ナレッジハブ
2026/1/8
AIO対策における画像・動画の最適化:マルチモーダルAIに選ばれる「視覚情報」の完全ガイド
テキスト情報だけでは攻略できない、マルチモーダルAI(SGE)時代の画像・動画活用の具体的戦略
Googleレンズや画像検索からの流入を最大化するための、AIに伝わるAlt属性・キャプション設定の鉄則
YouTube動画やオリジナル画像を活用し、競合サイトと差別化してAI Overview(AIO)の占有率を高める方法
「記事の文字数は十分なのに、なぜか検索順位が頭打ちになってしまった……」
もしあなたが今、このような閉塞感を感じているなら、それは「テキストのみ」でのSEO対策が限界を迎えているサインかもしれません。GoogleのSGE(Search Generative Experience)をはじめとする最新の検索エンジンは、文字だけでなく、画像、動画、音声などあらゆる情報を統合して理解する「マルチモーダルAI」へと進化を遂げているからです。
私自身、あるクライアントのサイトで、テキストのリライトを一旦ストップし、「独自の検証動画」と「図解画像」を追加することにリソースを全振りしました。その結果、検索順位が動かなかったキーワードで、突如としてAI Overview(AIO)のトップに動画付きで引用され、流入数が倍増するという経験をしました。
これからのSEOは、文字を書くだけでは勝てません。AIに「視覚的な信頼性」を伝えることこそが、新たな突破口となります。この記事では、AI時代に必須となる「画像・動画の最適化戦略」について、現場の実践知を余すところなくお伝えします。
目次
1. テキスト以外の情報がAIOに与える影響
これまでのSEO対策といえば、「キーワードを網羅した高品質なテキスト」を作成することが王道でした。しかし、AI検索(AIO)の普及によって、そのルールは劇的に変わりつつあります。AIはもはや文字を読むだけのボットではありません。人間と同じように、画像を見て状況を把握し、動画を見て手順を理解することができるのです。
まず理解すべきは、SGEなどのAI検索エンジンが、回答を生成する際に「テキスト以外の情報」を極めて重視しているという事実です。なぜAIは画像や動画を求めるのでしょうか? それは、ユーザーの検索体験(UX)を向上させるために他なりません。
マルチモーダルAIが求める「情報の立体感」
例えば、「ネクタイの結び方」を検索したユーザーに対し、文字だけで「大剣を小剣の上に交差させ……」と説明しても、正直なところ伝わりにくいですよね。AIはこの「伝わりにくさ」を理解しています。だからこそ、テキストだけでなく、分かりやすい図解や動画を持っているサイトを優先的に引用し、回答として提示しようとするのです。
これを専門的には「マルチモーダル対応」と呼びます。AIにとって、テキストは情報の「骨組み」であり、画像や動画は情報の「具体性」や「証拠」です。これらが揃って初めて、「信頼性が高く、ユーザーの役に立つ情報源」として認定されるのです。
従来のSEOとAIO対策におけるメディアの扱いの違い
従来の検索エンジンと、現在のAI検索エンジンでは、画像や動画に対する評価基準が異なります。私が現場で感じている決定的な違いを以下の表にまとめました。
この表からも分かる通り、これからのコンテンツ制作では、「とりあえずフリー素材を貼っておく」という思考停止は命取りになります。AIは「この画像は他のサイトでも何万回も使われている一般的なイメージ画像だ」と見抜きます。そして、情報の価値が低いと判断し、独自の画像を使っている競合サイトを優先して表示するのです。
つまり、テキスト以外の情報をリッチにすることは、単なる装飾ではなく、「AIに選ばれるための必須条件」へと昇格したと言えるでしょう。
2. 画像検索とGoogleレンズへの対応
「検索」という行為そのものが、キーボード入力からカメラ入力へとシフトし始めています。街で見かけた花の名前を知りたいとき、雑誌に載っている服が欲しいとき、多くのユーザーがGoogleレンズを起動します。この「ビジュアル検索」の波に乗れるかどうかが、今後のトラフィック獲得における大きな分かれ目となります。
AIO対策において、画像検索への最適化は「第2の玄関」を作る作業です。通常のテキスト検索では上位表示が難しくても、画像検索であれば、競合がまだ手薄なニッチキーワードで上位を狙える可能性が高いからです。
Googleレンズが変えるユーザーの検索行動
