ナレッジハブ
2026/1/16
AIOを意識したキーワード選定の極意:AI検索時代に「選ばれる」ための逆転の発想
検索ボリュームが多い「ビッグワード」を狙うことが、なぜAI検索(AIO)時代において不利に働くのか、その構造的理由
AIが即答してしまう「とは検索」と、人間ならではの体験が求められる「悩み解決型キーワード」の決定的な違いと攻略法
検索ボリューム(PV)を追いかけるのをやめ、AIチャットの「会話」を分析してコンバージョン(CV)に直結するキーワードを見つける技術
「検索順位は1位なのに、なぜかサイトへの流入が激減している……」
もしあなたが今、このような不可解な現象に直面しているなら、それはあなたのサイトが悪いのではありません。検索エンジンの仕組みそのものが、「リンクを提示する場所」から「答えを提示する場所」へと変貌を遂げたからです。
GoogleのSGE(Search Generative Experience)やPerplexityといったAI検索は、ユーザーが知りたいことの概要をその場で生成し、完結させてしまいます。これを「ゼロクリック検索」と呼びます。この新しい環境下で、これまで通りの「ビッグワード狙い」や「検索ボリューム重視」のキーワード選定を続けていては、AIの生成した回答の下敷きになり、誰にもクリックされない未来が待っています。
しかし、悲観する必要はありません。AIにも「苦手な領域」があり、そこには手つかずの鉱脈が眠っています。これから、私が多くのクライアントサイトで実践し、V字回復を実現させてきた「AIO時代のキーワード選定の極意」をお伝えします。数字の大きさという呪縛から解き放たれ、本当に価値あるキーワードを見つける旅に出かけましょう。
目次
1. ビッグワードとAIOの相性の悪さ
Webマーケティングの世界では長年、「検索ボリューム=正義」とされてきました。「クレジットカード」や「ダイエット」といった、月間検索数が数十万〜数百万回に及ぶ「ビッグワード」で上位表示することは、多くのマーケターにとっての悲願であり、成功の証でした。
しかし、AIO(AI Overview)の登場によって、この常識は崩れ去ろうとしています。結論から申し上げますと、AIO時代においてビッグワードを狙うことは、コスト対効果が極めて悪い「負け戦」になる可能性が高いです。その理由を、AIの挙動とユーザー心理の両面から紐解いていきます。
AIは「概要」をまとめるのが得意すぎる
ビッグワードで検索するユーザーの意図(インテント)は、多くの場合「広く浅く知りたい」というものです。「AI」と検索する人は、AIの歴史を知りたいのかもしれないし、最新ツールを知りたいのかもしれない。あるいは株価を知りたいのかもしれません。
このような「曖昧で広範なニーズ」に対して、生成AIは驚異的な能力を発揮します。Web上の膨大な情報を瞬時に要約し、「AIとは人工知能のことで、近年では生成AIが注目されており……」といった、教科書のような完璧な概要(サマリー)を検索結果のトップに表示してしまいます。
ユーザーはこの完璧なまとめを読めば満足してしまい、わざわざその下にあるリンクをクリックしようとは思いません。これが、ビッグワードにおける「ゼロクリック」が加速している最大の要因です。
「権威性」の壁とAIOの占有率
さらに、ビッグワードの領域は、すでに国や公的機関、超大手企業のサイト(ドメインパワーが最強のサイト)によって占拠されています。AIOはこれらの「超権威サイト」の情報を優先的に参照し、回答を作成します。
以下の表は、ビッグワードとニッチワードにおけるAIOの影響度の違いを整理したものです。
この表からも分かるように、ビッグワードで戦うということは、AIが生成する「完璧な要約」と戦うということであり、同時に「Googleが信頼する超大手サイト」と戦うことでもあります。
個人や中小企業のメディアがこれから取るべき戦略は、ビッグワードの山頂を目指すことではありません。「AIが要約しきれない」「AIが答えを持っていない」領域へと、戦場を意図的にずらすことです。次章からは、その具体的な戦場である「ロングテールキーワード」について解説します。
2. 悩み解決型のロングテールキーワード
