュタグ(ミドル・スモール)を見直す。
再生数や「いいね」は多いが、「フォロー」に繋がらない 動画単体は面白いが、「この人をフォローしたい」とまで思われていない。 動画の最後に「他の投稿も見てね」と誘導を入れる。プロフィール画面(アイコン、自己紹介文)を整備し、フォローするメリットを明確にする。
「保存数」だけが異常に高い コンテンツの「有益性」は非常に高いと評価されている。 (これは成功パターン)なぜ保存されたのか(例:リスト形式にしたから)を分析し、その「型」を横展開して新しい動画を作る。

データを分析し、仮説を立て、次の動画で検証する。この地道な繰り返しこそが、リール運用を成功させる唯一の道です。

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10. 人気リール動画の共通点と分析

これまで、リール再生数を伸ばすための具体的なテクニックを解説してきました。
最後に、ジャンルを問わず、多くの「人気リール(バズっている動画)」に共通する「」を分析し、私たちが何を学ぶべきかを整理します。

私が日々何百本ものリールを分析する中で見えてきた、バズる動画の共通点は、主に以下の5つの「価値」のいずれか(あるいは複数)を、視聴者に明確に提供していることです。

  1. 有益性(=保存)
    「知らなかった!」「後でやりたい!」と思わせる、実用的なノウハウや情報。
    例: Excelやスマホの裏技、時短レシピ、旅行先のまとめ(〇〇7選)、プロが教える掃除術、お金の知識。
    分析: H2-7で触れた「保存」を最も稼ぎやすい型。冒頭で「保存必須」と謳い、視聴者に「保存する」という行動を明確に促しているケースが多い。
  2. 共感性(=シェア・コメント)
    「わかるー!」「私だけじゃなかった」という安心感や連帯感を生む、日常のあるあるネタ。
    例: 育児あるある、仕事(上司)あるある、〇〇な人の特徴、恋愛ネタ。
    分析:シェア」や「コメント」を誘発しやすい型。「みんなはどう?」と問いかける形で、視聴者の参加を促す構成がうまい。
  3. 憧れ・美(=いいね・プロフィールクリック)
    「すごい!」「綺麗…」「行ってみたい」と思わせる、非日常的な体験やビジュアル。
    例: 絶景(旅行)、高級ホテルのルームツアー、ハイブランドの開封の儀、美しいモデルのファッション。
    分析: 視覚的なインパクトが強く、H2-2(冒頭3秒)をクリアしやすい。「この人、どんな生活してるんだろう?」と、プロフィールクリックにも繋がりやすい。
  4. エンタメ性(=いいね・シェア・ループ再生)
    「面白い(笑)」「可愛い」「まさかの展開!」という、純粋な娯楽としての価値。
    例: ペットの可愛い(面白い)瞬間、ダンス、コメディ系の寸劇、驚きのマジックや特技。
    分析: ループ再生されやすい(中毒性)。H2-1の「トレンド音源」との親和性が最も高く、音源の力で拡散することも多い。
  5. 即時性・トレンド(=いいね)
    「今、これが流行ってる」という、トレンドの最前線に触れられる価値。
    例: 新発売のコンビニスイーツレビュー、流行の音源やエフェクトを使ったダンス、速報ニュース。
    分析: 鮮度が命。アルゴリズムの波に乗りやすいが、寿命も短い。

あなたのアカウントは、どの「価値」を、誰に届けるのか?
例えば、「30代の忙しい主婦(誰に)」に「有益性(価値)」を届けるなら、「時短節約レシピ」のリールがバズるのは必然です。自分が発信したいことと、これらの「バズる型」をどう組み合わせるかを考えることが、企画の第一歩となります。

参考:オウンドメディア運用とWebマーケティング|相乗効果を生む方法

リール成功の鍵は「分析と改善」のサイクルを回し続けること

Instagramリールの再生数を伸ばすための、音源選定、構成、編集、アルゴリズム対策、そして分析方法までを網羅的に解説してきました。

最も伝えたかったことは、リールの「バズ」は、センスや運だけで決まるものではない、ということです。それは、視聴者の心理を理解し、アルゴリズムの特性(特に視聴維持率保存)を把握した上で、データに基づいて戦略的に構築される「作品」なのです。

多くの人が、最初の数回うまくいかなかっただけで「自分にはセンスがない」と諦めてしまいます。しかし、成功しているクリエイターは皆、見えないところで「なぜ伸びなかったのか」をインサイトで徹底的に分析し、次の動画で「仮説(改善アクション)」を試す、という地道な作業を繰り返しています。

読者の皆様が「今日から」実践できる、具体的なアクションを2つ提案します。

  1. まずは、ベンチマークする(目標とする)人気リール動画を3本見つけ、「なぜ自分はこれを最後まで見てしまったのか?」を分析してみてください。(冒頭のテキストが刺さったから? BGMとカットが合っていて心地よかったから?)
  2. 次のリール投稿で、必ずH2-7の「保存」を意識した構成(例:「保存して見返そう」とテキストで促す、リスト形式にする)を試し、投稿後にインサイトの「保存数」がどう変化するかを観測することが重要です。

感覚的な動画制作から脱却し、ロジックとデータに基づいて「改善」のサイクルを回し始めること。それこそが、あなたのリール動画がバズるための一番の近道です。

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執筆者

株式会社TROBZ 代表取締役

愛知県岡崎市出身。大学卒業後、タイ・バンコクに渡り日本人学校で3年間従事。帰国後はデジタルマーケティングのベンチャー企業に参画し、新規部署の立ち上げや事業開発に携わる。2024年に株式会社TROBZを創業しLocina MEOやフォーカスSEOをリリース。SEO検定1級保有

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