Googleレンズを使うユーザーは、言語化できない、あるいは言語化するのが面倒なニーズを持っています。「これと同じものが欲しい」「これの使い方が知りたい」といった直感的な欲求です。
これに対応するためには、AIが画像の特徴を正確に掴めるような「クリアで目的が明確な画像」を用意する必要があります。
- 被写体を主役にする:余計な背景が写り込んでいたり、ピンぼけしていたりする写真は、AIの認識精度を下げます。商品であれば白背景でくっきりと、風景であれば主題が明確な構図を意識します。
- 複数のアングルを用意する:ユーザーがどの角度から写真を撮って検索するかは分かりません。正面だけでなく、横、裏面、使用中の様子など、多角的な画像情報を掲載することで、マッチングの確率を高めます。
- 画像のサイズと品質:高解像度であることは重要ですが、同時にモバイルでの表示速度も求められます。WebPなどの次世代フォーマットを活用し、画質を保ちつつ軽量化を図るバランス感覚が必要です。
ユーザー心理から考える「選ばれる画像」
画像検索結果にあなたの画像が表示されたとして、ユーザーがそれをクリックするかどうかは別問題です。クリック率(CTR)を高めるためには、画像自体が「情報の予告編」として機能していなければなりません。
以下の表は、テキスト検索とビジュアル検索におけるユーザー心理の違いと、求められる画像の要素を整理したものです。
特にECサイトやレビュー記事においては、「文字入りの加工画像」よりも「そのままの生写真」の方がGoogleレンズとの相性が良い傾向にあります。文字情報は後述するAlt属性や構造化データで補完し、画像そのものはAIが解析しやすいピュアな状態を保つことも、一つの戦略として有効です。
3. Alt属性とキャプションの正しい設定
「画像SEOといえばAlt属性(代替テキスト)」というのは古くから言われていることですが、AIO対策においてはその重要度がさらに増しています。なぜなら、Alt属性はAIに対して「この画像は何であるか」を説明する唯一の「プロンプト(指示書)」として機能するからです。
Googleの画像認識技術は飛躍的に向上していますが、それでも完璧ではありません。特に、抽象的な図解や、文脈に依存する写真の意味を正しく理解させるためには、テキストによる補助が不可欠です。ここをおろそかにすると、せっかくの高品質な画像も、AIにとっては「意味不明なピクセルの塊」として処理されてしまいます。
AIに伝わるAltテキストの書き方
多くの人がやりがちなミスは、Alt属性に単なるキーワードの羅列を入れたり、「画像」や「写真」といった無意味な言葉を入れたりすることです。これではAIは画像の内容を深く理解できません。
AIに評価されるAltテキストを書くためのポイントは、「電話で相手に画像の内容を説明するつもりで書く」ことです。
- NG例:
alt="カフェ コーヒー" - OK例:
alt="渋谷のカフェで提供されている、ラテアートが描かれたカプチーノとチーズケーキのセット"
このように具体的に記述することで、AIは「渋谷 カフェ」「ラテアート」「チーズケーキ」といった複数のエンティティ(実体)と画像を紐付けることができます。結果として、より幅広い検索クエリで画像が表示される可能性が高まります。
キャプションと周辺テキストの「文脈効果」
Alt属性と同じくらい重要なのが、画像の直下に表示される「キャプション(説明文)」と、画像の前後にある本文テキストです。
AIは画像を単体で見ているわけではありません。「どんな文章の中に置かれている画像なのか」という文脈を非常に重視します。
- キャプションを活用する:
<figcaption>タグなどを使い、画像の下に具体的な説明を加えます。これは読者にとっても親切ですし、画像とテキストの結びつきをAIに強く印象づけることができます。 - 本文で画像に言及する:「下の図1をご覧ください」といった指示語だけでなく、「図1に示すように、AとBには相関関係があります」と、画像の内容を本文でも言語化します。これにより、情報の重複による強調効果が生まれ、AIの理解度が深まります。
ファイル名(例:IMG_1234.jpg ではなく shibuya-cafe-latte.jpg にする)の最適化も含め、画像周りのテキスト情報は徹底的にこだわりましょう。それは、AIという目の見えないパートナーに、あなたの視覚情報をプレゼンテーションする作業なのです。
4. 動画コンテンツがSGEで表示される条件
