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2025/5/17
なぜあなたのサイトは集客できない?成功するホームページ制作の共通点
「時間も費用もかけて立派なホームページを作ったのに、全く問い合わせが来ない」「アクセス数が一向に増えず、ただ存在しているだけになっている」。多くの企業担当者が、このような深刻な悩みを抱えています。ウェブサイトは、もはや持っているだけでは意味をなさず、**集客という「成果」**を出して初めて、その真価を発揮します。
集客できないサイトには、必ず共通した「失敗の理由」が存在します。逆に、成功しているサイトには、業種やデザインを問わず、普遍的な「成功の共通点」があります。もしあなたが自社サイトの現状に課題を感じているなら、それはデザインや技術の問題ではなく、もっと本質的な部分に原因があるのかもしれません。
本記事では、集客できないホームページに共通する7つの「病」を解き明かし、成功事例から学ぶべきユーザーファーストの設計思想、そして継続的に成果を出し続けるための改善プロセスまでを、徹底的に解説します。
目次
1. 目的・ターゲットが曖昧なサイトの末路
集客に失敗するサイトの最も根源的な原因は、「誰に、何を伝え、どうなってほしいのか」という目的とターゲットが曖昧なことです。
- 目的の曖昧さ: 「とりあえず会社のパンフレット代わりに」「競合も持っているから」といった動機で制作されたサイトは、ゴールが不明確です。問い合わせが欲しいのか、商品を売りたいのか、ブランディングがしたいのか。目的が定まっていなければ、サイトの構造もコンテンツもデザインも、全てが中途半端になります。
- ターゲットの曖昧さ: 「全ての人」をターゲットにしたサイトは、結局誰の心にも響きません。自社の製品やサービスを本当に必要としているのはどんな人物か(年齢、性別、職業、悩みなど)を具体的に描けていないと、メッセージはぼやけ、誰にも「自分ごと」として捉えてもらえません。
【末路】 目的とターゲットが曖昧なサイトは、羅針盤を持たずに航海に出る船と同じです。どこにもたどり着けず、ただインターネットの海を漂うだけの存在となってしまいます。
2. デザイン性ばかり重視して失敗するケース
見た目の美しさや、派手なアニメーションにこだわりすぎるあまり、ユーザーにとっての「使いやすさ」を犠牲にしてしまうケースも少なくありません。
- 過剰なデザインの弊害:
- 表示速度の低下: 高解像度の画像や複雑なアニメーションを多用すると、ページの読み込みが遅くなります。ユーザーはわずか数秒の遅れでもストレスを感じ、ページが完全に表示される前に離脱してしまいます。
- 情報の分かりにくさ: デザインを優先するあまり、どこに何の情報があるのか直感的に分からないサイトは、ユーザーを混乱させます。ナビゲーションメニューが独特すぎたり、文字が小さすぎたりするのも同様です。
- 本来の目的の阻害: 例えば、問い合わせてほしいのに、デザインに凝りすぎてお問い合わせボタンがどこにあるか分からない、といった本末転倒な事態を招きます。
【末路】 見た目は美術館のように美しくても、案内板のない迷路のようなサイトは、ユーザーを疲れさせ、早々に立ち去られてしまいます。デザインは、あくまで情報を分かりやすく伝え、目的達成をサポートするための手段であるべきです。
3. スマートフォンで見にくいサイトは離脱される
2025年現在、ウェブサイトへのアクセスの大半は、PCではなくスマートフォンからです。にもかかわらず、未だにPCでの見栄えしか考慮されていないサイトが存在します。
- スマホ対応が不十分なサイトの特徴:
- PCサイトをそのまま縮小表示しただけで、文字が小さすぎて読めない。
- ボタンやリンクが小さく、タップしにくい。
- 画像の表示崩れや、画面からはみ出すコンテンツがある。
- ページの表示がPCに比べて極端に遅い。
Googleは、検索順位を決定する際にスマートフォン版のサイトを主に見る**「モバイルファーストインデックス」**を完全に導入しています。スマートフォンで見にくいサイトは、ユーザーから見放されるだけでなく、SEO評価の面でも致命的なハンデを負うことになるのです。
