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2025/5/11
【種類別】ホームページ制作の料金相場と費用を左右する要因
「ホームページを作りたいけれど、一体いくらかかるのだろう?」これは、多くの企業担当者や個人事業主が抱く、最初のそして最大の疑問です。見積もりを取ってみると、制作会社によって提示される金額が数十万、時には数百万円も異なり、何が適正価格なのか分からなくなってしまうことも少なくありません。
ホームページ制作の費用は、決まった定価があるわけではなく、サイトの種類、規模、機能、そしてデザインの質など、様々な要因が複雑に絡み合って決まります。価格の安さだけで選んでしまっては、目的を達成できない「安物買いの銭失い」になりかねません。
本記事では、ホームページ制作の料金相場をサイトの種類別に徹底解説するとともに、費用を左右する要因や、保守・管理費といった公開後のコストまで、お金にまつわる全てを網羅します。この記事を読めば、あなたは見積書の内訳を正しく理解し、自社の目的達成に最適な「価値ある投資」としてのホームページ制作を実現できるでしょう。
目次
1. 小規模なコーポレートサイトの費用感
企業の「名刺代わり」となる、基本的なコーポレートサイトの制作費用です。
【費用相場:30万円~80万円】
この価格帯は、主に中小企業や個人事業主が初めてホームページを持つ場合に最も一般的なボリュームゾーンです。
- 主なページ構成(5~10ページ程度):
- トップページ
- 会社概要
- 事業・サービス紹介
- 実績紹介
- お知らせ(ブログ機能)
- お問い合わせフォーム
- 含まれる内容:
- オリジナルデザイン(テンプレートではない)
- スマートフォン対応(レスポンシブデザイン)
- 基本的な内部SEO対策
- WordPressなどのCMS(コンテンツ管理システム)導入
会社の信頼性を示し、事業内容を的確に伝えるための基本的な機能が網羅されています。まずはここからスタートし、事業の成長に合わせて拡張していくのが良いでしょう。
2. 採用活動を目的としたリクルートサイトの相場
求人媒体に頼るだけでなく、自社で魅力的な人材を獲得するために、採用に特化したサイトの重要性が高まっています。
【費用相場:80万円~200万円】
一般的なコーポレートサイトよりも高額になる傾向があります。これは、単なる情報掲載だけでなく、企業の魅力や文化を伝え、求職者の心を動かすための特別なコンテンツや機能が必要になるためです。
- 費用を押し上げる要因:
- 社員インタビューページ: 複数の社員へのインタビュー、ライティング、写真撮影など、コンテンツ制作に工数がかかります。
- エントリーフォームのカスタマイズ: 応募者情報を管理しやすいように、入力項目をカスタマイズしたり、外部の採用管理システムと連携させたりする場合。
- 写真・動画コンテンツ: 働く環境や社員の表情をリアルに伝えるための、プロによる写真や動画の撮影。
- コンセプト設計・ブランディング: 企業の魅力を最大限に引き出すための、綿密なコンセプト設計やキャッチコピー開発。
3. ECサイト構築にかかる費用と機能
オンラインで商品を販売するためのECサイト(ネットショップ)は、その構築方法によって費用が大きく異なります。
- ASPカート(BASE、STORESなど):
- 費用相場: 初期費用0円~数万円 + 月額数千円~
- 手軽に始められるが、デザインや機能のカスタマイズ性は低い。小規模な個人店向け。
- オープンソース(EC-CUBEなど) / クラウドEC(Shopifyなど):
- 費用相場: 100万円~500万円
- デザインの自由度が高く、機能拡張も可能。本格的なネットショップ運営を目指す中小企業以上に適しています。
- フルスクラッチ開発:
- 費用相場: 500万円~数千万円
- 既存のシステムを使わず、ゼロから完全にオリジナルのECサイトを構築。大規模な在庫管理や、基幹システムとの連携が必要な大企業向け。
ECサイトの費用を左右する主な機能:
- カート機能
- 商品・在庫管理機能
- 顧客管理機能(会員登録、ポイントなど)
- 多様な決済手段への対応(クレジットカード、コンビニ決済、後払いなど)
4. デザインにこだわった場合の追加費用
「他社とは違う、印象に残るデザインにしたい」という要望は、当然、追加費用として反映されます。
【追加費用:50万円~200万円以上】
テンプレートをベースに色や写真を変えるだけの場合と、ゼロからコンセプトを練り上げ、完全オリジナルのデザインを制作する場合とでは、デザイナーの工数が全く異なります。
- オリジナルデザインに含まれる工程:
- 詳細なヒアリングと競合調査
- サイト構造の設計(ワイヤーフレーム作成)
- 複数パターンのデザイン案提出
- 細部にわたる作り込みと修正対応
- その他、デザイン費用を上げる要素:
- アニメーションやインタラクション: ユーザーの操作に応じて動くような、高度な視覚効果。
- イラストや図解のオリジナル作成: サービスを分かりやすく伝えるための、オーダーメイドのイラスト制作。
5. プロのカメラマンによる写真撮影の料金
ホームページの品質、特に企業の信頼性やブランドイメージは、使用される写真の質に大きく左右されます。
【費用相場:半日拘束で5万円~15万円、1日拘束で10万円~25万円】
フリー素材や素人写真では伝わらない、プロならではのクオリティは、サイトへの投資価値を大きく高めます。
- 料金に含まれることが多いもの:
- カメラマンの人件費(撮影料)
- 基本的な機材費
- 撮影データの納品(色味調整などのレタッチ込み)
- 別途費用がかかる場合があるもの:
- 交通費、出張費
- スタジオレンタル料
- モデルやヘアメイクの手配料
- 高度な画像合成や修正作業