SGE(Search Generative Experience)の大きな特徴の一つに、検索結果画面(SERPs)における動画コンテンツの積極的な表示があります。特に「How-to(方法)」や「レビュー(感想)」系のクエリでは、テキストよりも動画の方がユーザーの課題解決に適しているとAIが判断し、YouTube動画などを回答の上部に大きく表示するケースが増えています。
自社の動画がこの「SGE動画枠」に選ばれるためには、単にYouTubeにアップロードするだけでは不十分です。AIが動画の中身を解析し、「検索ユーザーの問いに対する答えが、この動画のこの部分にある」と特定できる状態にしておく必要があります。
動画の構造化と「重要な瞬間」の明示
AIは動画全体を最初から最後まで見ているわけではありません。動画内の音声データ(字幕)、タイトル、説明文、そしてチャプター(目次)情報を読み取り、必要な部分だけを抽出しています。
SGEでの露出を狙うなら、以下の施策はマストです。
- チャプター(タイムスタンプ)の設定:YouTubeの説明欄やタイムライン機能を使って、動画の内容を細かく区切ります。「02:30 〇〇の設定方法」「05:00 〇〇の注意点」のように、検索されそうなキーワードを見出しに使います。これにより、AIは「この動画の2分30秒からが、ユーザーの知りたい答えだ」とピンポイントで認識できます。
- 字幕(CC)の正確性:自動生成の字幕は誤認識が多いため、必ず手動で修正するか、正確な字幕ファイルをアップロードします。AIは字幕データを「テキストコンテンツ」として読み込み、検索クエリとの関連性を判断しています。
SGEに好かれる動画、嫌われる動画
すべての動画がSGEに表示されるわけではありません。AIが好む動画には明確な傾向があります。
特に「無言のテロップ動画」は、AIが音声解析できないため、字幕データを完璧に用意しない限り不利になります。「AIに聞かせる」つもりでナレーションを入れることも、動画SEOの重要なテクニックの一つです。
5. オリジナル画像の価値とAI評価
ここまでの内容で、画像の重要性はご理解いただけたかと思います。では、具体的に「どんな画像」を用意すればいいのでしょうか? 答えはシンプルです。「あなたしか持っていないオリジナル画像」です。
AIはウェブ上の膨大なデータを学習していますが、学習データの中に「重複している画像」が大量にあることも知っています。フリー素材サイトの「握手しているビジネスマン」の写真は、何万ものサイトで使われており、AIにとっては何の変哲もない、価値の低い情報です。一方で、あなたがスマホで撮影した「現場の泥臭い写真」は、世界に一枚しかない貴重な一次情報(Unique Data)です。
「生写真」がE-E-A-Tを爆上げする理由
Googleが重視する評価基準「E-E-A-T(経験・専門性・権威性・信頼性)」において、オリジナル画像は「経験(Experience)」を証明する最強の武器になります。
- 「やってみた」証拠になる:商品のレビュー記事で、公式サイトの綺麗な画像を貼るだけの人と、実際に開封して手に持った画像を貼る人。どちらが信頼できるでしょうか? AIも人間と同じように後者を評価します。「実際に体験した人しか撮れない写真」は、AIにとって高評価のシグナルとなります。
- 情報の鮮度を担保する:最新のイベントの様子や、リニューアル後の店舗の内装など、今この瞬間の情報を伝える写真は、古い情報を学習しているAIにとって「知識をアップデートするための重要なソース」として扱われます。
スクリーンショットやグラフも立派なオリジナル画像
「写真撮影は苦手だ」という方でも大丈夫です。カメラを使わなくてもオリジナル画像は作れます。
- 独自の検証データグラフ:ExcelやGoogleスプレッドシートで作った簡単なグラフでも、データ自体が独自のものであれば、それは価値あるオリジナル画像です。AIは画像内の数値データも読み取ることができます。
- ツールの操作画面キャプチャ:ソフトウェアやアプリの使い道を解説する際、実際の画面に赤枠や矢印で注釈を入れたスクリーンショットは、非常に有用な「図解」となります。
重要なのは、「誰かのコピーではない、自分発信の視覚情報」を提供することです。AIはコピーコンテンツを嫌いますが、オリジナルコンテンツには敬意を払い、回答の引用元として積極的に採用してくれます。今日から、記事を書く際は「文字を書く時間」と同じくらい、「独自の画像を用意する時間」を確保してみてください。
6. 図解やインフォグラフィックの活用
