KNOWLEDGE HUB

ナレッジハブ

2025/11/8

Googleリスティング広告の教科書|検索上位に表示させ成果を出す方法

Googleリスティング広告の教科書|検索上位に表示させ成果を出す方法

「リスティング広告を始めたものの、広告費ばかりがかさみ、一向に成果(コンバージョン)に繋がらない」「管理画面を開いても、設定項目が複雑すぎて、どこから改善すればいいのか途方に暮れている」… そんな深刻な悩みを抱えていませんか? 私自身もWebマーケティング担当としてキャリアをスタートさせた当初、Googleリスティング広告の運用を任され、クリックはされるのにまったく商品が売れない、という苦い経験をしました。

その原因は、リスティング広告を「設定作業」として捉え、その裏にある「仕組み」と「戦略」を理解していなかったからに他なりません。リスティング広告(検索連動型広告)は、正しく運用すれば、ニーズが明確な「今すぐ客」に最短でアプローチできる、極めて強力なマーケティング手法です。ここでは、単なる設定方法の解説に留まらず、広告の「品質」を高め、最小のコストで最大の成果を生み出すための「本質的な考え方」と「具体的な技術」を、私の経験を交えながら徹底的に解説します。

1. リスティング広告(検索連動型広告)の仕組み

まず、Googleリスティング広告(一般に「検索連動型広告」や「PPC広告」とも呼ばれます)が、どのような仕組みで動いているのかを正確に理解することから始めましょう。

リスティング広告は、ユーザーがGoogleで特定のキーワード(例:「東京 英会話スクール」)を検索した際に、その検索結果ページの上部や下部に「広告」というラベル付きで表示されるテキスト広告のことです。

SEO(検索エンジン最適化)によるオーガニック検索(自然検索)との最大の違いは、「即効性」と「コントロール性」にあります。

  • SEO:上位表示までに時間(数ヶ月単位)がかかるが、クリックされても費用は発生しない(ストック型)。
  • リスティング広告:設定すれば「今すぐ」にでも狙ったキーワードで表示できるが、クリックされるたびに費用が発生する(フロー型)。

■ 表示順位はどう決まる? 重要な「広告オークション」

「広告費をたくさん払えば、必ず1位になれる」と思われがちですが、それは大きな誤解です。リスティング広告の掲載順位は、検索のたびに「広告オークション」という仕組みで、公平かつ瞬時に決定されています。

この順位決定の鍵を握るのが「広告ランク」というスコアです。

広告ランク = 入札単価 × 品質スコア

・入札単価:広告主が「1クリックに対して最大いくらまで支払うか」を設定した上限金額(CPC)。
・品質スコア:広告の「品質」をGoogleが評価した点数(詳細は後述)。

お気づきでしょうか。たとえ入札単価(お金)を競合より低く設定していても、広告の品質(品質スコア)が高ければ、競合よりも上位に、かつ低いクリック単価で掲載される可能性があるのです。

私が新人の頃、上司から「金にモノを言わせて入札単価を上げろ!」と指示され、CPCが1クリック3,000円に高騰し、部署の広告予算を一瞬で溶かしてしまった苦い経験があります。その失敗から学んだのは、リスティング広告は「入札単価」と「品質」の両輪で動いており、むしろ「品質」こそが長期的な成果を左右する生命線である、という事実でした。

比較項目 リスティング広告 (検索広告) SEO (オーガニック検索)
表示位置 検索結果の上部・下部 (「広告」ラベル付) 検索結果の中央部 (広告枠を除く)
費用体系 クリック課金 (PPC)。クリックされると費用発生。 クリックされても費用は発生しない (※対策費用は別途)。
即効性 非常に高い (設定・入金後すぐに表示可能)。 低い (上位表示までに数ヶ月〜1年以上かかることも)。
コントロール性 高い (キーワード、広告文、予算、時間帯など自由に調整可能)。 低い (Googleのアルゴリズムに依存する)。
主な目的 短期的な成果獲得、コンバージョン獲得、「今すぐ客」へのアプローチ。 中長期的な集客、ブランディング、潜在顧客へのアプローチ。