【末路】 スマートフォンユーザーという、最も大きな顧客層を自ら締め出している状態です。お店のドアが半分しか開いていないようなもので、機会損失は計り知れません。
4. 企業の強みや魅力が伝わらないコンテンツ
ユーザーは、「この会社は何をしてくれるのか?」「他社と何が違うのか?」「自分にどんなメリットがあるのか?」を知りたくて、あなたのサイトを訪れます。その問いに、コンテンツは明確に答えられているでしょうか。
- 伝わらないコンテンツの例:
- どこかで聞いたような一般的な説明ばかりで、その会社ならではの強みやこだわりが語られていない。
- 専門用語が多く、ターゲット顧客に理解できない。
- 「高品質」「最高のサービス」といった抽象的な言葉ばかりで、その根拠となる具体的な事例やデータが示されていない。
「なぜ、お客様は競合他社ではなく、あなたを選ぶべきなのか?」。この問いに対する説得力のある答え(=UVP: Unique Value Proposition)を、具体的な言葉で伝えられなければ、ユーザーの心を動かすことはできません。
【末路】 無個性で退屈な店には、誰も惹かれません。ユーザーはすぐにブラウザを閉じ、より魅力的な情報を提供してくれる競合サイトへと去っていくでしょう。
5. 情報が古いままで更新されていない
ホームページに掲載されている情報が、数年前のもので止まっていたら、ユーザーはどう感じるでしょうか。
- 更新が止まったサイトが与える印象:
- 「この会社は、今もちゃんと活動しているのだろうか?」という不信感。
- お知らせに掲載されている最新ニュースが2年前のものであれば、活気のない会社だと思われてしまう。
- 営業時間や料金といった重要情報が古いままでは、顧客に直接的な不利益を与え、トラブルの原因となる。
また、情報の鮮度はSEOにおいても重要な要素です。Googleは、定期的かつ継続的に、質の高い情報を発信しているサイトを高く評価します。長期間更新が止まっているサイトは、ユーザーからも検索エンジンからも「放置されたサイト」と見なされてしまうのです。
【末路】 蜘蛛の巣が張ったショーウィンドウと同じです。顧客は寄り付かず、企業の信頼性も徐々に失われていきます。
6. SEOの基本が押さえられていないホームページ制作
SEO(検索エンジン最適化)は、専門的で難しいものだと思われがちですが、抑えるべき「基本」があります。この基本設計ができていないと、どれだけ良いコンテンツを作っても、検索エンジンに正しく評価されず、誰にも見つけてもらえません。
- 見落とされがちなSEOの基本:
- 適切なページタイトル: 各ページの<title>タグが、そのページの内容を的確に表す、具体的で魅力的なものになっていない。(例:「トップページ」ではなく「〇〇で選ばれるホームページ制作会社|株式会社△△」)
- 見出し構造の無視: <h1> <h2>といった見出しタグが、文章の論理的な構造を無視して、デザインのためだけに使われている。
- 画像のalt属性が未設定: 画像が表示されなかった時代わりに表示されるテキスト(alt属性)が設定されておらず、検索エンジンが画像の内容を理解できない。
- サイトマップの未送信: サイトの設計図であるXMLサイトマップが、Googleに送信されていない。
【末路】 どんなに素晴らしいお店でも、地図に載っていなければ、誰もたどり着けません。SEOの基本ができていないサイトは、インターネット上で存在しないのも同然です。
7. 問い合わせまでの導線が複雑すぎる
サイトを訪れたユーザーが、あなたのサービスに興味を持ったとしても、その先の「行動」への道筋が分かりにくければ、最終的な成果には繋がりません。
- ユーザーを行動させない「壁」:
- CTA(行動喚起)が不明確: 「詳しくはこちら」「今すぐ問い合わせる」といった、ユーザーに次にしてほしい行動を促すボタンやリンクがない、または目立たない。
- 問い合わせフォームが見つけにくい: ナビゲーションメニューのどこを見れば良いか分からない。
- フォームの入力項目が多すぎる: 必要以上に多くの個人情報を求められ、ユーザーが途中で入力を諦めてしまう。
- 電話番号がタップできない: スマートフォンで閲覧しているのに、電話番号がただのテキストで、タップしても発信できない。