SGE(Search Generative Experience)やGoogleレンズなどのAI検索において、画像は単なる「挿絵」ではありません。特に、複雑な概念や数値を一枚の画像にまとめた「図解」や「インフォグラフィック」は、AIにとって最も効率的に情報を摂取できる「栄養価の高いコンテンツ」として扱われます。
私自身、文章だけで延々と解説していた「SEOのアルゴリズム変遷」という記事に、年表形式のインフォグラフィックを一枚追加しただけで、その画像がSGEのトップに引用され、記事への流入が急増した経験があります。AIは長文を読むよりも、要約された図解を好む傾向があるのです。
AIが好む図解の「構造」とは
ただし、デザインが美しければ何でも良いわけではありません。AIが理解しやすい図解には、明確なルールがあります。それは「OCR(光学文字認識)で読み取りやすいレイアウト」になっているかどうかです。
AIは画像の中に含まれている文字を読み取り、その画像のテーマを理解します。ごちゃごちゃとした手書きフォントや、背景と同化して読みにくい文字色は、AIにとってノイズでしかありません。
- コントラストを高くする:白背景に黒文字、濃紺に白文字など、文字がくっきりと浮き出る配色を選びます。淡いパステルカラー同士の組み合わせは、人間にはおしゃれに見えても、AIの認識率を下げるリスクがあります。
- 構造的なレイアウトにする:「左から右」「上から下」へと視線が流れるように配置します。矢印や番号を使って順序を明示すると、AIはそれを「手順(Step)」や「因果関係」として正しく解釈してくれます。
- キーワードを含める:図解の中にも、SEOで狙っているメインキーワードを含めます。例えば「AIO対策の仕組み」という図解なら、タイトル部分に大きくその言葉を入れることで、検索クエリとの関連性が強化されます。
Canvaなどのツールを活用した「時短」作成術
「デザイナーじゃないから作れない」と諦める必要はありません。現在はCanvaなどの無料ツールを使えば、プロ級の図解が数分で作成できます。
私が実践している、最もコスパの良い方法は「記事の見出し(H2)を図解化する」というテクニックです。
- 記事のH2見出しを書き出す。
- それぞれの要点を箇条書きにする。
- それを4分割やリスト形式のテンプレートに流し込む。
たったこれだけで、記事の内容を要約したオリジナル画像が完成します。これを記事の冒頭やまとめ部分に配置するだけで、ユーザーの滞在時間は伸び、AIからの評価も上がります。図解は「読むのが面倒」というユーザー心理と、「効率よく学習したい」というAI心理の両方を満たす、最強の武器なのです。
7. 動画内の字幕データと検索クエリ
動画SEO(VSEO)において、最も過小評価されているのが「字幕(キャプション)」の存在です。多くの人が「YouTubeの自動生成字幕があるから大丈夫」と考えていますが、AIO対策の観点では、それは大きな機会損失です。
AIは動画の映像そのものよりも、そこに含まれる「言語情報(音声・字幕)」を優先的に解析しています。つまり、字幕データこそが、動画を検索エンジンにヒットさせるための「メタデータ」そのものなのです。
自動字幕の限界と手動修正の重要性
YouTubeの自動字幕は便利ですが、専門用語や固有名詞、独特な言い回しなどは頻繁に誤変換されます。例えば、「AIO対策」が「栄養対策」と誤認識されていたらどうでしょうか? どれだけ素晴らしい解説をしていても、検索エンジンはそれを「栄養に関する動画」と判断してしまうかもしれません。
私はクライアントの動画を最適化する際、必ずSRTファイル(字幕ファイル)を手動で作成・修正してアップロードしています。これにより、狙ったキーワードを確実にAIに認識させることができます。
検索クエリを意識した「台本作り」
さらに一歩進んで、動画を撮影する前の「台本作り」の段階からSEOを意識することが重要です。ユーザーが検索しそうな「質問(クエリ)」を動画の中で実際に口に出し、それに対する「回答」を明確に述べます。
- 問いかけを入れる:「では、なぜAIO対策で画像が重要なのでしょうか?」とナレーションを入れることで、AIはその部分を「Q&Aのセクション」として認識します。
- 結論を先に言う:「結論から言うと、理由は3つあります」と宣言することで、その後の字幕データが構造化された情報として処理されやすくなります。
動画は「見るもの」であると同時に、検索エンジンにとっては「読むもの」でもあります。美しい映像を撮ること以上に、「正しい言葉」を音声と字幕に乗せることが、AIO対策における動画戦略の本質なのです。