2. コンバージョンに繋がるキーワード選定の技術

リスティング広告の運用は、「キーワード選定」でその成果の8割が決まると言っても過言ではありません。なぜなら、キーワードは「ユーザーの検索意図(インテント)」そのものだからです。

いくら素晴らしい広告文を書いても、「コンバージョン(CV)に繋がらないキーワード」に広告を出していては、ザルで水をすくうようなものです。

キーワードは、その検索ボリュームや意図によって、大きく3つに分類できます。

  1. ビッグキーワード (例: 「英会話」)
    • 検索ボリュームは膨大ですが、検索意図が非常に曖昧です。「英会話の勉強法」を探しているのか、「英会話スクール」を探しているのか、あるいは「英会話のアプリ」を探しているのか分かりません。競合も多く、クリック単価(CPC)も高騰しがちです。
  2. ミドルキーワード (例: 「英会話 新宿」 「英会話 ビジネス」)
    • 「場所」や「目的」が加わり、少し意図が具体的になります。コンバージョンに繋がる可能性も出てきますが、まだ「比較検討」の段階である可能性が高いです。
  3. スモールキーワード (ロングテール) (例: 「英会話 新宿 マンツーマン 安い」)
    • 複数の語句が組み合わさり、検索意図が非常に明確です。「新宿にあって、マンツーマン指導で、料金が安い英会話スクール」という具体的なニーズを持っています。検索ボリュームは少ないですが、コンバージョン率(CVR)は劇的に高くなる傾向があります。

初心者の頃、私は「とにかくたくさんの人に見てもらいたい」と、ビッグキーワードである「英会話」に予算の大半を投下しました。結果、表示回数とクリック数は稼げましたが、CVRは0.1%以下。広告費を垂れ流すだけでした。

成果を出すための鉄則は、「ビッグキーワードからではなく、スモールキーワード(CVに近いキーワード)から攻める」ことです。

キーワード種類 具体例 検索ボリューム 競合の強さ コンバージョン率 (CVR) 検索意図
ビッグキーワード 「英会話」 多い 非常に強い 低い 曖昧 (情報収集)
ミドルキーワード 「英会話 新宿」 中程度 強い 中程度 具体的 (比較検討)
スモールキーワード 「英会話 新宿 マンツーマン 安い」 少ない 低い〜中 高い 非常に明確 (購買直前)

さらに、キーワードの「意図」をコントロールするために「マッチタイプ」の理解が欠かせません。これは「登録したキーワードに対し、どれくらい広い範囲の検索語句で広告を表示させるか」を決める設定です。

  • 部分一致(例: 英会話):最も範囲が広い。「英会話 勉強法」「英語 スクール」など、関連するとGoogleが判断した語句で幅広く表示。意図しない検索で表示されやすいため注意が必要。
  • フレーズ一致(例: “英会話 新宿”):語順通りに「英会話 新宿」を含む検索(例:「安い 英会話 新宿」「英会話 新宿 おすすめ」)で表示。
  • 完全一致(例: [英会話 新宿]):完全に「英会話 新宿」(または非常に類似した語句)でのみ表示。最も意図をコントロールできるが、表示回数は減る。

私は、CVRが高い「スモールキーワード」は「完全一致」で確実にCVを狙い、新しいキーワードの「発掘」や「検証」のために「フレーズ一致」「部分一致」を(除外キーワード設定とセットで)慎重に使う、という戦略を基本としています。