ビッグワードが「名詞」だとすれば、ロングテールキーワードは「文章」に近いものです。特に、「〇〇 できない 原因」「〇〇 失敗 対処法」といった悩み解決型のキーワードは、AIO時代において最も価値が高い領域と言えます。
なぜなら、悩みを持つユーザーは「一般的な正解」ではなく、「私の状況に当てはまる具体的な解決策」を求めているからです。そして、ここがAIの弱点でもあります。AIは平均的な回答は得意ですが、個別の事情に寄り添った泥臭いアドバイスや、実体験に基づく共感を生む回答は苦手とするからです。
AIが答えられない「N=1」の体験
例えば、「ダイエット 失敗」と検索した場合、AIは「食事制限を守りましょう」「適度な運動をしましょう」といった正論を返します。しかし、検索したユーザーが本当に知りたいのは、「仕事が忙しくて夜遅くに食べてしまう私のための対処法」だったり、「モチベーションが続かない時の心の保ち方」だったりします。
こうしたニーズに対して、以下のようなキーワードを含んだ記事は、AIの回答を補完する(あるいは凌駕する)価値を持ちます。
- 状況を限定する言葉: 「30代 独身」「子育て中」「在宅ワーク」など、ユーザーの属性を具体的に絞り込むキーワード。
- 感情に訴える言葉: 「辛い」「めんどくさい」「後悔」など、AIがあまり使わない感情的なキーワード。
- 独自性を出す言葉: 「実録」「やってみた」「検証結果」など、一次情報(Experience)が含まれていることを示すキーワード。
ロングテール戦略の再定義:AIとの「棲み分け」
従来のロングテールSEOは「競合が少ないから狙う」という消極的な理由が主でした。しかし、これからは「AIには答えられないから狙う」という積極的な理由で選定する必要があります。
私が実践しているのは、「AIに一度答えさせてみて、その回答に不満がある部分を記事にする」という手法です。
- 狙っているキーワードでChatGPTやSGEに質問を投げる。
- 返ってきた回答を読む。「確かにそうだけど、浅いな」「現場ではそうはいかないんだよな」と感じる部分を見つける。
- その「AIが語れなかった現場の真実」をメインテーマに据え、キーワードを再設定する。
例えば、AIが「プログラミング学習には継続が重要です」と答えたなら、あなたは「プログラミング学習 継続できない 3日坊主の脱出法」というキーワードで、自身の挫折経験と克服法を書くのです。AIが「一般論」を語るなら、人間は「例外」や「深掘り」で勝負する。この役割分担(棲み分け)こそが、AIO時代のキーワード戦略の核心です。
3. 「とは」検索と「方法」検索の対策
検索クエリ(キーワード)には、ユーザーの意図によっていくつかのタイプがありますが、AIOの影響を最も大きく受けるのが「Knowクエリ(知りたい)」です。一方で、まだ人間が優位性を保てるのが「Doクエリ(したい)」の一部です。
この違いを明確に理解し、対策を変えていかなければ、せっかく書いた記事が無駄になってしまうリスクがあります。
「とは」検索(Knowクエリ)はAIの独壇場
「SEOとは」「相対性理論とは」といった、言葉の定義や意味を問うクエリは、AIにとって最も簡単な仕事です。Web上の情報を要約して、数行で答えを出してしまいます。
この領域で勝負する場合、従来の「用語解説記事」では勝ち目がありません。対策としては以下の2つが考えられます。
- 定義を構造化データで提供する:記事の冒頭に「〇〇とは、〜のことである」という簡潔な定義文を置き、それを強調スニペットやSGEの回答ソースとして引用させる戦略(AIOへの露出狙い)。
- 「とは」の先にあるニーズを先読みする:「SEOとは」を検索する人は、定義を知りたいだけでなく、最終的には「順位を上げたい」はずです。定義はAIに任せ、記事内では「初心者が最初にやるべき3つのこと」といった実践的な内容へ誘導する。
「方法」検索(Doクエリ)での差別化
「方法」や「やり方」を検索するDoクエリも、一般的な手順であればAIが回答してしまいます(例:「ネクタイの結び方」)。しかし、ここには「独自のコツ」や「失敗しないためのポイント」を入り込ませる余地があります。