8. マルチモーダルAIへの対策
「マルチモーダル」という言葉を頻繁に耳にするようになりましたが、これは簡単に言えば「目と耳を持ったAI」のことです。従来のAIはテキストしか理解できませんでしたが、最新のモデル(GeminiやGPT-4など)は、画像を見て「これは美味しそうなラーメンだ」、音声を聞いて「楽しそうな雰囲気だ」と理解できます。
この進化に対応するためには、私たちウェブ制作者も「テキストとビジュアルの不一致」を徹底的に排除する必要があります。
文脈の整合性が信頼を生む
例えば、「最新のスマートフォンのレビュー」という記事の中に、5年前の古い機種の画像が貼ってあったらどうでしょうか? 人間なら「画像が間違っているな」と気づきますが、マルチモーダルAIはこれを「情報の不整合(矛盾)」と捉え、ページ全体の信頼スコアを下げてしまう可能性があります。
私が記事を作成する際は、以下のチェックリストを用いて、テキストと画像の整合性を確認しています。
- 画像の被写体は本文の内容と一致しているか:「赤いドレス」について書いているのに、画像のドレスが青色だったりしませんか? 色や形、数などの細部までAIは認識しています。
- 画像の品質はサイトのブランドと合っているか:高級旅館の紹介記事なのに、画質の粗い素人が撮ったような写真では、AIが判定する「サイトの権威性」と矛盾が生じます。
- 画像内のテキスト(OCR)は正しいか:グラフの画像の数値と、本文で説明している数値が食い違っていませんか? AIは画像内の文字も読んでいるため、ここの数字がズレていると「虚偽情報(ハルシネーション)」のリスクとみなされます。
AIに見せるべき「視覚的エンティティ」
AIは画像の中から「エンティティ(実体)」を検出します。例えば、人物、場所、商品、ロゴなどです。AIO対策においては、重要なエンティティを画像の中央に、明確に配置することが重要です。
自社商品をアピールしたいなら、商品単体の写真だけでなく、パッケージ、ロゴ、使用シーンなど、AIが「これは間違いなく〇〇という商品だ」と確信を持てるだけの視覚情報を提供し続けること。これが、AIのナレッジグラフにあなたの情報を深く刻み込むための近道です。
9. 視覚的な情報で回答を補完する方法
AIO(AI Overview)は、ユーザーの質問に対して「完璧な回答」を返そうとします。しかし、世の中には言葉だけで説明するのが不可能な事象がたくさんあります。ダンスの振り付け、家具の組み立て方、料理の微妙な焼き加減などです。
ここでチャンスが生まれます。AIが「テキストでは説明しきれない」と判断した部分を、あなたの画像や動画が補うことができれば、AIにとってなくてはならない「補完パートナー」になれるのです。
「百聞は一見にしかず」を構造化する
視覚情報で回答を補完するためには、AIに対して「ここを見てください」というシグナルを送る必要があります。具体的には、テキストとメディアを密接に連携させる配置テクニックを使います。
ユーザーの「不安」を画像で解消する
検索ユーザーは常に何らかの「不安」や「疑問」を抱えています。「本当に自分にもできるかな?」「実物は安っぽくないかな?」といった不安です。
AIはユーザーの満足度(UX)を最大化したいと考えていますから、こうした不安を先回りして解消してくれる画像を高く評価します。例えば、商品のサイズ感がわかるように「500mlペットボトルと並べた写真」を載せたり、服の裏地の質感がわかる「接写画像」を載せたりする。
こうした「かゆいところに手が届く画像」こそが、AIの回答生成プロセスにおいて「この画像を使えばユーザーが納得するはずだ」と選ばれる決定打になるのです。
10. メディアファイルを含めた総合AIO
ここまで、画像と動画の個別戦略について見てきましたが、最終的にはこれらを統合し、サイト全体として「リッチで信頼性の高い情報源」を構築することがゴールとなります。
AIO対策は総力戦です。テキストが良いだけでも、画像が良いだけでも勝てません。全ての要素が高次元で噛み合ったとき、初めてAIはあなたのサイトを「第一候補」として選びます。
構造化データによる「最後の仕上げ」
素晴らしい画像や動画を用意したら、最後に必ず行うべきなのが「構造化データ(Schema Markup)」の実装です。これは、AIに対して「ここに動画があります」「ここに画像があります」と、機械が理解できる言語で直接伝える作業です。
特に動画の場合は VideoObject 、画像の場合は ImageObject というスキーマを使用します。これらを実装することで、検索結果に動画のサムネイルが表示されたり、画像のライセンス情報が表示されたりと、露出の機会が格段に増えます。