マッチタイプ 記法 (例) 表示される検索語句 (例) メリット デメリット / 注意点
部分一致 英会話 新宿 「英語 スクール」「新宿 語学」 最も表示機会が多い。想定外のキーワードを発掘できる。 意図しない検索で表示され、広告費が無駄になりやすい。
フレーズ一致 “英会話 新宿” 「安い 英会話 新宿」「英会話 新宿 おすすめ」 語順とキーワードを保持しつつ、ある程度の拡張性がある。 「英会話 新宿」の間に別の語句が入ると表示されにくい。
完全一致 [英会話 新宿] 「英会話 新宿」(または酷似した語句) 検索意図を最も正確にターゲティングできる。CVRが高い。 表示回数が非常に少なくなる。機会損失の可能性。
\AI時代にやるべきSEO施策/
seo-banner-img

HPからのお問い合わせを強化

今すぐ無料診断

3. 広告の品質を高める「品質スコア」とは

「広告ランク(掲載順位)= 入札単価 × 品質スコア

この方程式に出てきた「品質スコア」こそ、リスティング広告運用の「心臓部」です。

品質スコアとは、Googleが「あなたの広告(キーワード、広告文、LP)が、ユーザーの検索意図に対してどれだけ関連性があり、有益か」を評価した「1〜10」の点数です。この点数はキーワードごとに付けられます。

品質スコアが高いと、まさに「いいことずくめ」です。

  • メリット1:掲載順位が上がる
    (例)A社:入札300円 × 品質スコア 3点 = 広告ランク 900
    B社(自社):入札200円 × 品質スコア 10点 = 広告ランク 2000
    → B社は、A社より低い入札単価で、A社より上位に表示されます。
  • メリット2:クリック単価(CPC)が下がる
    品質スコアが高いと、実際に支払うクリック単価(掲載順位を維持するために必要な最低金額)が、競合より安く抑えられます。

つまり、品質スコアを高める努力こそが、広告費(CPA)を抑え、成果を最大化する(=ROIを高める)ための最も正当な王道なのです。

では、その品質スコアは何によって決まるのでしょうか? Googleは、主に以下の3つの要素で評価していると公表しています。

  1. 推定クリック率 (CTR)
    あなたの広告が、検索結果に表示された際に「どれくらいクリックされそうか」という予測値です。魅力的な広告文ほど高くなります。
  2. 広告の関連性
    「検索されたキーワード」と「あなたの広告文」が、どれだけ意味的に関連しているか。
  3. ランディングページの利便性
    広告をクリックした先のページ(LP)が、ユーザーにとって「使いやすく、有益で、関連性が高い」か。

「入札単価を上げる」のは、誰でもできる「作業」です。しかし、「品質スコアを高める」のは、ユーザーの検索意図を深く洞察し、広告文を磨き、LPを改善し続ける「戦略」と「技術」が求められます。

品質スコアの3大要素 評価のポイント 具体的な改善策
1. 推定クリック率 (CTR) 広告が表示された際、クリックされる可能性が高いか。 ・魅力的な広告文(見出し・説明文)を作成する。
・広告表示オプションを活用し、広告の占有面積を増やす。
2. 広告の関連性 検索キーワード広告文の内容が一致しているか。 ・広告文に、検索キーワード(例:「新宿」)を必ず含める。
・1つの広告グループに、関連性の低いキーワードを詰め込まない。
3. ランディングページの利便性 広告文LPの内容が一致しており、ユーザーの求める情報がすぐ見つかるか。 ・広告文とLPの訴求(例:「今なら半額」)を一致させる。
・ページの表示速度を改善する(特にスマホ)。
・CTA(申込みボタン)を分かりやすく配置する。

4. クリックされる広告文(見出し・説明文)の作り方

品質スコアの構成要素である「推定クリック率(CTR)」と「広告の関連性」に最も大きく影響するのが、広告文(見出し・説明文)です。

ユーザーは検索結果画面で、複数の広告やオーガニック検索の結果を「瞬時に」比較検討しています。その中で「お、これは自分のための情報だ」と指を止めてもらい、クリックしてもらう必要があります。