以下の表で、クエリタイプごとのAIO対策方針を整理しました。
特に「方法」検索においては、「なぜその方法が良いのか(Why)」という背景や理由を深く語ることが重要です。AIは「How(やり方)」は教えてくれますが、「Why(文脈や理由)」を深く語るのは苦手だからです。そこに、人間であるあなたの専門性や経験を乗せることで、読者は「AIではなく、あなたの記事を読みたい」と感じるようになります。
4. AIチャットに入力されやすいプロンプト分析
これまでのSEOは「検索窓に入力される単語」を分析するものでした。しかし、AIO時代においては、「AIチャットに入力されるプロンプト(質問文)」を分析する必要があります。
ユーザーは今、検索エンジンに対して「単語の羅列」ではなく、まるで人間に話しかけるような「自然言語(会話形式)」で質問を投げかけています。これに対応するためには、キーワード選定の考え方を根本から変える必要があります。
「キーワード」から「会話」へのシフト
従来の検索:「東京 ランチ イタリアン」
AIへの検索:「今週末、東京駅周辺で、静かで雰囲気が良くて、予算5000円くらいで楽しめるイタリアンのお店ある?」
このように、検索クエリは具体的かつ長文化しています。これを「ロングテール」と呼ぶこともできますが、より正確には「カンバセーショナル・クエリ(会話型クエリ)」と呼ぶべきでしょう。
この変化に対応するためには、記事の見出しや本文に、ユーザーが使いそうな「話し言葉」や「質問文」をそのまま取り入れることが有効です。
- 見出しを「イタリアンレストランの選び方」ではなく、「静かで雰囲気の良いイタリアンを探すコツは?」にする。
- 本文中に「予算5000円なら、こんなコースが楽しめます」といった、具体的な条件への回答を盛り込む。
「AIに質問する人」の心理を読み解く
AIチャットを使うユーザーは、単に情報を知りたいだけでなく、「提案」や「相談」を求めています。「おすすめを教えて」「プランを考えて」「比較して」といった能動的なアクションを求めているのです。
そのため、キーワード選定においても、「〜とは」のような受動的なワードよりも、「〜 診断」「〜 シミュレーション」「〜 プラン作成」といった、インタラクティブな要素を含むキーワードの重要性が増しています。
例えば、「保険 選び方」という記事を書くなら、「あなたにぴったりの保険診断チャート」や「年代別・保険プランの選び方シミュレーション」といったコンテンツを用意し、それに関連するキーワードを散りばめる。そうすることで、AIが「ユーザーの相談に乗るための最適な参照先」として、あなたのサイトを選びやすくなります。
5. 検索ボリュームよりコンバージョン重視
「月間検索ボリュームが10しかないキーワードなんて、対策する意味がない」。そう思っていませんか? もしそうなら、今すぐにその考えを捨ててください。
AIO時代において、検索ボリュームはもはや絶対的な指標ではありません。AIが簡単な質問をさばいてしまうため、サイトに流入してくるユーザーは、より深刻な悩みを持った、購買意欲の高い(=コンバージョンに近い)ユーザーに限られてくるからです。
「量」より「質」の時代へ
1万PVあってもコンバージョン(商品購入や問い合わせ)が0件の記事と、100PVしかないけれどコンバージョンが5件発生する記事。ビジネスとして価値があるのは明らかに後者です。
AI検索の普及により、前者のような「情報収集層」のアクセスは減りますが、後者のような「検討・購入層」のアクセスは残ります。つまり、「アクセス数は減ったが、売上は変わらない(むしろ上がった)」という現象が起こり得ます。
そのため、キーワード選定においては、ツール上の検索ボリューム(Volume)よりも、クリック単価(CPC)や競合性(Difficulty)、そして何より「そのキーワードで検索する人は、今すぐ解決したい悩みを持っているか?」というインテントの深さを重視すべきです。
ゼロボリュームキーワード(Zero Volume Keywords)の正体
キーワードプランナーで「ボリューム:–(データなし)」と表示されるキーワードでも、実際には月間数件〜数十件の検索があることは珍しくありません。これらはツールが捕捉しきれていないだけで、実際には人間が検索している「生きた言葉」です。