【末路】 商品をレジまで持ってきたのに、店員が誰もいない、あるいはレジの使い方が複雑すぎる状態です。あと一歩のところで見込み客を逃し続けてしまいます。
8. 成功事例に学ぶユーザーファーストな設計
では、成功しているホームページは何が違うのでしょうか。その共通点は、徹頭徹尾**「ユーザーファースト(利用者第一)」**で設計されていることです。
- 成功サイトの設計思想:
- ユーザーの「知りたい」に即座に答える: サイトを訪れたユーザーが、最も知りたいであろう情報(自社の強み、サービス内容、料金など)が、トップページの最も目立つ場所に分かりやすく配置されています。
- ストレスフリーな体験: 表示速度が速く、どのデバイスで見ても快適で、迷うことなく目的のページにたどり着ける直感的なナビゲーションを備えています。
- 次の行動が明確: 各ページのゴールが明確であり、「次に何をすれば良いか」を示すCTAが最適な場所に設置されています。
成功事例を分析する際は、デザインの美しさだけでなく、**「なぜこの場所にこのボタンがあるのか」「なぜこの見出しなのか」**といった、ユーザーをゴールに導くための戦略的な設計意図を読み解くことが重要です。
9. 効果測定と改善を繰り返す重要性
ホームページは「公開したら終わり」ではありません。むしろ、公開してからが本当のスタートです。集客できるサイトは、必ず**「効果測定」と「改善」**のサイクルを回し続けています。
- PDCAサイクルの実践:
- Plan(計画): サイトの目的・KPIを再確認し、改善のための仮説を立てる。(例:「このページの直帰率が高いのは、魅力的な導入文がないからではないか?」)
- Do(実行): 仮説に基づき、コンテンツの修正やデザインの変更といった施策を実行する。
- Check(評価): Google Analyticsなどのツールを使い、施策実行後のデータを分析。仮説が正しかったかを客観的に評価する。
- Act(改善): 評価に基づき、施策を本格導入するか、あるいは新たな仮説を立てて次のサイクルに進むかを決定する。
この地道な改善の繰り返しこそが、サイトを常に最適な状態に保ち、集客力を継続的に高めていく唯一の方法です。
10. 集客を成功させるホームページ制作の秘訣
これまでの失敗例と成功例を踏まえ、集客を成功させるホームページ制作の秘訣をまとめます。
それは、**「明確な戦略のもと、ユーザーの課題解決に徹し、その体験を技術で支え、データで改善し続けること」**です。
- 戦略を立てる: 誰に、何を伝え、どう動いてほしいのか。全ての設計の土台となる目的を明確にする。
- 価値を伝える: ユーザーの視点に立ち、自社の強みや魅力を、具体的で分かりやすいコンテンツで伝える。
- 体験を設計する: ユーザーがストレスなく、快適に目的を達成できる、直感的で分かりやすいサイト構造とデザインを追求する(UX/UI)。
- 技術で支える: スマートフォン対応、高速化、SEOの基本設定といった、サイトの土台となる技術的要件を確実に満たす。
- 改善を続ける: 公開後もデータを分析し、仮説検証のサイクルを回して、サイトを「育てて」いく。
まとめ
あなたのサイトが集客できていないとしたら、それは本記事で挙げた「病」のいずれか、あるいは複数に当てはまっている可能性が高いでしょう。しかし、悲観する必要はありません。原因が分かれば、正しい処方箋(対策)を打つことができます。
集客の成功は、魔法のような裏技によってもたらされるものではありません。ユーザーと真摯に向き合い、彼らのための価値を創造し続けるという、地道で本質的な活動の先にこそ、待っています。まずは自社のサイトが抱える課題を直視し、改善への一歩を踏み出すことから始めてみましょう。
執筆者
畔栁 洋志
株式会社TROBZ 代表取締役
愛知県岡崎市出身。大学卒業後、タイ・バンコクに渡り日本人学校で3年間従事。帰国後はデジタルマーケティングのベンチャー企業に参画し、新規部署の立ち上げや事業開発に携わる。2024年に株式会社TROBZを創業しLocina MEOやフォーカスSEOをリリース。SEO検定1級保有
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