現在は、複数の「見出し(15個まで)」と「説明文(4個まで)」を登録すると、Googleがそれらを最適に組み合わせて表示する「レスポンシブ検索広告」が主流です。

私が広告文を作成する際に、必ず意識している「CTRを高める」テクニックは以下の通りです。

  • 1. 検索キーワードを必ず含める(特に見出し1)
    これは「広告の関連性」を高めるための絶対条件です。ユーザーは「自分が検索したキーワード」が広告文に含まれていると、瞬時に「関連性が高い」と認識し、安心します。
  • 2. 具体的な「数字」を入れる
    (NG)「満足度が高い」 → (OK)「満足度98.7%」
    (NG)「安い」 → (OK)「月額5,000円〜」
    数字は、具体性(リアリティ)と客観性(信頼性)を一瞬で伝えます。
  • 3. 権威性・実績を示す
    「導入実績No.1」「創業50年」「〇〇賞受賞」など、競合ではなく「あなたを選ぶ理由」を明確にします。
  • 4. 緊急性・限定性を訴求する
    「本日限定」「先着10名様」「今すぐ無料診断」など、「今、行動すべき理由」を提示し、クリックを後押しします。
  • 5. ユーザーの「ベネフィット」を訴求する
    (機能)「高性能なドリル」 → (ベネフィット)「誰でも簡単に、美しい穴が開けられる」
    ユーザーが欲しいのは「商品」ではなく、「その商品が解決してくれる未来(ベネフィット)」です。
  • 6. 行動喚起(CTA)を明確にする
    広告文の最後は、「公式ページはこちら」「まずは無料相談」「資料請求」など、ユーザーに「次にしてほしい行動」を明確に指示して締めくくります。
訴求テクニック (NG)具体性に欠ける広告文 (OK)クリックされる広告文 ポイント
キーワード挿入 東京で学ぶ英会話 英会話スクールなら新宿駅近 検索キーワード「英会話スクール」を含める。
数字 多くの人が満足 顧客満足度98%突破 具体的な数字で信頼性を高める。
権威性・実績 人気のサービス 導入実績500社以上 客観的な実績で安心感を与える。
緊急性・限定性 キャンペーン実施中 本日23:59まで!入会金無料 「今」クリックする理由を作る。
ベネフィット 高品質なレッスン 3ヶ月でビジネス英語が話せる 得られる「未来」を具体的に示す。
CTA(行動喚起) (特になし) 今すぐ無料体験に申込む 次に取るべきアクションを明確にする。

5. 広告表示オプションを使いこなしCTRを改善

広告文(見出し・説明文)は「本体」ですが、その効果を最大化するために必須なのが「広告表示オプション(アセット)」です。

これは、広告文本体に「追加で」情報を付加できる機能です。例えば、広告文の下に「料金プラン」「アクセス」「お客様の声」といった、クリック可能な別のリンク(サイトリンク)を表示させたり、「送料無料」「24時間サポート」といった「強み」(コールアウト)を追記したりできます。

広告表示オプションを設定するメリットは計り知れません。

  • 1. 広告の「占有面積」が広がり、視認性が劇的に向上する
    広告文だけの場合と、下にサイトリンクやコールアウトが4行追加された場合とでは、検索結果画面での「目立ち方」が全く違います。
  • 2. CTR(クリック率)が向上する
    目立つだけでなく、ユーザーが求めているかもしれない「料金」や「アクセス」といった情報への入り口を先に提示できるため、クリック率の改善に直結します。
  • 3. 品質スコアの向上に寄与する
    Googleは、広告表示オプションの設定を「推奨」しています。これらを適切に設定することで、「推定CTR」の評価が上がり、結果として品質スコアの向上にも繋がります。

私がリスティング広告のコンサルティングに入る際、まず確認するのがこの「広告表示オプション」です。驚くべきことに、多くの「成果が出ていない」アカウントでは、この設定が全く行われていないか、不十分なケースがほとんどです。