こうしたゼロボリュームキーワードは、非常に具体的でニッチな悩みであることが多く、競合も対策していないため、記事を書けば即座に1位を取れる可能性が高い「ブルーオーシャン」です。
「誰も検索していない」のではなく、「ツールが知らないだけ」のキーワード。そこには、AIもまだ知らない、あなただけが答えられる深い悩みが隠されています。検索ボリュームという数字の呪縛から解き放たれ、目の前のたった一人のユーザーを救うためのキーワードを選び取ること。それが、結果としてAIO時代を生き抜く最強の戦略となるのです。
6. 潜在ニーズを掘り起こすキーワード調査
検索窓に入力されるキーワードは、ユーザーの悩みの「氷山の一角」に過ぎません。これを「顕在ニーズ」と呼びます。しかし、AIO時代に本当に狙うべきは、水面下に隠れている「潜在ニーズ(本人も言語化できていない本当の願望)」です。
AIは顕在化された質問に対しては完璧な回答を返しますが、ユーザー自身が気づいていない悩みまでは、まだ完全には先回りできません。ここに、人間が書くコンテンツの勝機があります。では、どうやってその「隠れた悩み」を見つければよいのでしょうか。
「Yahoo!知恵袋」と「SNS」は感情の宝庫
キーワードツールは「単語」を教えてくれますが、「感情」までは教えてくれません。私はキーワード選定の際、ツールよりも先に「Yahoo!知恵袋」や「X(旧Twitter)」でのリサーチに時間を割きます。
例えば、「転職」というキーワードで検索するのではなく、SNSで「仕事 辞めたい 辛い」と検索してみてください。そこには、「上司との人間関係が限界」「給料が上がらなくて将来が不安」といった、生々しい叫びが溢れています。
- 愚痴や不満に着目する:
「〇〇が使いにくい」「〇〇の説明がわかりにくい」という不満は、そのまま「〇〇 わかりやすく解説」「〇〇 代替品」というキーワードのヒントになります。 - リプライ(返信)を見る:
悩み相談に対して、他のユーザーがどんなアドバイスをしているかを確認します。そこに「検索ではたどり着けない解決策」のヒントが隠されています。
AIに「検索の背景」を推測させる
さらに、ChatGPTなどの対話型AIを使って、潜在ニーズを深掘りするのも有効です。AIに「なぜそのキーワードで検索したのか?」という背景事情を推論させるのです。
【プロンプト例】
「『観葉植物 枯れる』と検索するユーザーは、単に枯れた理由を知りたいだけではありません。その背後にある心理状況や、本当に解決したい『真の悩み』を5つ推測してください。」
この問いに対してAIは、「自分が植物を育てる才能がないのではないかという自己否定感」や「部屋の運気が下がるのではないかという不安」といった深い洞察を返してくることがあります。これらを元に、「枯らしてしまっても自分を責めないで!ズボラさんでも絶対に育つ植物3選」という記事を書けば、単なる「枯れる原因リスト」よりも深く刺さるコンテンツになります。
7. 関連キーワード(LSI)の活用法
「キーワード選定」というと、メインのキーワードを一つ決めることだと思っていませんか? しかし、AI検索エンジンは、そのページがトピック全体をどれだけ深く網羅しているかを評価するために、「LSIキーワード(Latent Semantic Indexing:潜在的意味インデックス)」の含有率を見ています。
簡単に言えば、「その話題を語る上で、当然出てくるはずの関連語」のことです。これらが自然に含まれている記事は、AIから「専門性が高く、文脈が豊かである」と判断されやすくなります。
共起語とは違う「意味のネットワーク」
従来の「共起語」は、単に一緒に出現する頻度が高い言葉でした。一方、LSIキーワードは「意味的な関連性」を持つ言葉です。例えば「Apple」という記事において、「フルーツ」「パイ」「赤」という言葉があれば「果物のリンゴ」の話だと判断され、「iPhone」「Mac」「ジョブズ」があれば「IT企業のApple」の話だと判断されます。