社長やスタッフのポートレート、オフィスの風景、商品の物撮りなど、必要な写真の種類とカット数を事前に制作会社と相談しましょう。
6. ホームページ制作における保守・管理費の内訳
ホームページは公開して終わりではありません。安全かつ正常に稼働させ続けるためには、定期的な保守・管理が必要です。
【費用相場:月額1万円~5万円】
多くの制作会社が、月額制の保守管理プランを提供しています。
- 保守・管理費の主な内訳:
- サーバー・ドメインの管理: 契約更新手続きの代行など。
- CMSのアップデート: WordPress本体やプラグイン(拡張機能)を常に最新の状態に保ち、セキュリティの脆弱性を防ぎます。
- データのバックアップ: 万が一のサーバー障害やデータ消失に備え、定期的にサイトのバックアップを取得します。
- 軽微な更新作業: お知らせの更新や、テキスト・画像の差し替えなどを、一定の作業時間内で対応。(例:月2時間まで)
- 技術的な問い合わせ対応
自社に専門知識を持つ担当者がいない場合は、保守契約を結んでおくことを強く推奨します。
7. 記事作成やコンテンツ制作を依頼する費用
SEO対策や、ユーザーへの有益な情報提供のために、ブログ記事などのコンテンツを定期的に更新していくことは非常に重要です。
【費用相場:1記事あたり2万円~10万円】
記事作成の費用は、その内容や専門性によって大きく変動します。
- 価格の決定要因:
- 文字数: 基本的な料金基準となります。
- 専門性: 医療や法律、金融など、高度な専門知識や資格が必要な分野は高額になります。
- 取材・インタビューの有無: 専門家へのインタビューなどが発生する場合は、別途費用がかかります。
- SEO対策の度合い: キーワード選定や競合調査、構成案の作成から依頼する場合は、単なる執筆(ライティング)よりも高額になります。
料金体系は「1文字〇円」の文字単価制と、「1記事〇円」の記事単価制があります。
8. オプション機能(予約、決済など)の料金目安
基本的なホームページに、特定の機能を追加する場合の料金目安です。
- 予約システム:
- 費用相場: 10万円~50万円以上
- 美容室やクリニック、飲食店などで必須の機能。カレンダーとの連携、自動返信メール、事前決済機能など、要件が複雑になるほど高額になります。
- 多言語対応:
- 費用相場: 1言語あたり10万円~ + 翻訳費用
- サイトの構造を多言語に対応させるためのシステム構築費用と、各ページのテキストを翻訳する費用がかかります。
- サイト内検索機能:
- 費用相場: 15万円~
- 商品数や記事数が多いサイトで、ユーザーの利便性を高めるために導入されます。
これらの機能は、多くの場合オーダーメイドでの開発となるため、正確な費用は必ず個別に見積もりを取りましょう。
9. 大規模サイトのホームページ制作とその価格帯
数百~数千ページに及ぶ大規模なポータルサイトや、企業の基幹システムと連携するような複雑なコーポレートサイトの制作です。
【費用相場:500万円~数千万円以上】
このレベルになると、単なるホームページ制作ではなく、大規模なシステム開発プロジェクトとなります。
- 大規模サイトの要件例:
- 膨大なページ数とコンテンツの管理
- 会員登録・ログイン機能とデータベース連携
- 複数の管理者権限設定
- 外部システムとのAPI連携
- 高いレベルのセキュリティ要件
- 大規模アクセスに耐えるサーバーインフラ構築
プロジェクトマネジメントの難易度も格段に上がり、要件定義から設計、開発、テストに至るまで、多くの専門家と長い期間を要します。
10. 費用の内訳を理解し適正価格を見極める
ホームページ制作の費用は、まさに千差万別です。大切なのは、提示された金額の裏側にある**「作業内容」と「投入される時間(工数)」**を理解し、自社の目的達成に見合った「価値」があるかどうかを見極めることです。
- 必ず複数社から相見積もりを取る: 1社だけの見積もりでは、その価格が適正かどうか判断できません。少なくとも3社から見積もりを取り、比較検討しましょう。
- 「一式」の見積もりは要注意: 「ホームページ制作一式 〇〇円」といった大雑把な見積もりではなく、本記事で紹介したような項目ごとに費用が明記された、詳細な見積書を提出してくれる会社を選びましょう。
- 安いには安いなりの理由がある: 極端に安い価格には、テンプレートデザインしか使えない、コンテンツは全て自社で用意する必要がある、サポートが一切ないなど、何らかの理由が隠れている可能性があります。
- 価格は「人件費」であると心得る: ホームページ制作の費用の大部分は、ディレクター、デザイナー、エンジニアといった専門家の「人件費(作業時間)」です。高いクオリティや手厚いサポートを望むのであれば、それ相応の費用がかかるのは当然と理解しましょう。
まとめ
ホームページ制作は、家を建てるのによく似ています。設計図(企画・設計)があり、基礎工事(サーバー設定)を行い、職人(デザイナー・エンジニア)が家(サイト)を建て、そして完成後もメンテナンスが必要です。どのような家を建てたいかによって、費用が大きく変わるのは当然のことです。
自社の目的を明確にし、この記事を参考に費用の内-訳と相場感を理解することで、あなたは制作会社からの提案を正しく評価し、納得のいく価格で、ビジネスを成功に導く最高のパートナーを見つけることができるはずです。
執筆者
畔栁 洋志
株式会社TROBZ 代表取締役
愛知県岡崎市出身。大学卒業後、タイ・バンコクに渡り日本人学校で3年間従事。帰国後はデジタルマーケティングのベンチャー企業に参画し、新規部署の立ち上げや事業開発に携わる。2024年に株式会社TROBZを創業しLocina MEOやフォーカスSEOをリリース。SEO検定1級保有
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