広告表示オプションの設定は「無料」で、かつ「即座に」CTR改善に貢献する、最強の施策です。設定しない理由はありません。

主要な広告表示オプション 表示内容 / 機能 期待できる効果 / 活用シーン
サイトリンク表示オプション 広告文の下に、別のページへのリンク(例:「料金」「事例」「アクセス」)を表示する。 広告の占有面積が最大化する。ユーザーを目的のページに直接誘導できる。(最重要)
コールアウト表示オプション 自社の「強み」や「特徴」(例:「送料無料」「24時間受付」「実績No.1」)を短いテキストで追記する。 クリックできないテキスト。広告文で伝えきれない「強み」を補足し、信頼性を高める。
構造化スニペット 特定の「カテゴリ」に対する「項目」をリスト表示する(例:「サービス:〇〇, ××, △△」)。 商品やサービスの「ラインナップ」を具体的に示すことで、ユーザーの理解を助ける。
電話番号表示オプション (スマホで)広告に電話番号を表示し、タップで発信できるようにする。 「今すぐ電話したい」(例:飲食店、緊急の水道修理)といったニーズに即応できる。
住所表示オプション 広告に店舗の住所や地図を表示する。 店舗ビジネス(MEO)と非常に相性が良い。「〇〇(地域名)+ ××(業種)」の検索に強い。
価格表示オプション 商品やサービスの価格をリスト形式で表示する。 事前に価格を明示することで、価格帯の合うユーザーだけをLPに誘導できる。
\Googleマップの店舗管理・MEO対策/
meo-banner-img

locina-meo-img

Googleマップの店舗管理・MEO対策

今すぐ無料診断

6. 効果的なランディングページ(LP)の条件

さて、渾身のキーワード選定と広告文で、ユーザーにクリックしてもらうことに成功しました。しかし、ここで勝負は終わりません。むしろ、ここからが本番です。

広告をクリックしたユーザーが「最初に着地するページ」、それが「ランディングページ(LP)」です。

「クリックはされるのに、コンバージョン(申込み・購入)に全く繋がらない…」

この問題の99%は、LPに原因があります

そして、リスティング広告の成果を左右するLPの条件は、デザインの美しさ以前に、たった一つ、「広告との一貫性」です。

ユーザーは「広告文(見出し・説明文)」を見て、「こんな情報があるに違いない」と期待してLPに訪問します。

  • (広告文)「英会話 新宿 マンツーマン 月額1万円
    → (期待)LPを開いたら、すぐに「マンツーマン」で「月額1万円」の情報が目に入ってくるはずだ。

この時、LPが「会社のトップページ」だったり、「グループレッスン」の案内ばかりだったり、「月額1万円」のプランがどこにも見当たらなかったりしたらどうでしょう?

ユーザーは「だまされた」「探すのが面倒だ」と感じ、0.5秒で離脱します

これは、品質スコアの3大要素の一つである「ランディングページの利便性」が「低い」とGoogleに評価される最悪のパターンです。品質スコアは下がり、広告ランクは落ち、CPCは高騰する…という悪循環に陥ります。

私がクライアントのLPを改善する際、まず行うのは「広告グループ(=キーワードの意図)ごとに、専用のLP(あるいはLP内のファーストビュー)を用意する」ことです。

【CVRを高めるLPの条件】

  1. 広告文との一貫性(最重要)
    広告文で使った「キーワード」と「訴求(例:今なら半額)」が、LPのファーストビュー(開いて最初に見える画面)に、同じ言葉で存在していること。
  2. 明確なベネフィットとCTA
    ファーストビューで「誰の(ターゲット)」「どんな悩みを(課題)」「どう解決できるか(ベネフィット)」が瞬時にわかり、その解決策である「CTA(コンバージョンボタン)」(例:「今すぐ無料体験を申込む」)が目立つ色で、押しやすい位置にあること。
  3. 信頼性の担保
    「お客様の声」「導入事例」「メディア掲載実績」など、第三者からの評価を提示し、不安を取り除くこと。
  4. 高速なページ表示速度
    特にスマートフォンにおいて、ページの読み込みが遅いのは致命的です。3秒以上かかると、半数以上のユーザーが離脱すると言われています。

7. 除外キーワード設定で無駄な広告費を削減

リスティング広告の運用は、「どのキーワードで広告を出すか(=キーワード選定)」という「攻め」の側面と、「どのキーワードで広告を出さないか(=除外キーワード設定)」という「守り」の側面があります。

除外キーワードとは、その名の通り、「この語句が検索クエリに含まれていたら、広告を表示しないでください」とGoogleに指示する設定です。

なぜこの「守り」が重要なのでしょうか?