AIO対策においては、メインキーワードだけでなく、このLSIキーワードを意識的に散りばめることで、AIに「この記事のテーマはこれです」と誤解なく伝えることができます。
LSIキーワードを見つける簡単な方法
難しく考える必要はありません。Google検索結果の最下部にある「関連する検索キーワード」や、AIチャットに「〇〇について詳しく解説する際、絶対に使われるべき専門用語や関連語を10個挙げて」と聞くことでリストアップできます。
ただし、無理やり詰め込むのはNGです。「キーワードスタッフィング(詰め込みすぎ)」としてペナルティを受ける可能性があります。あくまで「読者が理解を深めるために必要な言葉」として、自然な文脈で使うことを心がけてください。
8. 競合がいないニッチワードの探し方
AIO時代に個人や中小メディアが生き残る唯一の道は、「巨人が入ってこれない狭い隙間」を見つけることです。これを「ニッチ戦略」と呼びますが、具体的にどうやってその隙間を見つければよいのでしょうか。
キーワードプランナーで検索ボリュームがある程度表示されている時点で、そのキーワードはすでに誰かに狙われています。私たちが探すべきは、ツールには表示されないけれど、確実にニーズが存在する「ステルス・キーワード」です。
「ずらし」と「掛け合わせ」のテクニック
王道のキーワードから視点を少しずらすだけで、競合が一気に減るブルーオーシャンが見つかります。
- ターゲットをずらす(絞り込む):
「英語学習」は激戦区ですが、「50代 英語学習」なら減ります。さらに「50代 英語学習 老眼」まで絞れば、競合はほぼいなくなります。ターゲットの属性、身体的特徴、職業などで極限まで絞り込みます。 - シーンをずらす:
「ワイヤレスイヤホン」ではなく、「ワイヤレスイヤホン 寝ながら」「ワイヤレスイヤホン ランニング中 落ちない」のように、使用する具体的なシチュエーションを掛け合わせます。
AIがまだ知らない「最新トレンド」を狙う
AIの弱点の一つは、「最新情報への対応ラグ」です(※SGEはリアルタイム検索も行いますが、学習データとしての蓄積はまだ浅いです)。新発売の商品名、昨日起きたニュースに関連する悩み、新しく生まれた造語などは、AIがまだ十分な回答を持っていません。
SNSやプレスリリースを常にチェックし、「まだ世の中に解説記事が存在しない言葉」をいち早く記事化すること。先行者利益を得ることで、そのキーワードにおける第一人者のポジションを確立でき、後からAIが学習する際の「教科書(参照元)」になることができます。
9. クエリタイプ別のアプローチ方法
キーワード(クエリ)には、ユーザーの意図によって大きく4つの分類(Know, Do, Go, Buy)があります。AIO時代においては、それぞれのクエリタイプに対するAIの強さが異なるため、人間側のアプローチも変える必要があります。
やみくもに記事を書くのではなく、「このキーワードはどのタイプか?」を見極め、勝てる戦法を選択しましょう。
特に注力すべきは、DoクエリとBuyクエリにおける「体験(Experience)」の強化です。Googleの評価基準「E-E-A-T」に「Experience(経験)」が追加されたのも、AI生成コンテンツとの差別化を図るためです。「私がやってみた結果」という事実は、AIには絶対に捏造できない最強の武器になります。
10. AIO時代のキーワードマップ作成
最後に、選定したキーワードをどのようにサイト全体に配置するか、その設計図となる「キーワードマップ」について解説します。バラバラに記事を書くのではなく、キーワード同士の繋がりを意識して「トピッククラスター」を形成することが、サイト全体の評価を高める鍵となります。
トピッククラスターとは、一つの大きなテーマ(ピラーページ)と、それに関連する詳細な記事(クラスターページ)を内部リンクで繋ぐ構造のことです。
AIに「専門性」を認識させる構造
AIはサイトを評価する際、単一の記事だけでなく、サイト全体がそのトピックについてどれだけ網羅しているかを見ます。例えば「キャンプ」というテーマなら、「テントの選び方」「キャンプ場ガイド」「キャンプ飯レシピ」といった記事群が体系的に整理されているサイトを「キャンプの専門家」として高く評価します。