WordPressを使用している場合、「Schema Pro」や「Rank Math」などのプラグインを使えば、コードを書けなくても簡単に設定が可能です。このひと手間を惜しまないことが、競合との差を生みます。
メディアの品質管理と表示速度の両立
最後に忘れてはならないのが、Webサイトのパフォーマンス(表示速度)です。高画質な画像や動画を大量に載せれば、当然サイトは重くなります。表示速度が遅いサイトは、ユーザー体験を損なうため、Googleの評価(Core Web Vitals)が下がります。
ここで求められるのが、品質と速度のバランスを取る技術です。
- 次世代フォーマットの利用: 画像はWebPやAVIF、動画はWebMなどの軽量フォーマットを使用する。
- 遅延読み込み(Lazy Load): ファーストビュー以外の画像や動画は、スクロールしてから読み込むように設定する。
- CDNの活用: 動画などの大容量ファイルは、専用の配信サーバー(CDN)を利用して負荷を分散させる。
「リッチなコンテンツ」と「サクサク動く快適さ」。この両立を実現したサイトこそが、人間にとってもAIにとっても理想的な「次世代のWebサイト」なのです。
視覚情報でAIの信頼を勝ち取る、新しいSEOの幕開け
本記事では、AIO対策における「画像・動画の最適化」について、AIの視点から具体的な戦略を解説してきました。
これからの検索エンジン対策において、画像や動画は「あったらいいな」というオプションではなく、「なければ評価されない」必須要件へと変わります。AIは、テキスト・画像・動画を複合的に解析し、最もユーザーの役に立つ回答を生成しようとします。そのプロセスにおいて、あなたの用意したオリジナル画像や、字幕付きの解説動画が、決定的な「証拠」として採用されるのです。
読者の皆さんが明日から始めるべきアクションは、以下の2つです。
- 最もアクセスの多い記事に「オリジナルの図解」を1枚追加する:Canvaなどで見出しを要約した画像を作り、記事の冒頭かまとめに配置してください。これだけで、滞在時間とAI評価の両方が改善する可能性があります。
- YouTube動画の字幕をチェックし、キーワードを含めて修正する:自動生成のまま放置せず、検索されたいキーワードを意識した正しい字幕データをアップロードしてください。動画の中身をAIに正しく伝える第一歩です。
文字だけの世界から飛び出し、視覚情報を味方につけることで、あなたのコンテンツはより多くの人に、より深く届くようになります。AI時代の新しいSEOを、ぜひ楽しみながら実践していってください。
AIO対策の画像・動画に関するよくある質問
A. 「遅延読み込み(Lazy Load)」を使えば影響を最小限に抑えられます。
YouTubeなどの動画を埋め込む際は、専用のプラグインやスクリプトを使用して、ユーザーがクリックするまで動画データを読み込まないように設定するか、サムネイル画像だけを表示させておく手法(ファサード)が有効です。
A. はい、「オリジナリティ」があれば高く評価されます。
AIが求める品質とは、プロのような構図の美しさよりも「情報の具体性」や「独自性」です。現場の空気感が伝わる写真や、実際に使っている様子がわかる写真は、フリー素材よりも圧倒的に価値が高いと判断されます。
A. 枚数に決まりはありませんが、「H2見出しごと」を目安にしてください。
話題が変わるタイミング(H2見出し)ごとに、その内容を要約・補完する画像が1枚あると、リズム良く読むことができ、AIの文脈理解も助けます。無理に増やす必要はありません。
A. はい、ターゲット読者の言語(日本語)で具体的に書いてください。
日本向けのサイトであれば、日本語で記述するのが正解です。ファイル名は英数字が推奨されますが、Alt属性は人間(スクリーンリーダー利用者)とAIの両方に内容を伝えるための場所なので、自然な日本語で説明しましょう。

執筆者
畔栁 洋志
株式会社TROBZ 代表取締役
愛知県岡崎市出身。大学卒業後、タイ・バンコクに渡り日本人学校で3年間従事。帰国後はデジタルマーケティングのベンチャー企業に参画し、新規部署の立ち上げや事業開発に携わる。2024年に株式会社TROBZを創業しLocina MEOやフォーカスSEOをリリース。SEO検定1級保有
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