特に、キーワードのマッチタイプで「部分一致」や「フレーズ一致」を使っていると、広告主が意図しない「コンバージョンに絶対繋がらない検索」でも広告が表示され、クリックされてしまう(=無駄な広告費が発生する)リスクが常にあります。

(例)「英会話スクール」を(部分一致)で登録していた場合…

  • 「英会話スクール 無料
  • 「英会話スクール 求人
  • 「英会話スクール 独学
  • 「英会話スクール とは

これらは、有料のスクールを探しているユーザーではありません。このような検索で広告費を使っても、成果はゼロです。

私が担当したあるクライアント(BtoBのSaaSツール提供企業)では、検索語句レポートを見たら「〇〇(ツール名) 中古」や「〇〇(ツール名) 使い方」「〇〇(ツール名) ログイン」といった、既存ユーザーや見込みのない検索で、月間5万円以上もの広告費が無駄にクリックされていました。

すぐに「中古」「使い方」「ログイン」などを除外キーワードに設定したところ、広告費は変わらないのに、CPA(顧客獲得単価)が30%も改善しました。

■ 無駄なクリックの見つけ方:「検索語句レポート」

では、どうやってこれらの「無駄な検索」を見つけるのか。

Google広告の管理画面にある「検索語句レポート」([キーワード] > [検索語句])を必ず確認してください。ここには、「広告主が登録したキーワード」ではなく、「ユーザーが“実際に”検索し、広告が表示・クリックされた“生”の検索クエリ」が一覧で表示されます。

このレポートを最低でも週に1回はチェックし、「これはウチの顧客じゃないな」と思う語句を見つけたら、その場で「除外キーワードとして追加」する。

この地道な「雑草抜き」こそが、広告費の「穴」を塞ぎ、費用対効果を劇的に改善させる、プロの運用担当者が必ず行っている作業なのです。

8. 成果を最大化する入札戦略の選び方

リスティング広告の運用において、広告費の「使い方」をAI(Googleの機械学習)にどう任せるかを決めるのが「入札戦略」です。

かつては、キーワードごとに「CPC 100円」などと手動で設定する「手動入札」が主流でしたが、現在はGoogleのAIがオークションごと(検索のたび)に最適な入札単価を自動で調整してくれる「自動入札」が主流です。

ただし、「自動」といっても、広告主が「目的」をAIに正しく伝えないと、AIはその能力を発揮できません。

(よくある失敗)
広告を始めたばかりで、コンバージョン(CV)のデータが全く溜まっていないのに、「目標コンバージョン単価(tCPA)5,000円」という戦略を選んでしまう。
→ AIは「5,000円でCVが取れるパターン」が学習できていないため、広告の表示を極端に抑制してしまい、結果、全く広告が表示されなくなる。

これは、私が新人の頃に陥った典型的な罠です。「目標CPAを設定すれば、AIが勝手にその単価でCVを取ってきてくれる」と夢見たのですが、現実は「データ(エサ)を与えなければ、AIは動けない」というものでした。