- ピラーページ(まとめ記事):
ビッグワードやミドルワードを狙う。「キャンプの始め方」のような網羅的な記事。ここから各クラスターページへリンクを飛ばす。 - クラスターページ(個別記事):
ロングテールキーワードを狙う。「ソロキャンプ テント おすすめ」のような具体的でニッチな記事。ここからピラーページへリンクを戻す。
この構造を作ることで、ニッチなキーワード(クラスターページ)で稼いだ評価が、ビッグワード(ピラーページ)にも還元され、サイト全体のドメインパワーが底上げされます。
キーワードのカニバリゼーション(共食い)を防ぐ
キーワードマップを作る最大のメリットは、同じようなキーワードで複数の記事を書いてしまう「カニバリゼーション」を防げることです。AIは重複コンテンツを嫌います。
「このキーワードはこの記事で対策する」と明確に決め、重複しそうな場合は記事を統合するか、視点を変えて差別化します。「1つの検索意図につき、1つの最強の回答ページを用意する」。この原則を守りながら地図を描くことで、AIにとってもユーザーにとっても迷いのない、理想的なサイト構造が完成します。
数字ではなく「人の心」を見るキーワード選定へ
本記事では、AIO(AI検索)時代におけるキーワード選定の極意について、ビッグワードの回避からニッチワードの探し方、そしてサイト構造の設計まで解説してきました。
AIの登場により、小手先のSEOテクニックや、ツール上の数字だけを追うキーワード選定は通用しなくなりました。しかし、それは悲観することではありません。むしろ、「検索の向こう側にいる一人の人間の悩み」に真摯に向き合うことが、正当に評価される時代になったと言えます。
読者の皆さんが明日から始めるべきアクションは、以下の2つです。
- 検索ボリュームの低いキーワードをあえて選んでみる:
ツール上の数字が小さくても、SNSや知恵袋で深い悩みが見つかるキーワードで記事を書いてみてください。そこには確実に、あなたの言葉を待っている人がいます。 - AIチャットと「壁打ち」をする:
キーワード選定に迷ったら、ChatGPTに「このキーワードで検索する人はどんな気持ち?」と聞いてみてください。AIをライバルではなく、リサーチの相棒として使い倒しましょう。
AIがどれだけ進化しても、悩みを持つ主体は人間です。その心に寄り添い、独自の解決策を提示できるのは、やはり人間だけなのです。
AIO時代のキーワード選定に関するよくある質問
A. はい、明確な悩みがあるなら書くべきです。
ツール上の「ボリューム0」は「測定不能」なだけで、実際の検索数が0とは限りません。特に悩み系のニッチワードはコンバージョン率が高く、競合もいないため、ビジネス的な価値は非常に高い可能性があります。
A. 補助ツールとしては優秀ですが、最終決定は人間が行ってください。
AIは関連語を出すのは得意ですが、「そのキーワードで本当に悩みが解決するか」「自社の強みとマッチするか」の判断はできません。AIが出した候補の中から、人間が戦略的にピックアップする使い方がベストです。
A. 削除せず、サイト全体の「まとめ役」として活用しましょう。
ビッグワード記事は直接的な流入が見込めなくても、内部リンクのハブ(ピラーページ)として機能します。細かいニッチ記事への案内板としてリライトし、サイト構造の強化に役立てるのが得策です。
A. AhrefsやUbersuggestなどのツールを使うのが近道です。
競合URLを入力するだけで、どのキーワードで流入を得ているかが分かります。ただし、それをそのまま真似するのではなく、AIチャットで「この競合記事に足りない視点は?」と分析させ、差別化ポイントを見つけることが重要です。

執筆者
畔栁 洋志
株式会社TROBZ 代表取締役
愛知県岡崎市出身。大学卒業後、タイ・バンコクに渡り日本人学校で3年間従事。帰国後はデジタルマーケティングのベンチャー企業に参画し、新規部署の立ち上げや事業開発に携わる。2024年に株式会社TROBZを創業しLocina MEOやフォーカスSEOをリリース。SEO検定1級保有
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