成果を出すための入札戦略は、アカウントの「フェーズ(習熟度)」に合わせて使い分ける必要があります。

主な自動入札戦略 AIの目的 推奨フェーズ / 活用シーン
クリック数の最大化 設定した予算内で、クリック数を最大化する。 【導入初期】
まずはサイトへのアクセスを集めたい時。CVデータが全くない時。
コンバージョン数の最大化 設定した予算内で、CV数を最大化する。 【運用中期】
CVデータが溜まり始めたフェーズ。予算内でCV数を最大化したい時。(最も使いやすい)
目標コンバージョン単価 (tCPA) 設定した目標CPA(例:5,000円)になるべく近づくようにCV数を最大化する。 【運用後期】
CVデータが十分に(例:月50件以上)安定して取れている時。CPAを厳密にコントロールしたい時。
コンバージョン値の最大化 設定した予算内で、売上(CV値)を最大化する。 【運用中期〜】
ECサイトなど、CVごとに「売上金額」が異なる場合に有効。
目標広告費用対効果 (tROAS) 設定した目標ROAS(例:500%)を達成するようにCV値を最大化する。 【運用後期】
CV値のデータが十分に溜まっており、CPAではなく「ROAS(費用対効果)」を最重要視する場合。

まずは「クリック数の最大化」(または「コンバージョン数の最大化」)でCVデータをAIに学習させ、アカウントが成熟してきたら「目標コンバージョン単価(tCPA)」「目標広告費用対効果(tROAS)」に移行する、というのが王道のステップです。

\AI時代にやるべきSEO施策/
seo-banner-img

HPからのお問い合わせを強化

今すぐ無料診断

9. リスティング広告の費用対効果(ROAS)の測定

広告の成果、何で測っていますか?

多くの担当者が「CPA(Cost Per Action/Acquisition:顧客獲得単価)」を指標にしていると思います。

  • CPA = 広告費 ÷ コンバージョン数
  • (例)広告費100万円 ÷ CV 200件 = CPA 5,000円

「CPA 5,000円」は、目標(例:目標CPA 6,000円)を下回っていれば「良い成果」と言えるでしょう。

しかし、本当にそうでしょうか?

もし、そのCV(200件)の内訳が、「1,000円の商品」が100件、「8,000円の商品」が100件だったらどうでしょう。

  • 1,000円の商品(CPA 5,000円)→ 4,000円の赤字
  • 8,000円の商品(CPA 5,000円)→ 3,000円の黒字

CPAだけを見ていると、「1,000円の商品」を売るために「5,000円の広告費」をかけるという、「売れば売るほど赤字」の状態に気づけない危険性があります。

特にECサイトや、複数の価格帯の商品を扱うビジネスにおいて、CPAと並行して(あるいはそれ以上に)重要視すべき指標が「ROAS(Return On Advertising Spend:広告費用対効果)」です。

  • ROAS = 売上 ÷ 広告費 × 100 (%)
  • (例)売上 300万円 ÷ 広告費 100万円 × 100 = ROAS 300%

ROASは、「使った広告費に対して、何倍の“売上”を生み出せたか」を測る指標です。

(先ほどの例)
広告費100万円。
売上 = (1,000円 × 100件) + (8,000円 × 100件) = 10万 + 80万 = 90万円。
ROAS = 90万円 ÷ 100万円 × 100 = 90%

ROAS 90%ということは、「100円の広告費で90円の売上」しか生んでいない、つまり「赤字」であることが一目瞭然になります。

ROASを計測するには、Google広告のコンバージョンタグで「売上金額(コンバージョン値)」を正しく計測できるように設定する必要があります。

CPA(獲得件数)を追うべきか、ROAS(売上)を追うべきか。これは自社のビジネスモデルによって異なりますが、「CPAは安いのに利益が出ない」というジレンマに陥った時は、必ずROASの視点で見直してください。

10. 競合に勝つためのリサーチと分析

リスティング広告の運用は、自社のアカウント(管理画面)だけを見ていても、やがて限界がきます。なぜなら、ユーザーは常に「競合」と比較しているからです。

自社が「高品質で安い」と思っていても、競合が「もっと安く、もっと手厚いサポート」を広告文で訴求していたら、ユーザーはそちらをクリックします。

成果を出し続けるためには、定期的に「競合が何をしているか」をリサーチし、自社の戦略にフィードバックするプロセスが欠かせません。

■ 何をリサーチするのか?

  1. 競合の「出稿キーワード」
    自社が狙っているメインキーワード(例:「英会話 新宿」)で、実際に出稿している競合はどこか。自社が見逃している「お宝キーワード」(例:「ビジネス英語 短期集中」)で競合が出稿していないか、などをツールを使って調査します。
  2. 競合の「広告文」
    競合は、どんな「強み(USP)」を訴求しているか。「価格」か「品質」か「サポート体制」か。「今月限定」「無料」などのキャンペーンを打っていないか。自社の広告文が見劣りしていないかを比較します。
  3. 競合の「ランディングページ(LP)」
    競合のLPは、どんなデザインか。ファーストビューで何を訴求しているか。オファー(例:無料体験、割引)は魅力的か。自社のLPが「比較負け」していないか、客観的に分析します。

■ 「オークションの分析」レポートの活用

Google広告の管理画面内にある「オークションの分析」レポートは、非常に強力な競合分析ツールです。

ここでは、自社が出稿しているキーワードにおいて、

  • どの競合(ドメイン)が参加しているか
  • インプレッションシェア:広告が表示される可能性があった回数のうち、実際に表示された割合(=市場でのシェア)
  • 優位表示シェア:自社の広告が、競合の広告よりも「上」に表示された割合
  • 重複率:自社と競合が、同時に広告表示された割合

などが全て数値で丸裸にされます。

私がよくやるのは、「インプレッションシェアは高い(よく表示される)のに、優位表示シェアが低い(競合に負けている)」キーワードを見つけることです。これは、品質スコアか入札単価が競合に負けていることを示しており、最優先でテコ入れ(広告文やLPの改善)が必要な「伸びしろ」のサインだからです。

リスティング広告は、閉じた世界での「設定作業」ではありません。常に競合と比較される「市場」での「相対評価」であることを忘れてはいけません。

リスティング広告運用の本質は「地道な改善の継続」

Googleリスティング広告で成果を出すための「教科書」として、その仕組みからキーワード選定、品質スコア、広告文、LP、そして競合分析まで、10の重要なステップを解説してきました。

重要なのは、リスティング広告は「一度設定したら終わり」の魔法のツールではない、ということです。それは、ユーザーのニーズ競合の戦略という、常に変化し続ける市場の中で、「広告の品質」を問い続ける、終わりなき「改善活動」そのものです。キーワード選定、広告文、LP、入札戦略、これら全てが連動しており、一つを改善すれば、品質スコアを通じて全体が良化していく。この「最適化のサイクル」を回し続けることこそが、リスティング広告運用の本質です。

この長い記事を最後まで読んでくださったあなたが、明日から実践できる具体的なアクションを2つ提案します。

  1. まずは、自社のアカウントの「検索語句レポート」を開き、無駄なクリックを生んでいる(と推測される)語句を5つ見つけ、「除外キーワード」に設定してみてください。
  2. 次に、最も予算を使っているキャンペーンの、主要なキーワードの「品質スコア(1-10)」を確認してください。もしスコアが「5」以下であれば、その原因が「推定CTR」「広告の関連性」「LPの利便性」のどれにあるのか(「平均以下」と評価されています)を確認し、改善の仮説を立ててみてください。

広告費を「浪費」から「投資」に変える鍵は、データに基づいた地道な仮説検証と、ユーザーの検索意図に寄り添う「品質」の追求に他なりません。

avatar

執筆者

株式会社TROBZ 代表取締役

愛知県岡崎市出身。大学卒業後、タイ・バンコクに渡り日本人学校で3年間従事。帰国後はデジタルマーケティングのベンチャー企業に参画し、新規部署の立ち上げや事業開発に携わる。2024年に株式会社TROBZを創業しLocina MEOやフォーカスSEOをリリース。SEO検定1級保有

NEXT

SERVICE

サービス

こちらから